前に進めないときの突破口は「例外」にあった!

何らかの問題を抱えていて、
それを解決しようと
考え続けているのに、
どうしても前に進めない。

そんなときは、
少しだけ視点を変えてみることで、
解決の糸口が
見えてくることがあります。

この記事では、
解決志向アプローチの
「例外」という考え方を利用して、
自分一人でも問題解決のヒントを
見つけていく方法をご紹介します。

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「例外」とは何か?

私たちは問題を抱えると、
ついその問題の原因ばかりに
目を向けがちです。

「なぜうまくいかないのか」
「何が悪いのか」と原因を掘り下げれば、
問題は解決できると考えるからです。

しかし、
そのように考え続けることで、
気持ちはかえって重くなり、
解決の見通しが
遠くなることもあるでしょう。

そんなとき、
「解決志向アプローチ」は
この発想を
根本からひっくり返してくれます。

このアプローチは、
問題の原因ではなく、
すでに「うまくいっている部分」
に注目することで、
変化のきっかけを
見つけようとするものです。

このアプローチでは
「例外」を探るという考え方が
中心になります。

では、「例外」とは
何なのでしょうか?

それは、
問題がいつもより軽かった、
あるいは問題が起きなかった場面
のことを指します。

どんなに深刻な悩みでも、
「24時間365日、
常に同じ深刻さが続いている」
というわけではないでしょう。

必ずどこかに、
ほんの少しだけ楽だったとき、
問題の影響が軽かった時間帯、
いつもとは違う反応ができた場面が
存在するものです。

解決志向アプローチでは、
その「例外」の中にこそ、
解決へのヒントが隠れている
と考えます。

大切なのは、
「例外」は偶然の産物ではない
という視点です。

何かが違ったから、
問題が起きなかった、
あるいは軽くなったのです。

その「何か」を意識化し、
意図的に増やしていくことが、
このアプローチの核心にあります。

原因を追究して
状況を変えようとするのではなく、
すでに自分の中に存在する
「うまくいく条件」を発見し、
未来に活かしていく──
これが「例外を探ること」の本質です。

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日常に潜むうまくいっていた瞬間

「例外」と聞くと、
何か特別な出来事を
想像するかもしれませんが、
実際には日常的な場面の
「ふとしたこと」で十分です。

いくつか具体例を挙げてみましょう。

たとえば、職場の人間関係に
悩んでいる人がいるとします。

特定の同僚との関係が険悪で、
話すたびに気まずくなってしまう。

でも思い返してみると、
先週の金曜日の昼休みに、
たまたま雑談が弾んで、
少し和やかな空気になった瞬間があった──
これが「例外」です。

次の例は、
子どもへの接し方に悩む親の場合です。

毎朝の準備で
子どもと衝突してしまい、
怒鳴ってしまうことが続いている。

でも先月の連休中は
不思議とスムーズに朝の支度ができて、
穏やかに送り出せた日があった──
これも「例外」です。

別の例として、
慢性的な先延ばし癖に
悩む人を考えてみましょう。

やるべきことを後回しにしてしまい、
締め切り直前になって
焦りながら動き出す。

でもある日、珍しく
すんなり取り掛かれた仕事があった──
これも「例外」です。

このように例外は、
大きなものである必要はありません。

「いつも10の苦しさが、
あの日は7くらいだった」
という程度の小さな変化でも、
立派な「例外」になります。

まず最初に、
いつもとはちょっと違っていた
「例外」を探すことが、
問題解決の第一歩になるのです。

なぜなら、このアプローチでは、
「例外」はたまたまではなく、
その中にうまくいく条件が潜んでいる
と考えるからです。

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なぜ「例外」を探ることが解決につながるのか?

私たちが問題に向き合うとき、
やりがちなことが
「問題の原因探し」です。

「なぜこうなってしまったのか」
「何がいけなかったのか」
と考え続けてしまいがちです。

一見すると論理的に思えますが、
多くの場合、
原因がわかったとしても、
それをどう解決するかという答えが
自動的に見つかるわけではありません。

むしろ原因の分析を深めるほど、
「やっぱり自分が悪い」
「環境が悪い」
「もうどうにもならない」といった方向に
気持ちが向かってしまうことも
あるでしょう。

一方、「例外を探る」アプローチは、
視線を過去の原因ではなく、
未来と可能性に向けるものです。

「うまくいった瞬間がある」という事実は、
「自分にはできる要素がある」
という証拠にほかなりません。

それはどんなに小さくても、
「変化の可能性」を示しています。

そしてその例外が起きたとき、
自分は何をしていたのか、
いつもと何が違っていたのか、
周囲の状況はどうだったのかを
丁寧に見ていくことで、
「また同じことを繰り返すための条件」
が見えてくるかもしれません。

