お金持ちになっても、幸せになれないのは、どうして?

お金が沢山あれば、
何でも欲しいものが
手に入る。

お金持ちになれば、
幸せになるに違いない、
と確信して、一生懸命頑張った。

そのお陰で、お金に
恵まれるようになったが、

実際に、お金持ちになっても
想像していたのとは違って、
幸福感を感じられない人も
少なくないようだ。

今回は、
なぜ、そうなのか? 
について、考えてみたい。

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起業して、
ビジネスを軌道に乗せ、
成功して、お金持ちになった人でも、

昔自分が思ったよりも、
幸せではないと感じることも
よくある話だ。

その理由は、
ドーパミン的幸福だけを
追い求めてしまったからだ。

人が幸福になるためには、
ドーパミン的幸福も大切だが、

それ以前に、
セロトニン的幸福や
オキシトシン的幸福を
満たす必要がある。

脳科学的に観れば、
3大幸福物質である
「セロトニン」
「オキシトシン」
「ドーパミン」が

脳内で
十分分泌されている状態が
「幸せだ」ということになる。

これらの物質が十分でない時、
どれを最優先させるかは
とても重要なポイントだ。

なぜなら、順番を間違えれば、
幸福になるどころか
不幸になってしまうことも
あり得るからだ。

どの順番で満たせばよいかは、
まず最初に「セロトニン」、
次に「オキシトシン」、
最後に「ドーパミン」という順だ。

セロトニンやオキシトシンが
不足しているのに、
先にドーパミンの分泌を
促すようなことを沢山すれば、

願望が実現しても、
幸せな気持ちに
なれないこともしばしば起きる。

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最初に、
これら3大幸福物質が
私たちの身体の中で
どんな役割を果たしているのか
お話したい。

まずは、「セロトニン」。

この物質は心と身体の
健康には必須のもの。

感情をコントロールして、
心のバランスを取り、

「気分が良い」、
「体調が優れている」、
「感情が安定している」と
感じさせるものだ。

セロトニンは
睡眠ホルモンである「メラトニン」
の原料でもある。

質の高い睡眠を取り、
活き活きと生活するためにも
必要なものだ。

セロトニンが不足すれば、
イライラした気分になり、
ちょっとしたことで
怒りやすくなる。

感情のコントロールが
難しくなり、
暴力的になることもある。

それとは逆に
気分がとても落ち込んで、
鬱っぽくなり、
何もできなくなることも
あり得るのだ。

鬱病とは、
セロトニンレベルが
著しく低下した状態だ。

心身ともに
健康に生きるためには
脳内で「セロトニン」が
十分出ていることが必須だ。

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次に「オキシトシン」
について。

オキシトシンは
繋がりの幸福物質。

人と人との
密接な関係がある時に
分泌される。

親しい人と一緒にいて
「楽しい」、「嬉しい」、
「安らぐ」と感じる時、
オキシトシンが
分泌されている。

相手が人間ではなく、
犬や猫や小鳥などのペットでも
オキシトシンは出るもの。

ペットと戯れて
安らぎの時間を過ごす時、
オキシトシンで満たされる。

人に喜んで貰えるような活動を
している時、
自分自身も大きな喜びを
感じることも多い。

そんな時に
オキシトシンがドバドバと
分泌されているのだ。

オキシトシンは
免疫力向上にも有効。

感染症予防のためにも
オキシトシンレベルを
上げるよう努めたほうが
望ましい。

そのためには、
一人ぼっちで寂しい時間を
過ごすのではなく、
積極的に誰かと親密な繋がりを
持つことが大切だ。

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次に「ドーパミン」
について。

何かを達成した際に
「ヤッタ―!」と快感を覚えるのは、
ドーパミンの働きによるもの。

ドーパミン的幸福は、
「成功」の幸福とも言える。

ドーパミンが分泌されれば、
意欲が湧いてきて、
もっと頑張ろう!
という気持ちになる。

仕事や勉強で
大きな成果を出すためにも、
ドーパミンは重要な物質だ。

ドーパミンが増えれば、
元気いっぱいでやる気満々。

集中力もアップして、効率よく
物事をこなせるようになる。

意欲的にポジティブな姿勢で
色々なことに臨むことも可能だ。

ビジネスで成功することは、
ドーパミン的幸福だ
と言えるのだ。

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セロトニン、オキシトシン、
ドーパミンの3つが
脳内で十分分泌されるのが理想だが、

現実的には、
誰もがその状態でいれるかは
大きな疑問だ。

満たされていない人は
このどれもが不足気味
ということもしばしば。

もし、3つともイマイチならば、
どれを最優先させるのか? 
正しい優先順位を知ることが重要だ。

なぜなら、順番を間違えれば、
幸福になるどころか
不幸を招くこともあり得るから。

その順番とは、
1)セロトニン、
2)オキシトシン、
3)ドーパミン
の順だ。

なぜ、そうなのか? 

