あんなに嫌がっていたプール。でも、今ではスイスイ泳げるように!

今回は、
息子の水泳レッスンから学んだ
苦手克服方法について。

小学生のとき、息子は
どうしてもプールに行きたくなく、
駄々こねて拒否した。

でも、そんな息子でも
今ではスイスイ泳いで、
プール好きになれた!

これは
素晴らしい「水泳レッスン」
のおかげだ。

このレッスンを近くで見ていて、
どうすれば苦手なことを
ラクに克服できるか?
そのヒントを得た!

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結論を先に述べれば、
苦手なことを噛み砕き、
小さなものに分けること。

そして、
その小さな断片一つ一つを
自分のペースで
徐々にこなしてゆくことだ。

噛み砕いた一部分は
自分にとっては
ムリなくできること。

たくさんの部分に
分けられても、
1回1回は負担なくできるので、
ラクに次々と処理できる。

小さなステップを踏みながら
少しずつ
上に登ってゆけるのだ。

息子アレックスの
水泳レッスンを見学して、
小さなステップのパワーを
目の前で見せられた。

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アレックスは小さな頃
水が嫌いだった。

お風呂に入るのは大丈夫でも、
プールのように
広い場所は怖がった。

小学校では
水泳のクラスがある。

水泳の授業があるときには、
アレックスは
「学校へ行きたくない!」と言い、
動こうとしなかった。

クラスの子供たちが
ほとんど全員泳げるのに、
アレックスは顔を水につけるのも
嫌だったからだ。

担任の教師からは
「泳ぐのは身を守るための
サバイバルスキルなので、
嫌でも頑張りましょう」
と言われてしまった。

そんなわけで、
私は嫌がる息子を無理矢理
水泳教室に入れた。

正直言って、息子を見れば、
あまり期待はできなかったが、
教師から勧められ、
仕方なくそうしたのだ。

苦手なものは苦手。

「どうせムリだろう」
と私の中では
諦めの気持ちさえあった。

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泳げるようになるには、
まずは水の中に
潜れないといけない。

水を怖がるアレックスに
どうやって潜れるように
指導するのか?

私は興味深く
レッスンを見ていた。

まず最初に、インストラクターは
赤ちゃん用の浅いプールへ
アレックスを連れて行った。

そこは彼の足首まで
水に浸かるくらいの深さだ。

これなら息子も怖くない。

次に、膝上くらいまで
水につかる深さのプールへ
移動した。

これも無理なくクリア!

その次は
太ももの位置まで
くるものにトライ。

このように徐々に
身体のより高いところまで
水の中に入るようにしていった。

胸まで水に
浸かれるようになったら、
今度は水の中で
ボールの投げっこが始まった。

この時点では、まだ顔を
水に浸けられない状態だ。

それでも身体の大部分は
水に浸かっている。

この状態で
ボール投げをして遊ぶのだ。

そうするうちに、
アレックスも段々水に慣れて、
水に対する抵抗感も少なくなった。

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そうなってから
ようやく顔を水の中に入れる
練習が始まった。

最初は顎まで。
それができたら
今度は唇の下まで。

その後は唇の上、鼻の上、
目の下、目の上、おでこ……
とほんのちょっとだけ
深く潜るようにしていった。

1回のレッスンでは
少しだけ前に進むだけ。

ボール投げの遊びを
交えながら、
何度も同じチャレンジを
繰り返すような形で
確実にできるまで練習した。

子供が飽きた様子を見せたり、
抵抗を示したときには
インストラクターは
無理強いをしない。

そんなときには、
アレックスが楽しめるよう
ボール投げや水遊びに
戻るのだ。

時間はかかっても、
そうこうするうちに
アレックスは徐々に水に親しみ
最終的には
潜れるようになったのだ!

