「~は体に良いから、
どんどんやろう!」
こんな感じの言葉を
読んだり、聞いたりするのは
よくあることだ。
でもこの言葉は要注意!
鵜呑みにしない方が無難だ。
なぜそうなのか?
が今回の話のテーマ。
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一つ目の理由は、
一般的に良いことだ
と言われていても、
すべての人に良いとは
限らないから。
たとえば「牛乳」。
私が子供の頃、牛乳は体に良くて、
子供の発育を助けるものだ
と言われていた。
そのため、学校給食でも
牛乳は毎日支給されていた。
好き嫌いに関係なく、
とにかく子供には
牛乳を飲ませるよう
指導までされていたのだ。
教師の中には、
牛乳が飲めない子供を
飲むまで教室に残して
外に出さなかった
厳しい人もいたくらい。
その当時言われていたように
牛乳から体に良い影響を
受ける人もいる。
しかし、逆に牛乳を
上手く消化できない体質の人もいて、
そんな場合は、飲めば飲むほど
体の害になってしまう。
同様に「玄米」は
食物繊維が豊富で、
食べれば便秘解消になる
と一般的には信じられている。
そのため便秘気味な人には
白米よりも玄米を摂取するよう
勧める傾向がある。
確かに玄米で
便秘が治った人も多数いる。
しかし、体質や、腸の調子、
その他の身体の状態により、
玄米を食べることで
便秘が更に酷くなる人もいるのだ。
一般的には「体に良いことだから……」
と言われていても、
自分にとって必ずしも
それが正しいとは限らない。
いくら専門家が言うことでも、
鵜呑みにするのは危険だ。
一番良いのは、
自分の体で試すこと。
そして様子を見ることだ。
もし自分でやってみて、
体の不調が起こったり、
効果がイマイチ見られないのなら、
良いと言われることでも
やめた方が賢明だ。
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「~は体に良いから、
どんどんやろう!」
と言われたとき、
多ければ多いほど良いと思い、
適切な度合を越して、
やりすぎたり、食べすぎたり
する人がいる。
これも危険なことだ。
どんなに良いことでも
「適量」というものが
あるからだ。
たとえば、ウォーキングは
健康増進にもつながるし、
アンチエイジングにも有効だ
と思われている。
確かにこれは正しいこと。
しかし、やりすぎは禁物だ。
一日に
8,000歩~10,000歩
を上限として、
それを超えれば、逆に
体に害を及ぼすようになる。
歩けば歩くほど
アンチエイジングになると信じて、
歩きすぎた結果、
老化を早めてしまった人も
いるくらいだ。
食べ物に関しても
似たようなことが言える。
納豆のような発酵食品は
一般的には体に良い食べ物だ
と思われている。
だから毎日納豆を食べよう
と心がけている人も多い。
しかし、納豆は
女性ホルモンのエストロゲンに
似た働きをするもの。
食べすぎれば
乳がんのリスクを上げてしまう。
同様に
鉄欠乏性貧血の人は、
鉄分が多く、
体にも吸収されやすい
赤身肉を食べるとよい
と奨励されている。
でもその一方で、
赤身肉は大腸癌のリスクを
上げるという事実もある。
一般的に良いものだ
と信じられていても、
やりすぎ、食べすぎは
体の害になってしまうのだ。
よって、どんなことでも
適量を意識した方がよい。
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もう一つの注意点は、今の時点で
良いと思われていても、
将来そうでなくなることも
あり得ること。
たとえば、先ほどの「牛乳」
が良い例だ。
私が小学生だった昭和中期には、
牛乳は体に良いと
信じられていた。
しかし今では日本人の大半が
牛乳に含まれる乳糖を
分解する酵素活性が低い
と判明した。
そのため、今では日本人は
なるべく牛乳を飲まないほうが良い
と言われるほど。
卵の摂取に関しても、
昔と今では分かっていることが
全然違う。
昔は卵は
コレステロール値が高い人は
避けた方が無難だ
と思われていた。
しかしそれは昔の
研究結果に基づくものだ。
最近の研究では、卵は
コレステロール値が高い人でも
摂取して大丈夫だという結果が
出たからだ。
卵はミネラルに富み、
完全栄養食なので、
むしろ積極的に取り入れた方が
良いとまで
言われるようになった。
このことから見ても、
時が変われば、
全く正反対のことが
言われるのも珍しくない。
一旦良いものと分かっても、
後になって
「やはりそうではなかった」
ということもあり得るのだ。
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最近はネットにつなげれば、
自宅から簡単に
様々な情報収集が
できるようになった。
便利になった点では
有難いことだと思える。
色々な情報に触れて、
多くのことを参考にするのは
素晴らしい姿勢だが、
どんな情報でも鵜呑みにするのは
危険だ。
「~は体に良いから、
どんどんやろう!」と言ったものも
気をつけた方が無難だ。
なぜなら、
一般的に良いことでも、
すべての人には
当てはまらないから。
また、どんなに良いと言われても、
やりすぎ、食べすぎは禁物だ。
今は正しいと思われることでも、
将来的にはそうでなくなることも
少なくない。
これらのことを頭の片隅に置いて、
多少は疑う気持ちを忘れずに
可能なことは自分で試して
検証する姿勢を持とう!