親切がお節介に変わらない、賢いアドバイスの進め方

効果的な学習法、適切な健康習慣、
高効率の仕事術など
自分が良いと信じる方法を、
他人に勧めてみたことはありませんか?

しかしそれにも関わらず、
相手は全くと言っていいほど、
提案に従ってくれません。

こんな場合、
どうすれば相手を引き込むことができ、
自分の提案を
実践してもらえるでしょうか?
これが今回の記事内容です。

参考材料として、精神科医であり、
ユーチューブでも広く知られる
樺沢紫苑先生の見解を引用しつつ、
話を進めてゆきたいと思います。

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自分が良いと思うことを
親しい友人や家族に伝えたい
という気持ちになるのは、
自然なことでしょう。

そのことを
知らない人に対して
「これは役立つよ」と紹介する行為自体は、
決して悪いことではありません。

しかし、
一度提案を行った後で、
相手が興味を示さない場合、
さらに強く勧めるのは
控えたほうがよいでしょう。

なぜなら、
どれほど優れたものであろうと、
相手が歓迎しないことを押し付けると、
それは単なる迷惑にしか
ならないからです。

さらに、自分自身にとっても、
他人に強く勧める行為は
時間とエネルギーの浪費に
なるでしょう。

もし自分が
提案を受ける側に立ってみると
どうでしょうか?

仕事や家事の方法に
満足している時に、
「こうするともっとうまくいくよ」
というアドバイスをされたら、
率直に言って心地よくないでしょう。

自分が困っており、
アドバイスを求めている場合は別ですが、
何も助けを求めていないのに、
わざわざ助言されるのは、
お節介であると感じられます。

あなたが善意で
「これはいいよ」と言っても、
相手の心の中では、
「うるさい!口出ししないで」
と反発しているかもしれません。

場合によっては、
「マウント取りをしているの?」とか、
「自慢しているの?」と、
親切さがネガティブに
解釈されることもあるでしょう。

一度だけアドバイスを行い、
相手の反応が鈍いようであれば、
それ以上は
強く勧めないほうが無難です。

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それでも、あなたが
「これは素晴らしいもので、
ぜひ他人にもやってほしい」
と強く望むのであれば、
試す価値のある手法があります。

それは、
まず自分がその方法を用いて
明らかな効果を得ること。
そして、その効果を
他人にさりげなく示すことです。

例えば、
筋力トレーニングを勧めたい場合。

定期的で適度な筋トレにより、
あなたの肌の輝きが明らかに向上すれば、
友人は「最近、肌が張りを帯びてきたね。
何か新しい化粧水や化粧品を
試しているの?」と聞いてくるでしょう。

そこで、初めて相手に対して
筋トレがどのように美肌効果に寄与するか
を説明するチャンスが得られます。

「化粧品は
以前から使っているものと同じだけど、
最近は筋トレを始めたんだ。
週に3回、20分ほどだけど、
それが成長ホルモンの分泌を促し、
肌に良い影響を与えているんだよ」
と伝えるのです。

その話を聞いた相手は、
「筋トレがこんなにも
素晴らしい効果をもたらすなら、
私も試してみようかな」
と思うかもしれません。

ダイエットも同じです。
あなたが健康的に痩せて、
以前よりも美しい体型になれば、
何も語らなくても相手から
「どうやってそんなに美しく痩せたの?」
と質問されるでしょう。

相手から質問されるということは、
その相手が興味を持っていて、
それを知りたいと考えている証拠です。

その瞬間こそ、詳しい説明を
提供する絶好のチャンスです。

相手も喜んで
あなたの話を聞いてくれるでしょう。

要は、自分が有益だと思う方法で、
目に見える成果を上げ、
それを他人にさりげなく見せることが、
説得する上で最も有効な方法である
ということです。

ここで重要なのは、
「さりげなく」という点。

強制的に見せつけるのではなく、
自然に示すことがポイントです。

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相手に対する説明の際には、
その手法を工夫することも大切です。

同じ内容を伝えようとしても、
表現方法によっては、
相手に十分に
理解してもらえない場合もあるからです。

では、具体的に
どのような点に配慮すれば
良いのでしょうか?

初めに、威圧的な言葉遣いや
トーンは避けること。

相手に対して礼儀正しく、
穏やかな口調で
伝えることが望ましいです。

それによって、相手は
あなたの話を
受け入れやすくなるでしょう。

さらに、
相手の知識レベルを考慮し、
複雑な表現や専門用語を
避けることも重要です。

シンプルで具体的な例を引くことで、
相手はより理解しやすくなるでしょう。

また、相手のペースに合わせて
話すことも大切です。

ここでは、
話を無理に進めるのではなく、
相手の理解度を見つつ
適切に話を進めることが
求められます。

それから、可能な限り
ポジティブなアプローチを
試みてください。

同じメッセージでも、
否定的な表現より
肯定的な言葉で伝えることで、
相手はより前向きに
受け入れやすくなるからです。

説明する内容が
一般的に難解な場合には、
物語のように情報を組み立てると、
相手にとって想像しやすくなります。

これらのポイントを心に留めて、
分かりやすく説明することで、
相手があなたの言葉を理解しやすくなり、
あなたの提案に同意する可能性も
高まるでしょう。

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それでは、今回の話の内容を
整理しましょう。

1)他人に何かを勧める際には、
相手が理解しやすいように、そして
あまり押し付けがましくならないように、
表現方法に工夫を凝らし
説明することが重要です。

2)一度相手に話してみて、
それに対して
相手が興味を示さないようであれば、
そこで説明を止めるべきです。

あなたの親切が、逆に
お節介と感じられてしまうことが
あるからです。

3)それでもあなたが
何かを強く勧めたいのならば、
まず自分がそのことを深く探求し、
それによって得た素晴らしい成果を、
さりげなく他人に見せることが有効です。

相手が
「それはすごい、どうやったの?」
と興味を示したときに、
丁寧に説明すると
喜んで聞いてもらえるでしょう。

参考動画:「人に勧めたいけど興味を持ってくれない」の対処法
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)