今回の話は、
生き方を単純に
白か黒かに区別するのではなく、
グラデーションの中で
色合いを楽しむことが
大切だという内容。
なぜなら、この世の中や
人生の多くの側面は、
白でもなく黒でもなく、
両極の間に位置しているからだ。
無理に白か黒に
当てはめようとすると、
うまく合わずに
無理が生じる。
その代わりに、
グラデーションの中で
色合いをエンジョーイしながら
自由に生きることが
幸せの道を進むことだ。
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ある本を読んでいる時、
役立つ情報が
たくさん詰まっていて、
多くの学びを得られると
満足しながら読んでいる。
しかし、読み進めるうちに
「あれっ、これは違うよ!」
と突然違和感を覚えて、
がっかりすることになる。
白黒はっきりさせる人は、
その本を「良い本」
または「悪い本」の
どちらかに決めたがる。
最初は、
自分にとって有益な情報ばかりで、
とても満足していたため、
「これは良い本だ」と思いながら
読んでいた。
しかし、一つでも「これは違う」
と感じるものに出会った瞬間、
良い本が突然悪い本に
変わってしまう。
冷静に考えると、
一冊の本の中でも、
自分にとって良い部分と
悪い部分が両方あってもよいはず。
しかし、
白黒はっきりさせる人は、
それを受け入れることができず、
不満に思って文句を言う。
100%良ければ「良い本」と認定し、
たったの1%でも
しっくりこない部分があれば、
「悪い本」とみなして
満足できなくなってしまうのだ。
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このように
白黒はっきりさせる考えを
「二元思考」という。
二元思考とは、
2つの選択肢のうち、
どちらかを選ぶ考え方だ。
例えば、ある出来事に対して、
「それは良い出来事か?
悪い出来事か?」と、
良いか悪いの一方を
選ぶことが挙げられる。
同様に、ある事柄に対して、
「それが正しいことか、
間違っていることか?」と、
正しいか間違いかの
どちらか一つを選ぶこと。
白黒で考えることは、簡単であり、
楽な考え方ではあるが、
現実の問題は
そんなに単純ではない。
例えば、人間は善なのか悪なのか
という問いに対しても、
善か悪かで判断することは
適切ではない。
人間は、善の部分もあれば
悪の部分もある
複雑な存在であるため、
善か悪かという二元思考で
判断することは、
現実の複雑な問題に対して不適切だ。
真実は、単純な二元思考では
理解できないことも多く、
事象や問題に対して、
多面的かつ総合的に
考えることが必要だ。
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二元思考には
多くのデメリットがある。
まず、この考え方は
複雑な現実を捉えられず、
単純な二択に分けてしまうことが
問題だ。
二元思考の持ち主は
極端な思考に走りやすく、
歪んだ現実を見るようになる。
多種多様な意見や考えを
受け入れることができないため、
周囲の人たちと対話したり、
協力関係を作ることも困難になる。
二元思考の姿勢では
物事を単純化しすぎて、
創造性や柔軟性に欠け、
新しいアイデアや視点を
見つけることもできない。
そのため、長期的には
個人や組織の発展に
悪影響を及ぼすリスクもある。
さらに、二元思考は
一度判断したものにしがみつきやすく、
誤った情報や考え方に
拘泥することもある。
また、この考え方は
感情的になりやすく、
物事を正しく客観的に
見ることが不可能だ。
これらのデメリットから、
二元思考は
人を幸せにするよりも、
不幸にしてしまうことの方が
多いものだと言える。
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日本の受験を例に取ると、
分かりやすい。
3教科合計で300満点の場合、
合格ラインを
250点と仮定しよう。
ある学生は251点を取って
志望校に合格した。
別の学生は249点で
不合格になってしまった。
この場合、
251点の学生は勝ち組であり、
249点の学生は負け組となる。
わずか2点の違いで、
運命が分かれるのだ。
しかし、これって
非常に奇妙なこと
ではないだろうか?
実際には、249点の学生が
251点の人よりも
優秀な場合もあるだろう。
ただ試験の時に、
ちょっとしたことで
たまたま点数が低くなってしまった
というだけのこと。
二元思考をしていると、
たったこれだけのことで
自分の人生が決まったと感じて、
喜んだり、悲しんだりする。
不合格になった学生は
深い失望感に陥り、
「僕の人生はもうお終いだ」
と思うかもしれない。
しかし、実際には
わずか2点の違いだけだ。
勝者か敗者か、
はっきりと線引きして
決めることは適切ではない。
二元思考で生きると、
不合格になったことを悔やんだり、
自分を責めたり、
失望により気を落としたりして、
幸せに生きることから
遠ざかってしまう。
二元思考には
このような弊害があるのだ。
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明確に白黒を
はっきりさせようとすることは、
自分自身や周囲の人を制限したり、
苦しめることになる。
それは自分にとっても、
他人にとっても
好ましくない状態だ。
むしろ、この世界や
人生の多くの側面は
白でも黒でもなく、
グラデーションの中にある
と受け入れることが重要だ。
現実は曖昧であり、
その曖昧さを受け入れることで
様々な視点や考え方を許容し、
柔軟性を持って
生きることが可能になる。
一つの事柄には良い面もあり、
同時に悪い面も存在する。
良いか悪いかで判断するのではなく、
部分的に良い面もあれば、
部分的に悪い面もある
と見ることで、
歪みのないありのままを
見ることができる。
グラデーションの中には
黒に近いグレーもあれば、
白に近いグレーもある。
様々な色合いを観察し、
それぞれの良さを受け入れることで、
心にゆとりを持って
生きれるようになるのだ。
白か黒かに
当てはめる姿勢をやめれば、
堅苦しさからも解放される。
すると気持ちが緩み、
柔軟性を持てるようになり、
自分に対しても、
他人に対しても、
寛容になることができる。
結果的に、精神が安定し、
心身の健康状態も改善し、
心も穏やかになる。
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過剰な二元論をやめて、
すべてを白か黒かで
判断するのはやめよう!
それよりも、
多くのものは白でもなく、
黒でもなく、
グラデーションの中に
存在することを覚えておこう!
たとえ試験に不合格になっても、
負け組でも敗者でもなく、
人生が終わったわけでもない。
たったの少し
点数が足りなかっただけだ。
そして、それも
その時に限ったこと。
自分はダメな人間ではなく、
できない人間でもない。
白黒で自分自身に
不当なレッテルを貼って、
自分に制限をかけたり、
失望したりする必要はない。
なぜなら、
この世の中や人生も、
そんなに単純なものでは
ないからだ。
曖昧な部分がたくさんあり、
ファジーな部分もある。
多様な色合いが
混ざり合っているのが
この世界だ。
そんなたくさんの色合いを
楽しみながら、
緩やかな気持ちで生きることで、
幸せを見つけることができる。
グラデーションの中にある
多様な色合いを楽しもう!