なんで私ばかりが、こんなに大変な思いをするの!?

毎日、毎日、
たくさんやることがある!

一生懸命頑張っている私を
誰も助けてくれない!

イライラが募り、
周囲に怒りをぶつけたくなる!

なんで私ばかりが
こんなに大変なのだろうか?

今回の話は、
そんな人たちに向けたものだ。

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このような状況であれば、
頑張ってる自分は可哀そうで、
手助けしない周りの人たちが悪い!
と考えがちだ。

そして、
周囲の人を非難したり、
責めたりしたくなる。

しかし、
実際は、このツライ状態は
周りのせいではなく、自分自身が
作り出している場合が多い。

それは、その本人の
不当な思い込みが
原因になっているからだ。

「なんで私ばかりが……」
と嘆いている人は、心のどこかで
「全部自分でやらなければならない」
と思っている。

手伝って欲しい気持ちは
あるものの、同時に
自分でやらなきゃ気が済まない。

その理由は、
「完璧にできるのは私だけだ」
という傲慢な気持ちがあるから。

他の人に任せても、
きちんとやって貰えない!

だから、任せられない
と考えているのだ。

ただ現実的には、
すべてを完璧にできる人は
どこにもいないし、
完璧にやらなければならない
ということもない。

すべてをパーフェクトに
仕上げなければ嫌だ! 
と思うのは、強迫観念に近い。

周りを信用できないから、
何もかも自分一人でしょい込んで、
ツラくなってしまうのだ。

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例えば、
家族持ちの主婦の場合。

夫や子供がやるよりも、
自分がやった方がよい
と思い込んでいる。

自分のやり方が一番で、
夫や子供にお願いすれば、
満足にはできない
と信じ切っているからだ。

また、頼んでも
快くやって貰えないだろう
と勝手に決めつけている。

しかし、
この思い込みや決めつけが
自分の首を絞めることになる。

もし、
「私も忙しいから、~を手伝ってよ」
と素直にお願できれば、
家族もそれに
応えてくれるはずだ。

頼んでみれば、意外にも
自分の想像とは違った反応を
見せてくれるだろう。

しかし、
お願いすらせずに、
「私が全部やらなければ!」と思い、
イライラしながら、仏頂面して
嫌々自分でやっている。

不穏な空気が家中に充満して、
夫も子供もとばっちりを受けるから、
たまったものではない!

主婦が不機嫌であれば、
他の家族までも
不愉快な気持ちになる。

このような状況は、
自分では気づいてなくても、
問題は家族にあるのではなく、
自分自身にある。

単に「~してよ」と普通に頼めば、
外からも協力が得られるし、
「自分ばかりが……」
と不満に思うこともない。

でも、それが分からないから、
依頼できずに、
自分だけで頑張って、
辛くなってしまうのだ。

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「なんで私ばかりが……」
と文句を言う本人は、
なぜ、このような間違った思い込みを
するのだろうか?

それには幾つか理由がある。

まず最初に、子供の頃、
親がきちんとしていて、
自分に対しても完璧を求めてきた。

そのため、
すべてを完璧にこなさなければ
失格だと考えるようになった。

次に
この問題を抱える多くが、
他人に頼るのはいけないことだ
と信じている。

おそらく、これも親の影響で、
「人に迷惑をかけてはいけません!」
と言われて育ったのだろう。

そんな言葉を聞き続ければ、
人に頼ることに罪悪感を
抱くようになる。

よって、他人に何かを
お願いできない人に
なってしまう。

また、
察してやらなければならない
という思い込みもある。

子供の頃、
色々なことを察してやらないと
親から叱られた経験があるのだろう。

そうであれば、
このような不当な思い込みも
自然と自分の心の底に
刷り込まれてしまうものだ。

親から受けた影響を
今更ああだこうだと言っても、
どうしょうもない。

しかし、
このことに気づいて、
不当な信念を外すことができれば、
現実は良い方向へ動き出す。

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「なんで自分ばかりが……」
と嘆いてきた人は、
次の点を見直すとよい。

まずは、
「完璧でなくても良い」
ということ。

100点でなくても、
70点もできれば、
合格点をあげることだ。

次に、
何かを手伝って貰いたければ、
きちんと丁寧な言葉で
相手にお願いすること。

「私、これちょっと苦手なんだよね。
手伝って貰えれば、スゴク助かるよ」
と自分の正直な気持ちを伝えれば、
相手の反応も違うだろう。

今までは「お願いしても
やってくれないだろう。
やってくれたとしても、
満足にはできない!」と勝手に
思い込んでいたから、
不穏な雰囲気を醸し出して、
相手にも嫌な顔を見せてきた。

でも、そういう姿勢はやめて、
もっと謙虚に普通に頼めばよい。

すると、相手は
自分の想像とは異なり、
それなりに動いてくれるものだ。

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上手にお願いするコツは、
You(あなた)メッセージではなく、
I(私)メッセージを使うこと。

「なんで~ができないの!」とか、
「なんでやってくれないの!」というのは、
Youメッセージ。

あなたができない。
あなたがやらない。と
あなたを責めている。

それに対して、
「私、今忙しいから、
やって貰えれば、私はすごく助かるよ」
と「私」を主語にする。

そうすれば、相手も
私のことを正しく理解して、
私の役に立つように、
協力してくれるだろう。

人は助け合いながら
生きてゆくもの。

自分が誰かの役に立てれば、
喜びを感じられるものだ。

このことが分かれば、
自分だけですべてを
やるのではなく、
協力を依頼しても大丈夫だと
理解できるはず。

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今回の話の結論は、以下の通り。

「自分ばかりで、誰も助けてくれない!」
と嘆く人は、次のような
間違った思い込みをしている。

それは、自分ですべてを
完璧にやらなければいけない。
自分のやり方が一番優れている。
他人に頼ることは悪いことだ。
察することは大事なこと。

これらはすべて不当な信念で、
この思い込みを捨てることができれば、
自分も周囲から協力が得られて、
楽になれる。

謙虚な気持ちで、
Iメッセージを使い、
自分の気持ちを正直に話し、
相手に手伝いを依頼するとよいだろう。

これができれば、
もうこの問題は解決!

自分だけで
すべてをしょい込むこともなくなり、
皆で楽しく協力しながら
生きられる!