たとえば、ドーパミン的幸福を
強く追い求めたせいで、
心身の健康を失う人がいる。

出世するために、
昼間はもちろんのこと、
夜間もずっと残業をして、
睡眠時間も削って、仕事に没頭した。

確かに、やればやるだけ
仕事面では大きな成果を
出すことが可能だ。

その結果、上司からも認められ、
高いポジションに就けるだろう。

しかし、
自分の心身の健康を
ないがしろにして、
仕事を最優先して、
ガムシャラに頑張り続ければ、

そのうちしわ寄せがくる。
身体や心の健康状態を壊して、
場合によっては、
働けなくなるかもしれない。

そうなったら、
何のための頑張りだったか?
分からないだろう。

出世して、高給取りになり、
経済的にはリッチな食事が
可能になっても、

身体の具合が悪ければ、
美味しい食事も楽しめない。

そういう状態で
「自分は幸せだ」と
思うだろうか? 

起業して、ビジネスを軌道に乗せ、
良い感じで事業が回るようになった。

しかし、この成功を収めるのに、
ほとんどすべての時間を
仕事のために捧げて、
家族をないがしろにしていた。

こういう状況で
家族はどう感じるだろうか?

お父さんは仕事のことで
常に頭がいっぱいだ。

一生懸命頑張ることは
素晴らしくても、
奥さんとの貴重な時間、
子供とのスキンシップの機会を
すべて犠牲にしていた。

自分のビジネスのために
家族との時間を一切取らなければ、
そのうち大切な人間関係も
失われてゆく。

ビジネスで大成功して
億万長者になれたとしても、
その時には既に
奥さんからもそっぽ向かれ、
子供たちからも相手にされない。

そんな状況になれば、
どんなに経済的成功を収めても
「幸せだ」と感じられるだろうか? 

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前述の例は、
セロトニン的幸福、
オキシトシン的幸福を軽視して、
ドーパミン的幸福だけを
追い求めてしまった結果だ。

ビジネスで大成功して、
経済的には豊かになっても、
他の面では全く満たされず、
幸福からはほど遠い状態に
なってしまう。

せっかくの素晴らしい成果でも、
結局は自分を幸せには
してくれないのだ。

こう考えれば、
まず最初に、セロトニン的幸せ、
オキシトシン的幸せを
満たすことが最重要課題だ。

そのために、
十分な睡眠、健康的な食事、
適度な運動を心がけて、
セロトニンレベルを
上げてゆくことが必要。

それと同時に
大切な人たちと
繋がる時間も大事にして、
親密な関係を維持できるよう
努めることだ。

この土台がしっかりしてから、
初めて
チャレンジに移る段階となる。

いきなり大きなことを
やろうと頑張れば、再び
セロトニン的幸福や
オキシトシン的幸福は
犠牲になりやすい。

それよりも、
自分にとって
少し背伸びをするような
ムリないチャレンジのほうが
望ましい。

小さな目標を次々と
クリアしていくことで、
最終的には大きな成果を
出すことも可能だからだ。

多少時間はかかるかも
しれないが、そちらのほうが
確実であり、実践するのもラクだ。

ドーパミン的幸せだけでなく、
セロトニン的幸せや
オキシトシン的幸せも
両立させやすい。

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今回の話をまとめれば、
幸せに生きるためには、
3大幸福物質である
「セロトニン」「オキシトシン」
「ドーパミン」が
脳内で十分分泌されることが必須。

理想的は
すべてが満たされている状態が
望ましいが、

そうでない場合には、
正しい順序を守って
これらの物質レベルを
上げてゆくのがお勧めだ。

その順番は、
1)セロトニン
2)オキシトシン
3)ドーパミン。

ますはセロトニンを上げて、
身体と心の健康状態を
良好なものにすること。

そして、次に
親しい人との人間関係を
大切にして、
繋がりにより得られる幸福を
味わうこと。

この土台がしっかりしたら、
最後にチャレンジして
ドーパミン的幸福を
手に入れることだ。

この時も、他の2つを
失わないよう、
がむしゃらな無理は禁物だ。

それよりも、
ちょっと背伸びをするように
小さなチャレンジを次々と
積み上げてゆくとよい。

小さなものでも、
長期的視点では
大きなものに積み上がるからだ。