知っているのと
知らないのとでは、
感じ方が大分違うことがある。
例えば、
職場の先輩が
自分に意地悪してきた場合。
「私はこの先輩に
嫌われているんだ」と思えば、
暗い気持ちになり、落ち込む。
しかし、もし同僚の多くが
「あの先輩は意地が悪いよ」
と言っているのを聞けば、
「なんだ、意地悪されているのは、
自分だけではないんだ。
あの先輩は、そういう人なんだ」
と分かって、気がラクになる。
意地悪されている事実は
全然変わらなくても、
「あの先輩は皆に意地悪」
と知ることができれば、
自分の感じ方も大分違ってくる。
これと同様に、人生において、
知っているのと
知らないのとでは
感じるストレスが大分違う
というものがある。
今回は、その話がテーマ。
以下の2つを知るか知らないかで
自分が生きやすくなる
というもの。
その2つとは、
1)思い通りにならないのが普通
2)全てのものは常がない
ということだ。
これらを心得ていなければ、
不平不満が多くなり、
とても苦しくなってしまう。
でも、この世の中は
こういうものだ
としっかり理解していれば、
気持ち的にも余裕が出て、
心を乱すことも少なくなる。
まず最初に
思い通りにならないのが普通
ということについて。
私たちの人生で、
ありとあらゆることが
思い通りに行かないのが普通だ
と知れば、心の平安のために、
とても役に立つ。
上司にこうして欲しいけれど、
上司は自分の思うように
動いてはくれない。
部下にきちんと
仕事して貰いたくても、
なぜだか部下は自分の期待に
応えてはくれない。
夫にこういう風に
自分を扱って欲しいと願っても、
あいにく夫は
正反対な姿勢を取っている。
妻に優しくして欲しくても、
妻は不機嫌で、思い通りに
自分の欲求を満たしてくれない。
親に自分の気持ちを
理解して欲しいと切望しても、
血の繋がりのある親でも、
子供の自分を
全く分かってはくれない。
自分の子供には
こうやって介護して欲しい
と願っていても、
子供は全然期待に沿ってくれない。
人それぞれ、
状況は全く違っても、
本質的な問題は皆同じだ。
自分の思い通りに
他人に動いて欲しいけれど、
それが満たされずに、
嘆いているということ。
他人に願うことがあっても、
あいにく、他人は
自分の思い通りにならないのが普通。
このことを知っていれば、
過度に
他人に対して期待もしなくなる。
上司や部下が
自分の期待に沿わなくても、
それは普通のこと。
永遠の愛を誓い合い
結婚した夫婦の仲でも、
けっきょくはお互い別の人間だ。
自分が配偶者に
「こうあって欲しい」と思っても、
それが満たされないのは
普通のこと。
血の繋がりがある親子でさえ、
子供には子供の人格がある。
親には親の人格がある。
親子の関係で近親者であっても、
お互い思い通りにならないのは
普通のことだ。
思いどおりにならないのが普通
というのは、
人間関係だけではない。
明日のピクニックを楽しみにして、
窓際にてるてる坊主をぶら下げて
晴天を願っても、
あいにく雨になってしまうことも
普通に起きること。
健康に気をつけて、
健康的な食生活を心がけていても、
突然、病気になることもある。
綿密な計画を立てて
プロジェクトを成功させようと
一生懸命頑張っても、
思いもよらないことが起きて、
失敗してしまうのも
普通に起きること。
「思い通りになるのが当然だ」
という姿勢で生きれば、
ほぼすべてのことで
100%満たされることはないので、
失望するばかりだ。
しかし、
ありとあらゆることにおいて
思い通りに行かないのが普通だ
と構えていれば、
期待外れになっても、
酷く落ち込むこともなく、
「そんなものか」と受け入れられる。
自分が考えたようには
物事は上手く行かないことが普通だ
と知っていれば、
上手く行かないことに備えて、
プランBを予め準備することも可能だ。
時には、自分の思った通りに
爽快なほど
物事がスムーズに進むこともある。
こういう時には、
思い通りに行かないのが普通
と構えていれば、
一発必中をスゴク喜べる。
たまたま運が良かったことに
出会えれば、その運の良さを
有難く感じるようになる。
次に
全てのものは常がない
ということについて。
この世の一切は
常がなく、続かない。
すべての物や人は
どんどん変わってゆく。
これはこの世の常だ。
私たちの姿も
生まれてから
この世を去るまで、年齢に応じて
徐々に変わってゆく。
姿や形だけでなく、考え方や思想も、
環境に応じて、
世の中の流れに応じて、
どんどん変化してゆく。
どんな物でも、どんな人でも、
どんな環境でも、どんな状況でも、
一つとして
ずっと変わりがないものは
この世には存在しない。
今、あなたが苦しんでいたとしても
その苦しみは
ずっと続くものではない。
つまり、
暫くの間の苦しみだ
ということ。
今の状況がツライのは、
冬の時代にいるからだ。
しかし、冬の時代は
延々とは続かない。
冬は寒くて大変だけれど、
ちょっと我慢をして待てば、
やがては春が訪れる。
春が来ない冬は
絶対にないからだ。
「この大変な状況は
いつまで続くのだろう」
と絶望的に感じても、
ずっと続くことはあり得ない。
時には、調子よく
物事がトントン拍子に進んで、
「なんて自分は凄いんだ!」
と有頂天になることもある。
しかし、残念なことに
良いこと続きが暫く続いても、
それは延々とは続かない。
人生において
逆境も続かなければ、
順境も続かないからだ。
すべてのことは
変化の速度は違うけれど、
常に移り変わっている。
今現在は逆境の最中で
苦しいことが沢山あっても、
それは絶対に続かないから大丈夫。
同様に、次から次へと
良いことばかりで、
すべてが自分の思い通りだ
と喜んでも、
その時期はいつかは去る。
自分の思い通りになる時期が
ちょっとでも続けば、
私たち人間はいい気になって、
おごり高ぶりたくなるものだ。
好調期に慢心が出て
他人に横柄になり
人を見下した態度を取るなど
愚かなことしてしまう。
しかし、
このようなことは
避けたほうが賢明だ。
なぜなら、その絶好調期は
ずっとは続かないからだ。
色々なことが
グルグルと変化しながら
回っている。
この事実をしっかり理解して、
逆境に置かれても、
屈しないこと。
逆に順境に恵まれても、
おごり高ぶることなく、
謙虚でいる姿勢は大切だ。
ということで、今回は
知っているのと
知らないのとでは
感じるストレスが大分違ってくる
2つのことを紹介した。
その2つとは
1)思い通りにならないのが普通
2)全てのものは常がない
ということだ。