これが解決への糸口となるのです。

また、このアプローチには
心理的に安心感をもたらす
という利点もあります。

問題の原因ではなく
例外に目を向けることで、
「自分はすべてにおいて
失敗しているわけではない」
という認識が生まれ、
自己効力感、つまり「自分ならできる」
という感覚が少しずつ回復していくでしょう。

この心理的な変化そのものが、
問題解決の大きな後押しになるのです。

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自分一人で「例外」を見つける──問いかけの実践

このアプローチはカウンセリングの場で
使われることがありますが、
基本的な問いかけを知っていれば、
自分自身に対して
一人で行うことも可能です。

まず試してほしいのが、
問題を「ずっと同じではない」
という前提で見直すことです。

「この問題がいつもより
少しましだったのはいつか」
「最近1~2週間で、
ほんのわずかでも楽だった瞬間はあったか」と、
自分に問いかけてみましょう。

最初はなかなか
思い浮かばないかもしれませんが、
じっくり考えてみてください。

「完全に解決していた」ときではなく、
「少しだけましだった」ときを
探すのがコツです。

次に、その例外を見つけたら、
「そのときは、いつもと
何が違っていたのか」
を具体的に問い直します。

「何時ごろだったか」
「誰がいたか、あるいはいなかったか」
「その前日に自分は何をしていたか」
「気分はどうだったか」
「どんな考え方をしていたか」などを、
できるだけ細かく思い出してみます。

まるで探偵が
現場を調べるような気持ちで、
丁寧に状況を見ていくのです。

そして、「そのとき
自分はどんな工夫をしていたか」
「何かを意識的に選んでいたか」
と問いかけることも大切です。

「たまたまそうなった」
と思いがちですが、
例外が起きた場面には、
本人が無意識のうちに行っていた
小さな行動や選択が
関係していることが少なくありません。

その「無意識の工夫」を
意識の表面に引き上げることが、
再現できる解決策へと
つながっていくのです。

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「例外日記」をつけてみよう!

一度の問いかけで
例外を見つけられなくても、
継続的に記録をつけていくことで、
少しずつ見えてくることがあるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、
「例外日記」と呼べる
シンプルな記録習慣です。

毎日の終わりに、
その日一日を振り返って、
「問題がいつもより軽かった瞬間」あるいは
「問題が起きなかった瞬間」があったら
書き留めてみます。

記録を続けていくと、
例外が起きやすい
「条件のパターン」が
見えてくるかもしれません。

「よく眠れた翌日は
気持ちが安定している」
「一人で作業するときには、
音楽を流しているときのほうが集中できる」
「誰かに話を聞いてもらった後は、
対人関係の摩擦が減る」

こうしたパターンが見つかったら、
それを少しずつ
意図的に取り入れていくようにします。

そうするうちに、
気がつけば状況は以前より
少しよい方向へ
向かっているかもしれません。

また、「日記を書く」
という行為そのものが、
自分の状態を客観的に観察する
練習にもなるでしょう。

問題の渦中にいるとき、
私たちの視野は
極端に狭くなりがちです。

書くことで自分自身を
少し離れた位置から見ることができ、
今まで見えなかったものが
見えてくることもあるでしょう。

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おわりに

この記事では、解決志向アプローチの
「例外」という考え方を使って、
自分一人で問題解決のヒントを
見つけていく方法についてお伝えしました。

「例外」は、
問題が起きていないとき、
あるいはいつもより
少しましな状態の瞬間を指します。

私たちはつい
「なぜ問題が起きるのか」という
原因に目を向けがちですが、
この方法では
「問題が起きていないときには、
何が違っているのか」という
例外的な事実に注目し、
そこから解決の糸口を探っていきます。

「例外を探る」というのは、
問題を軽く見たり、
見て見ぬふりを
したりすることではありません。

「問題はある。でも、
その問題にも波がある」という現実を
しっかりと認識した上で、
その波の中にある可能性に
光を当てる作業です。

解決志向アプローチは、
苦しみや悩みを否定しません。

むしろ、
問題の存在を認めた上で、
「では、少しでも
うまくいっていた瞬間には何があったのか」
という問いを通じて、
本人がすでに持っている力や工夫に
気づいていくプロセスです。

そこには、「あなたには
すでに解決のためのリソースがある」
という考え方があります。

このプロセスに取り組むとき、
最初は「例外なんてない」
と感じるかもしれません。

でも、それは
例外が存在しないのではなく、
まだ見つけていないだけなのでしょう。

問いかけを続け、
記録を積み重ねていくうちに、
少しずつ何かが見えてくることも
よくあることです。
根気よく続けましょう!

原因を追及する方法では
なかなか解決できない問題でも、
日々の中で
「例外」を探す習慣を持つだけで、
これまでとは別の角度から
物事を見ることができるようになります。

そして、そこから
思いがけない解決の糸口が
見えてくるかもしれません。

この作業はいつでもどこでも
手軽にできるので、
試してみる価値はあるでしょう。