仕事で結果を出す人が、あえて仕事と関係ない趣味を大切にする理由

「仕事で成果を上げたい」と願うとき、
どうすれば、その願いは
叶いやすくなるのでしょうか?

この記事では、
仕事とは関係のない趣味を持つことが、
なぜ仕事のパフォーマンスそのものを
高めるのかを考えます。

「趣味は仕事の邪魔」どころか、
「趣味こそが仕事を支える土台」だ
という視点を、
ご理解いただければ幸いです。

====

休んでいるのに疲れが取れない理由

週末に体を休めたはずなのに、
月曜日の朝には
すでに疲れを感じている。
そんな経験はないでしょうか? 

これは体の疲れとは別に、
頭と心がずっと
働き続けていたせい
かもしれません。

体は横になっていても、
「あの件、どうしよう?」
「月曜の会議、準備が十分ではないかも…」
「あのメール、返信したっけ?」
といった思考が頭の中を回り続けていれば、
脳は休息モードに入れません。

つまり、
体を横にしているだけでは、
本当の意味での休息にはならず、
体の回復も期待できないのです。

現代の知識労働の多くは
「考え続けること」そのものが
仕事になっています。

営業であれば顧客の状況を分析し、
エンジニアであれば
コードの問題を解き続け、
管理職であれば組織の課題を
頭の中で常に処理しているでしょう。

こうした仕事では、
「職場を離れた」という物理的な事実と、
「仕事から離れた」という心理的な状態が、
必ずしも一致しないのです。

体は家にいても、
意識はまだ職場に残っている
という状態が慢性的に続くと
どれだけ体を休めていても、
疲弊感は消えないでしょう。

趣味の時間が持つ価値は、
まさにここにあります。

夢中になれることに集中しているとき、
人は自然と仕事のことを
忘れるものです。

無理に「忘れよう!」と
自分に言い聞かせるのではなく、
別の何かへの没頭が、
仕事への思考を
自然に遠ざけてくれるのです。

その時間が終わったあと、
不思議と気持ちが軽くなっているのは、
脳が仕事モードから離れられたサイン
と言えるでしょう

====

「趣味」はある意味、よい投資

趣味に時間を使うことに
罪悪感を覚える人は
少なくありません。

「これをやっている間に
ライバルに先を越されてしまう」
という焦りを感じ、
趣味なんかに時間を割けない
と思うかもしれません。

しかし、この考え方には
大きな落とし穴があります。

人間の集中力や創造力は、
疲労の影響を受けやすいです。

電池が切れかかったスマートフォンが
どれほど高機能でも、
その性能を発揮できないのと同じで、
疲弊した状態で頑張り続けても、
仕事の質は上がらないでしょう。

むしろ、
判断ミスや見落としが増え、
同じ作業に余計な時間がかかる
という悪循環に陥ることもあります。

「あの人はいつも遅くまで
働いているのに、
なぜか成果が出ない」という場合は、
こうした消耗の問題が
関係しているのかもしれません。

消耗状態から回復するためには、
意識的に「仕事以外の時間」
を作ることが有効です。

好きな趣味に没頭することは、
そのためのよい方法と言えるでしょう。

趣味の時間を
「パフォーマンスを上げるための
充電時間」と捉え直してみてください。

トップアスリートが試合の翌日に
軽いストレッチで体を回復させるように、
長期的に高いパフォーマンスを
出し続ける人ほど、
意識的に心をほぐす時間を確保しています。

趣味によって心に余白が生まれ、
その余白こそが
翌日の集中力や創造力の源になるのです。

そう考えたら、
趣味はある意味で、よい投資と
捉えることができるでしょう。

====

仕事と「違う種類」の趣味が効果的なわけ

どんな趣味でも
一定の効果はありますが、
仕事と違う種類の趣味は、
特に気分転換の効果が高い
と言われています。

なぜなら、同じ種類の注意や思考を
使い続ける状態から離れ、
別の感覚や行動に意識を向けることで、
心と頭がリフレッシュし、
回復しやすくなるからです。

たとえば、一日中パソコンの前で
数字やデータを分析している
経理や財務の仕事をする人を
思い浮かべてみてください。

そういった人が帰宅後に
趣味としてパン作りを始めたとします。

小麦粉と水と酵母を混ぜ、
手のひらで生地をこねるとき、
その人の意識は
「生地の弾力がどう変わるか」
「表面のなめらかさはどうか」という
完全に手の感触に向かいます。

数値や論理に向いていた意識が、
手触りや香り、
手の動きへと移っていくのです。

同じように、
コードを書き続けるエンジニアにとって、
週末のキャンプや登山が
「効く」理由も見えてきます。

一日中、画面の中の抽象的な構造物を
頭の中で組み立て続けた後、
テントを設営し、薪を割り、火をおこす
という一連の行為は、
五感すべてを使うリアルな「手仕事」です。

