やった~ ラッキー!
と思ったことが、
のちに不運な展開となったり、
ツイてない! とがっかりしたことが、
後に幸運な結果につながることは
珍しいことではありません。
今回は、運の良し悪しは、
視点を変えることで、
まったく異なるものになる
というお話です。
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私たちは一般的に、
何か良いことが起きた場合は
「運が良かった!」と喜び、
自分に都合の悪いことが起きた場合は
「ああ、ツイてない!」とがっかりしたり、
落ち込んだりするものです。
確かに、
その出来事が起きた直後には、
「運が良かった」とか、
「不運だった」と
はっきり感じるかもしれません。
しかし、これは
短期的な視点で見た
運の良し悪しに過ぎず、
本当のところは分からないものです。
もっと長いスパンで見ると、
幸運だと思った出来事が
不運に変わってしまったり、
悪い出来事だと嘆いたことが
ラッキーな結果をもたらす場合も
しばしばあるからです。
運が良いのか悪いのかは、
短期的な視点ではなく、
長期的な視点で判断する方が適切です。
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短期的にはツイてない
と思えたことでも、
長い目で見れば良かったケースは
たくさんあります。
これは25年以上前に
日本の友人から聞いた話です。
その友人の息子さんは、
当時、東京都内の会社に勤めていて、
毎朝、同じ時間の地下鉄に乗って
通勤していました。
ある日、その息子さんは
朝寝坊をしてしまい、
いつも乗る電車に
乗り遅れてしまいました。
「ああ、今日は
予定がいっぱい詰まっていて、
なるべく早くに出社したかったのに、
ツイてないな~」と思いながら、
会社に向かったそうです。
しかし、それから数時間後、
ツイてないと思われたことが、
ツイていることに
突然変わりました。
日本全国のテレビチャンネルで
テロ事件のニュースが流れたのです。
「地下鉄サリン事件」が
起きた日のことでした。
もし、彼が朝寝坊せず
いつも乗る電車に乗っていたら、
彼は間違いなくこのテロに
巻き込まれていたでしょう。
電車に乗り遅れた時には
「ツイてない」と感じても、
それから数時間後には
「良かった! 本当にラッキーだった!」
ということになったのです。
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もう一つの例は、
私の知人のケースです。
彼はとても勤勉で努力家です。
一生懸命働いて、
会社に貢献してきました。
しかし、ある日、彼は
リストラの対象に
なってしまいました。
「こんなに頑張って
会社に尽くしてきたのに、
なぜ自分がリストラに遭うのか!」
彼は会社の不条理な決定に
納得できませんでした。
しばらくの間、彼は酷く落ち込み、
人生がどん底のように
感じられました。
メンタル的にも鬱っぽくなり、
数か月間は
何もやる気が出ませんでした。
失業保険だけで食いつないでいる
状態でした。
しかし、彼にも転機が訪れました。
リストラされた会社で得た
ITのスキルを活かして、
ネットビジネスを立ち上げたのです。
一から始めたにもかかわらず、
そのビジネスは順調に上手く回り始め、
大きな収益を得るようになりました。
彼は言います、
「リストラに遭った直後は、
本当に悲惨に感じられて、
自分はかなり運が悪いと思った。
でも、この出来事があったからこそ、
今の自分がある。
今ではリストラに感謝している」と。
あの時、リストラされなければ、
あの会社に今でも勤めていたでしょう。
そうなれば、今ほど大きな収入も
得られなかったはずです。
そう考えれば、
短期的にはツイてないと思われた
リストラに遭うという出来事も、
長期的な視点では
素晴らしい結果に終わった
と言えるでしょう。
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これら2つの例は、
一時は悪いことだ
と思われた出来事が、
のちに良い方向に転じたケースです。
一方で、逆に
良いことだと思われた出来事が
悪い結果に変わる場合もあります。
かつて流行したドラマで
「Good Luck」という作品があります。
ANAの航空会社を舞台に、
木村拓哉さんが
若手の旅客機パイロットを
演じるドラマです。
このドラマのエピソードで、
ヒロインの航空整備士は
航空機事故で両親を亡くしています。
ドラマのストーリーでは、
亡くなったご両親は
初めてのアメリカ旅行中に、
乗っていた飛行機が墜落し、
事故の犠牲者となってしまったのです。
この旅行に行くきっかけとなったのは、
年末のくじ引きで
アメリカ旅行が当たったことでした。
海外旅行のような
大きな商品をゲットすると、
「なんてラッキー」と思うことでしょう。
しかし、この賞品の旅行先で、
事故に巻き込まれて
命を落としてしまえば、
ラッキーどころか、運が非常に悪い
と言っても過言ではありません。
これはドラマのストーリーであり、
フィクションですが、
現実世界でも
似たような事例は数多く存在します。
その時には短期的には
ツイていると思えたことでも、
長期的な視点では悲劇になることも
十分に考えられるのです。
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以上の事例を踏まえると、
運の良し悪しは
一時的な視点では判断できず、
長期的な視点が
重要であることが分かります。
一見ツイていない
と思われる出来事でも、
暫くしてから幸運な結果を
もたらすこともありますし、
逆にラッキーと思われたことが
のちに悲劇に繋がることもあります。
人生においては、
一つの出来事を単純に
良いか悪いかで判断せず、
より長い時間軸で捉えた方が適切です。
運命の歯車が絡み合いながらも、
悪いことが良いことに変わる
可能性もあるからです。
だからこそ、
ツイていないと感じる瞬間でも、
未来の展開を
楽観的に考える余地があるのです。
人生は予測不可能であり、
一つの出来事が
全てを決定づけるわけではありません。
その時々で起きる出来事に
一喜一憂するのではなく、
運命の流れに身を任せながらも
自らの選択と行動によって
未来を切り開いていきましょう!
長期的な視点を持ちながら、
あなたが人生を豊かに生きることを
願っています。