失敗した時に、やってはいけないこと

何か失敗をした時に、
失敗した自分に対して、
失敗した相手に対して、
やってはいけないことがある。
それは、反省し過ぎること。
反省させ過ぎることだ。

今までを振り返ってみて、
親や、教師や、上司から
「どうして、そんなことしたんだ!
反省しなさい!」
と反省を強要させられたことはないだろうか?
逆に、自分が子供や部下に
「反省しなさい!」と
叫んでしまったことはないだろうか?

思わしくないことが起きた時、
私たちは、とっさに、
「どうして、そんなことをしたのか?」
「どうして、そうなったんだ?」
と口走り、失敗した自分や、
失敗した相手に対して、
「反省」を求めてしまいがちだ。

でも、この姿勢は良くない。
誰でも、失敗したくて失敗するのではない。
間違いたくて、間違うのではない。
人間である以上、ミスはつきものだ。

上手く行かなかった原因を知ることは
大切であっても、
「反省しなさい!」、「反省しろ!」、
反省が足りない!」と言って、
反省ばかりをしたり、させたりすれば、
事態は余計悪い方向へ向かう。

反省すればするほど、
気が滅入って、暗い気持ちになり、
自分のダメさが大きく感じられて、
自信がなくなり、
自己肯定感も下がってしまう。

たくさん反省したところで、
失敗により起きたダメージが
元に戻るわけではない。
済んでしまったことは、
後でああだ、こうだ言っても、
どうにもならない。

失敗は一見、良くないことに思えるが、
観方を変えれば、
「こうしたらいけない」と分かり、
学びのチャンスにもなり得る。
失敗した時には
「どうすれば、今後、同じようなことが
起きないか?」を考えて、
対策案を出した上で、
実践してみることが大切だ。
そうすることで、
失敗は学びのチャンスに変身する。

失敗した時には、
「どうして、そんなことをしたのか?」
ではなく、
「どうしたら、その失敗はなくなるか?」
と聞いた方がよい。
それにより、改善、修正の方向へ向かい、
ずっと建設的になる。

「どうしたら、その失敗はなくなるか?」
を考える時、その前提として、
「何が原因だったのか?」
を自然と考えるようになるので、
わざわざ「どうして、そんなことしたのか?」
なんて聞く必要はない。

「どうして、そんなことしたのか?」
「どうして、そうなったのか?」
と何度も聞けば、
原因を突き止めるよりも、
失敗した自分や相手を責めて、
ネガティブ感情を膨らませるだけになる。
とても非建設的なアプローチだ。

このような話をすれば、
「そりゃ、そうだよ」と
肯いてくれる人も沢山いると思う。
でも、そんな私たちでも
実際、自分や、自分の子供、自分の部下が
何かやらかした時に、
とっさに出てしまう言葉が
「どうして、そんなことを!」の場合が多いのでは?

その後、直ぐに
「どうしたら、防げると思う?」と
聞き直せればいいが、
「どうして、そんなことを!」を
何度も繰り返し言い、
反省を求めすぎてしまえば、
自分や相手を責めることになり、
ネガティブ感情を増大させて、
物事は余計悪い方向へ向くだろう。

失敗を近くで見た時には、
このことを思い出して、
意識的に、失敗した自分や
失敗した相手に対して、
反省させ過ぎないよう
気をつけることは、大切だ。