風の匂い、薪の重さ、炎の揺らぎ。
こうした豊かな感覚が、
スクリーンに向かい続けた脳を
根本からリセットしてくれるでしょう。

営業職やカウンセラー、教師、接客業など
人と深く関わる仕事に就いている人は、
一人で静かに過ごせる趣味が
心の充電になるかもしれません。

こうした仕事では、相手の気持ちを読み、
言葉を選び、関係を維持するために、
一日中エネルギーを使っています。

そのため、趣味の時間に
再び誰かと積極的に関わることは、
回復どころか、さらなる消耗に
つながることもあるでしょう。

そんな場合には、陶芸など
一人でできる趣味が有用です。

ろくろの上で
ゆっくりと形を変えていく土に
集中するとき、人は自然と
「今この瞬間」に引き戻されます。

上司の評価も、顧客の反応も、
同僚との関係も、そこには存在しません。

あるのはただ、
自分の手と土との対話だけです。

同じ理由で、水彩画や写真、盆栽、
あるいは釣りといった
「自分のペースで、静かに何かと向き合う」趣味も、
相性がよいと言えるでしょう。

あくまでも大切なのは
「仕事とは違う回路を使う」
ということであって、
特定の趣味が絶対的に正解
というわけではありません。

ここで挙げた例は参考であり、
自分の仕事の性質や好みと
照らし合わせながら、
「普段使っていない部分を動かせるもの」
を探すことがポイントになります。

====

趣味に「上手さ」は必要ない

趣味を始めようと思ったとき
「でも自分には才能がないから」
「中途半端にやるくらいなら」
と躊躇する人がいます。

あるいは、
趣味を始めたはよいものの、
上達するにつれて
「もっとうまくならなければ」
という義務感が生まれ、
いつの間にかプレッシャーに
なってしまうこともあるでしょう。

そう感じているなら、考え方を
変えてみてもよいかもしれません。

趣味の意味は、上達や成果だけに
あるわけではありません。

少なくとも、仕事から回復する
という観点から見れば、
うまくできるかどうかは関係ないのです。

絵が下手でも、スケッチブックを広げて
ペンを走らせているその時間に
楽しさを感じるなら、
そこには十分意味があります。

料理が得意でなくても、
自分で作った一皿を食べて
心が満たされるなら、
それはとても価値のある時間です。

むしろ、「うまくやろう」
という意識が薄いほど、
無心に近い状態になれるため、
心を整えるという意味では、
より深いリセット効果が得られるでしょう。

避けたいことは、趣味が
「もう一つの仕事」になってしまうことです。

コンテストで入賞を目指す、
SNSで多くのフォロワーを得ようと頑張る。

こうした目標を趣味に持ち込みすぎると、
そこにも評価と達成のプレッシャーが
生まれてしまうでしょう。

他人からの承認を意識した瞬間、
その活動は純粋な楽しみではなく、
「もう一つの評価の場」に
なってしまうのです。

そして、それがいつの間にか、
楽しみではなく
心の負担になることもあるでしょう。

趣味の時間に感じたいのは、
「本当に楽しかった!」
「気がついたら時間が経っていた!」
という満ち足りた感覚です。

心理学者のミハイ・チクセントミハイが
提唱した「フロー状態」、
つまり何かに完全に没頭して
時間を忘れる感覚は、
人の幸福感と深く結びついています。

趣味の中で
そのような瞬間を経験することは、
それ自体が心の回復となり、
翌日の仕事へ向かうエネルギーを
生み出してくれるのです。

====

どうしても時間が取れないなら、10分でもいい

趣味を始めたくても、
まとまった時間を確保できない
と悩む人もいるでしょう。

どうしても時間が取れないなら、
たった10分でもいいので、
気分転換の時間を
意識して取り入れてみてください。

たとえば、10分間、
外の空気を吸いながら
近所を散歩するだけでも、
気持ちはだいぶ切り替わるものです。

10分間だけ
ヘッドフォンをつけて
好きな音楽を聴く。

窓辺の植物に水をやりながら、
葉の色や新しい芽に気づく。

手帳を開いて、今日感じたことを
少しだけでも書き留める。

これくらいの小さなことでも、
ちょっとした気分転換になります。

また、疲れすぎていて、
何かをする気力が湧かない日も
あるかもしれません。

そういったときは、
無理に何かを「する」のではなく、
何もしないことを
自分に許してあげてください。

ただぼんやりと窓の外を眺める。
コーヒーの香りだけを楽しむ。

そんな静かな時間も、
自分をいたわるための
立派なケアになります。

理想を言えば、ある程度まとまった
趣味の時間を確保し、
仕事とはまったく関係のない、
心から楽しめる活動に
没頭できるとよいでしょう。

ただ、それが難しい場合は、
短い時間でもかまいません。

定期的に気分転換の時間を
つくることを意識してみてください。

毎日少しずつ繰り返すことで、
気分転換の時間を取ることが
自然な習慣になっていくでしょう。

そしてその習慣が、
日々の仕事に向かうための心の余裕を、
少しずつ作ってくれるでしょう。

どうしても時間がないのなら、
「回復のための小さなひととき」
を意識して取り入れるだけでも、
心のエネルギーも違ってくるでしょう。

====

おわりに

この記事では、
仕事で成果を出したいと願うからこそ、
仕事から離れる趣味の時間が必要だ
ということをお伝えしました。

心と脳にも、体と同じように
「回復の時間」が必要です。

仕事とは異なる種類の活動が
脳の疲労を和らげ、
うまくやろうとしない純粋な没頭が
心に余白を生み、
その余白から翌日の集中力と発想力が
育まれていきます。

この循環が、長い目で見たときに、
仕事の質と自分自身のコンディションの両方を
支えてくれるのです。

趣味は、仕事を長く、よい状態で
続けていくための
心強い味方になってくれるでしょう。

どうしても時間が取れない場合には、
たった10分でいいので、
仕事のことを忘れられる何かを
試してみてください。

散歩でも、音楽でも、
ただ空を眺めるだけでもかまいません。

「こんな小さなことで」
と感じるかもしれませんが、
その積み重ねが、
あなたの集中力や心の余裕を、
少しずつ育ててくれるでしょう。

仕事を本気で頑張りたい
と思っているのなら、
どうか自分自身を回復させることにも、
同じくらい真剣に
目を向けてみてください。

あなたの成功を
お祈りしています。