終身雇用制は、
新卒で入社した会社に
定年までずっと
雇用され続けるシステム。
日本では
未だに終身雇用制が
当然のように蔓延っている。
しかし、誰もが
終身雇用のシステムに
適合できるわけではない。
融通の利かない終身雇用制に
息苦しさを感じて、
シンドイ毎日を送る人もいる。
今回の話は、
もし、自分が終身雇用のシステムに
上手く乗れないと感じたなら、
思い切って、
サッサとこのシステムから
脱しようという話。
終身雇用制に縛られて、
人生を台無しにしてしまうのは、
勿体ないし、残念だからだ。
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終身雇用制度の何が悪いのか?
まず最初に、
適材適所に人を配置しないこと。
せっかく入社したのに、
自分の特技も活かせず、
自分がやりたくない職種に
無理矢理つかされることも
よくある話だ。
不得意分野なので、
当然、上手く行かない。
能率よく働けず、ミスも多いから、
上司にしょっちゅう叱られる。
不愉快な気分になるだけでなく、
「自分はダメなんだ」
と自信をなくしてしまう。
仕事をしていても、ツマラナイし、
会社に行く足取りも重い。
会社が「この部署で働け」
と命令したから、
仕方なく働いている。
自分には合わないので、
「辞めたいな~」と一言漏らせば、
「なんて、根性のない奴だ!
そんなに情けないことを言わないで、
頑張って働け!」
と鞭打つようなことを言われる。
こういう状況でも
我慢をし続けて、
ムリにムリを重ねれば、
そのうち病気になっても
不思議でない。
鬱病を患ったり、
身体の病気になり、
職場に行けなくなってしまう。
すると、
「まったく、精神が弱い奴だから、
どうしょうもない!」
と呆れられる。
本人は「自分がダメだから。
自分が至らないから」
と自分を責めることが多い。
しかし、責めるべき相手は、
自分自身ではなく、
適材適所に人事配置できなかった
会社のほうだ。
不得意分野を強制して、
嫌がることをやらせる会社のほうに
大きな問題がある。
同じ人間でも、得意分野、
優れたスキルを持つ分野での仕事なら、
能力を最大限に発揮して、
会社のためにも、社会全体のためにも
大きく貢献できる。
せっかく素晴らしい
高度な技術を持っていても、
それを活かせなければ、
スキルがないのと変わりない。
なぜ、せっかくある貴重なものを
使わずに、無駄にするのだろうか?
不合理極まりない。
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会社側の言い分は
おそらく、こうだろう。
「一つの組織の中でも
色々な部署を経験して、視野を広め、
幅広いスキルを習得するため」とか、
「不得意なことを練習して、
それを克服するため」とか、
「できないことにチャレンジして、
自分自身を鍛えるため」とか….
こういう趣旨に賛同できる人は
問題ないだろう。
しかし、全員が
このように考えるわけではない。
人間は誰でも、
得意・不得意分野がある。
空気を吸うように、軽々と
簡単にできることもあれば、
どんなに頑張っても
上手くできないこともある。
長けている部分もあれば、
劣っている部分もある。
すべての分野のことを
完璧にこなせる人間は、
何処にもいない。
それなのに、
できない部分ばかりに集中して、
嫌々でもムリに頑張らせて、
できるよう努力させるのは、
かなり効率が悪い。
それよりも、
得意分野に力を注ぎ、
更に磨きをかけて、
より優れたレベルに
上げたほうが賢明だ。
そのほうが
ずっと生産的で、建設的な
結果につながる。
本人も楽しいし、
やる気も沸くので、
活き活きと働けるようになる。
仕事の時間は人生の中でも
大きな部分を占めている。
仕事が楽しい人は、
仕事を嫌々する人よりも、
ずっと楽しい人生を歩める。
短所克服はやめて、
長所伸展を取り入れたほうが、
より多くの人たちが
より幸せに生きられる。
人はそれぞれ
得意・不得意分野が違うから、
一人一人が
得意分野に専念して、
自分が不得意なことは
得意な人にお願すればいい。
皆がこのような姿勢で働けば、
会社全体でも
効率がどんどん高まって、
その結果、
会社がグングン成長してゆく。
そのお陰で、
社会全体も恩恵を受ける。
個人にとっても、
組織にとっても、
社会全体からしても、
ウィン・ウィン・ウィン
のトリプル・シチュエーションだ。
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終身雇用制度は
若手の有能社員を潰してしまう。
年齢や勤続年数に応じて、
役職や賃金を上昇させるから、
仕事がイマイチでも、
年齢を重ねれば、ある程度の
地位と給与が与えられる。
その一方で、
組織に入りたての人たちは