このときは、私も感激した!
大きなマイルストーンに
到達した気がしたからだ。

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潜れるようになってからも、
即、泳ぎの練習が
始まったわけではない。

インストラクターが玩具を
プールの底に投げて、
その玩具を水泳クラスの子供たちが
取りに行くゲームを繰り返した。

できるだけ多くの玩具を
取れた人が勝ち! というゲーム。

アレックスも水に潜り
必死でプール底にある玩具を
なるべく沢山取ろうとした。

このゲームだけで
1回のレッスンが終わる日も
あったのだ。

本格的に泳げるよう
いつ指導が始まるのか?
私は待てなくて「早く泳ぎを教えて!」
と心の内で叫んでいたくらい。

でも今考えれば
このプロセスが
良かったのだろう。

アレックスは
潜ることにすっかり慣れ、
「楽しい」という気持ちが
彼の中に芽生えてきたからだ。

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プール底の玩具集めのゲームを
何度も繰り返した後に、
ようやく本格的な
泳ぎを教わる段階に入った。

この時には、アレックスは
水泳教室が楽しみになり、
「行きたくない!」と
駄々こねることも
すっかりなくなった。

それでも、他の子供たちが
どんどん進級してゆくのに、
息子はずっと同じクラスに居続けた。

最初の頃に比べれば、
アレックスも大きく進歩した。

でも他の子供たちと比べれば、
息子の進歩は遅い!

おそらく、彼には
水泳は向いていないのかも
と思ったくらいだ。

しかし、
そう思うのもつかの間。
ここから不思議な展開が始まった。

アレックスの泳ぎが
メキメキと上達していったのだ!

その速度はかなり早く、
インストラクターも
びっくりするほど。

2カ月間の水泳コースの途中で、
「上のクラスに入れましょう」
ということが2回も!

息子はどんどん上級クラスへ
進んでいった。

これを見たとき、私は
「やめさせなくて良かった」
と心の底から思った。

ちょっと前には
「一応水にも慣れたし、
少しでも泳げるようになったから、
もうやめさせてもいいかな」
と考えていたからだ。

始めた当時、私は
「おそらくダメだろう」
と消極的な姿勢だった。

しかし、本人にとって
ムリない程度に噛み砕いて、
小さなステップを踏ませれば、
苦手なものでも、
最終的には
上手くできるようになるものだ!

まさかこんな日が
来るなんて想像もしなかった!

今では
アレックスはスイスイと
気持ち良さそうに泳いでいる。

この経験を通じて、私は
小さなステップのパワーを
見せられた気がした。

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人間は誰でも
得意・不得意がある。

不得意なことを
ムリして頑張るよりも、
得意なものに集中した方がよい
という考え方もある。

私はこれに大賛成だ。

しかし時には、
苦手であっても
克服した方がよいケースもある。

自分の身を守る
サバイバルスキルである水泳は、
この類に入るだろう。

アレックスが25メートルプールを
何度も往復して
スイスイ泳いでいる姿を見て、
私はとても感激した。

その感激は
親の私だけではない。

本人にとっては
今までできなかったことが
できるようになったのだから、
自分に自信がついただろう。

全然ムリだと思ったことが
普通にできるようになったとき、
喜びは
かなり大きなものになる!

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苦手なことを
克服したいと思ったとき、
このやり方は有効だ。

自分にとっては
大きな課題と思えることでも、
小さなものに噛み砕くことだ。

どのくらいのサイズに
噛み砕くかは、
自分の負担にならないほど
小さなものにすること。

どんなに小さくても
ムリなくやっていれば、
確実に少しずつでも
前に進むことができる。

自分のペースでゆっくりと
一つ一つ確実に
こなしていくうちに、
驚くような発見をするだろう。

「あれっ、小さなことでも
続けていれば、
こんなスゴイことが
できるようになるのか!」と
感激するのだ。

多少時間はかかるかも。

それでも小さなステップを
踏むことは
大きなパワーに変ってゆく。

ムリだと思ったことでも
できるようになったときには
言葉では表現できないほど
素晴らしい爽快感がある!

もしあなたが
苦手克服に挑戦するなら、
ぜひこのやり方をお勧めしたい。