今回は、
どうすれば相手のやる気を
上手く引き出せるか?
について。
親や、上司が
子供や、部下の意欲を掻き立て、
相手をやる気にさせるには
何をすればよいのか? をお話したい。
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結論を先に言えば、
相手に適切な
言葉をかけることだ。
ただし、
誰にでも同じ言葉を
かければよいわけではない。
人間には
モチベーションタイプがあるから、
相手によって言葉を使い分ける
必要があるのだ。
モチベーションタイプは
主に2つ。
「獲得フォーカス」と
「回避フォーカス」だ。
相手を褒めたとき、
どんな反応を示すかで
どちらのタイプか? が分かる。
褒められたら喜んで
「よーし、もっと頑張るぞ!」
とエネルギーを高める人は
「獲得フォーカス」のタイプ。
それに対して、
褒められることを
期待されていると重荷に感じ、
プレッシャーに思う人は
「回避フォーカス」のタイプ。
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獲得フォーカスの人は、
すべてのチャンスを利用して、
最大限の利益を獲得したい
と望んでいる。
彼らにとっては
チャンスを逃すのは、
失敗するよりも怖いことだ。
そのため、
「これをすれば、
こういう良いことが得られるよ。
でもやらなければ、
大きなチャンスを逃してしまう!」
と言われれば、その言葉は心に刺さる。
なぜなら
獲得フォーカスタイプは、
機会損失を恐れるからだ。
よって
チャンスを逃すまいと
モチベーションを上げて
即行動に移り、頑張れる。
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それに対して、
回避フォーカスは、
安定感と信頼感を求め、
危険を回避したいと望んでいる。
始めたことは
最後まで責任を持ってやり遂げ、
損失を最小限に抑えたい
と願っている。
彼らにとっては
大きなチャンスは
さほど魅力的に感じない。
それよりも、
今目の前にあることを
ミスすることなく、
きちんとやり遂げたい
という気持ちが大きい。
常に今ある安定を
失いたくないと
強く望んでいるからだ。
よって
「このままだと
あなたの求める安定は
失われるかもしれないよ!」
と言われた方が、
モチベーションが上がるのだ。
今ある安定を守るために
動く必要がある
と考えるからだ。
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獲得フォーカスの人は
今後手に入る可能性があるものを
失うことを恐れている。
それに対して、
回避フォーカスの人は
今持っているものが
失われるのが怖い。
獲得フォーカスの人は
褒められたり、称賛されると
やる気がどんどん出る。
「上手く行っているよ!」
「いい感じだよ!」と言われれば、
エネルギーが高まり、
モチベーションも爆上がりする。
一方、回避フォーカスの人は
褒められても
さほどモチベーションは上がらない。
それよりも
小さな否定的フィードバックが
彼らの意欲を掻き立てる。
なぜなら、回避フォーカスは
「自分は大丈夫だろうか?」
「きちんとやれているだろうか?」
と常に気にしているからだ。
「概ね上手く行っているよ!
でもここはもう少し
改善した方がいいね」と言われた方が
動きやすくなるのだ。
でもここで注意が必要!
否定的なフィードバックは
小さなものであるのが重要。
そして、ネガティブなことを
言われる前には
「おおよそはOKだ」
と前置きすることも必須だ。
さもないと彼らは凹んで
やる気を失ってしまうからだ。
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獲得フォーカスは
新しいことを好み、
未知なる挑戦を
次々としてゆくタイプ。
「実験的」「試してみる」
という言葉を好み、
抽象的概念に惹かれる。
「夢追い人」
とも言えるだろう。
チャレンジ好きで
色々なことに挑戦するから
成功する可能性がある一方で、
多くのことに手を出しすぎて、
マルチタスクになったり、
先延ばしすることもしばしば。
他方、回避フォーカスは
あまり多くのことには
手を出さない。
自分がしっかりできる範囲で、
きちんとやり遂げたい気持ちが
強いからだ。
計画性があり、
起こり得るリスクにも
対処法を考えてから
物事を進めてゆく。
一つのことを始めたら、
完成するまでやり続ける
という素晴らしい面もある。
上司であれば、
部下がどちらのタイプか
よく観察して見極めるとよいだろう。
また親ならば、
自分の子供がどちらのタイプか
おそらく分かっているだろう。
部下や子供のタイプに応じて
適切な言い方をすれば、
彼らの意欲を掻き立てて、
やる気を引き出すことも可能だ。
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念のためおさらいすると、
褒められたとき
「もっと頑張るぞ!」と
エネルギーが高まる人が
獲得フォーカスタイプ。
このタイプには
将来のチャンスを
逃さないように!
と誘導するのが効果的。
それに対して、
褒められるとプレッシャーになり
重たく感じてしまうのは
回避タイプ。
このタイプには
今持っているものを
失わないよう
小さな否定的フィードバックを挟んで、
励ますことが有効だ。
このように人間には以上2つの
モチベーションタイプがある。
それぞれの特徴を理解することは、
コミュニケーションを円滑にして、
相手との人間関係を
良好に保つためにも有効だ。
適切な言葉がけをして、
相手のやる気を引き出せるような
アプローチの仕方を取ろう!