かなり悲惨だ。
年齢が若いというだけで、
出る杭は打たれてしまい、
能力があっても活躍できない。
勤続年数が長い人や、
実年齢が高い人は、
優遇されすぎて、怠慢になりやすい。
いくら仕事ができなくても、
ポジションと給料を保証され、
安心して組織に居座れる。
一旦入れば、
よほどのミスをしない限り、
同じ会社で働けるので、
刺激がなくなり、
自己研鑽して自分を高めよう
という意欲も失われる。
年功序列で手厚く守られた
仕事のできないおじさんが
有能な若手社員を妬み、
彼らが実力発揮する機会を
奪ってしまうこともしばしばだ。
その結果、
貴重で素晴らしい人材を
活用することなく、無駄にしてしまう。
これも終身雇用制の
残念なことの一つだ。
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新卒で同じ時期に一斉に入社する
という制度も、融通が利かず、
かなり不合理だ。
この制度下では、
学校を卒業すると同時に、
すぐに就職しなければならない。
さもないと、
応募すら受け付けてくれない企業も
沢山あるからだ。
若い頃に、勉強や仕事以外に、
何かチャレンジしたいことがあっても、
挑戦すらできなくなる。
たとえば、視野を広めるために、
年単位で海外生活を体験したい
と思っても、なかなか難しい。
色々な国で
ワーキングホリデイ制度ができても、
終身雇用制に従えば、利用できない。
一旦就職してしまえば、
有給休暇も自由に取れないほどだ。
年間4~5週間の有給が
与えられるのは名目だけ。
実際には、
まとまった休暇が取りづらく、
休暇の多くも未消化のまま。
無給でもいいから、
一時的に休職することも
許可されることはない。
働くことは
大切ではあるが、
人生の中では、
仕事以外でもやりたいことも
あるだろう。
オフの時間で
楽しめる趣味の域を超えて、
もっと時間がなければ、
できないことだってある。
しかし、
このようなシステムだと、
そうすることも不可能だ。
学校を卒業したと同時に入社して、
その後は、残業続きの毎日で、
ずっとずっと定年退職まで働けば、
会社で働くために
生きているようなもの。
会社に行くことが
人生の中心であり、
その他には、何も
有意義な活動ができなくなる。
いくらお給料を貰えて、
生活は保障されるからといっても、
なんだか味気ない
人生になってしまいそうだ。
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もちろん、そういう人生を
望む人もいるだろう。
それなら、それで
何も問題ない。
でも、もし、
終身雇用のシステム下で生きることが
自分には合わないと感じたら、
勇気を出して、
そんな不合理なシステムから
抜け出したほうがよい。
さもないと
せっかくの自分の人生を
台無しにしてしまうから。
もしかしたら、周りの人は、
「世の中は
そんな甘いもんじゃない!」
と怒るかもしれない。
親とか、親戚の人たちとか、
昭和生まれの人の多くは、
終身雇用が当然だと信じている。
未だに終身雇用制度が
ベストだと思い込んでいるから、
子供のあなたが
「私は普通の人とは
ちょっと違う生き方をしたい」
と言うだけで、非難するだろう。
「辞めたら、生きていけないよ」
と言い、脅してくるかもしれない。
でも、そんな反対に遭っても
負けないで!
自分に合わないシステム下で、
自分の能力を無駄にしたり、
自分には困難なことを
無理矢理させられて、
自信を失ってしまったり、
この人生で是非チャレンジしたい
と思うようなことを
諦めたりしたならば、
きっと後で後悔する。
周りが何と言おうと、
あなたの人生だから。
他人から指示されたやり方に
忠実に従っても、
それが上手く行かなかったら、
あなたは一生後悔する。
不満だし、納得行かない。
今のシステム下で
イマイチ上手く行ってないのなら、
そんな場所から外に出ても、
たいして悪い事は起きないはず。
「もっと大変なことになる」
と恐れているかもしれないけど、
出てみたら分かる。
「な~んだ。そんなことは
なかったじゃない」と。
「こちらの世界のほうが
ずっと良かった!」と
意外にも驚くものだ。
自分には合わない仕事内容で
ツライと感じることが多い人、
若くて優秀なのに、
自分の能力を活用できないと嘆く人、
終身雇用の時間割では
自分のやりたいことができない!
と残念に思う人は、
勇気を出して、このシステムから
トットと抜け出そう。
自分の能力が最大限に
活かせるような環境に移ろう。
自分が心底望むこと、
やってみたかったチャレンジに
是非、挑戦しよう。
終身雇用に縛られて、
我慢ばかりしているのでは、
人生が台無しになってしまうから。
それでは、勿体ないし、残念だから!
自分で納得できる人生を
歩んでね。