難易度が高すぎて
自分にはムリだと感じること。
困難な課題で、考えるだけでも
圧倒されてしまうこと。
あまりの大変さで、見ただけでも
やる気を失ってしまうこと。
それでも、自分で
どうにかしなければならない場合、
いかにして
その大きな課題と向き合うか?
これが今回のテーマだ。
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自分には絶対にムリだ
と思われるような難題は、
できれば、避けて通りたい。
でも、
自分でどうにかしなければ、
困ったことになってしまう、
将来、大きな不都合が
生じるだろうと思われれば、
やはり
なんとかせねばならない。
そんな場合、大変なことでも、
さほど負担を感じずに、
やり抜く方法がある。
それは、
大きなものを分割して、
沢山の
小さな部分に分けること。
そして、小さな部分を
一つ一つ片づけてゆくことだ。
もし、小さく分けた一つでも、
やるのが大変なのなら、
その小さな一部を更に分解して、
もっと小さな部分に分ける。
「これだったら、
自分にもムリなくできるだろう」
と思えるまで、
小さく、小さく、どこまでも
噛み砕いてゆくことだ。
自分でもラクにできるくらい
小さなタスクになったら、
その小さなタスクを
淡々と一つずつ片づけてゆく。
もちろん、分けたものの数は
かなり多いだろう。
しかし、それら一つ一つは、
自分には大きな負担なく
できることなので、
焦らずに一つ一つを
丁寧にやっていけばよい。
そうするうちに、確実に、
大きな課題を
成し遂げることができる。
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たとえば、部屋がゴミ屋敷
のようになってしまった場合。
物が散乱していて、
足の踏み場もない状態。
食べ残しのものが、
そのままになっており、腐っている。
悪臭を放ち、ネズミや害虫なども
発生し始めた。
あまりにも酷い状態で、
このまま放置しておけば、
健康上の被害も避けられない。
片付けはやりたくないけど、
どうにかして、やらなければ、
手が付けられない状態になり、
もっと困ったことになる。
こんなゴミ屋敷を
どこからどう片づけていいのか
分からないから、やりたくない。
見ただけでも、あまりの酷さで
やる気を失うほどだ。
やりたくない気持ちと
やらなければ、
もっと不都合が生じる
と思う気持ちが
自分の中で争っている。
そんな状態で
モヤモヤしている時、
思い切って
今からスタートしてみよう。
いきなり、すべてを片づけよう
とは思わないこと。
まずは、今日、ムリせずに
自分にできることだけをやってみる。
たとえば、床に捨てられた、
お菓子の包み紙を拾って、
ゴミ袋に入れる。
今、見える場所にある
食べ残しのものや、お菓子の包み紙を
拾ってみるだけでよい。
2~3分もあれば、できるだろう。
今日は、これだけで十分。
明日も、同じように
2~3分でゴミ拾いをする。
こんな小さなことでも、
毎日、続けていれば、
そのうち、変化が見え出してくる。
腐った食べ物や
食べ終わった食品の包み紙は、
すっかり部屋から消えた。
そうなったら、今度は、
床に散乱した雑誌類を集めて、
一つの山に積み上げてみる。
同じものを集めて、
種類別に一緒に置くといいだろう。
この作業を続けていけば、
同類のものが一つの場所に集まり、
整理整頓する準備につながる。
こんな感じで、一日たった2~3分でも、
ムリなくできることをやってみる。
毎日、これをやり続ければ、
1カ月もすれば、
もうゴミ屋敷ではなくなっている。
ここまで来れば、
もうちょっと頑張って、
お部屋を綺麗にしようと、
やる気まで湧いてくる。
先が見えれば、嬉しくなって、
「頑張ろう」と思えるものだ。
そういう気持ちになったら、
一気にやってしまってもよい。
最初のうちは、あまりの酷さで、
どうしていいか分からない。
でも、こんな時には、
小さなステップに分け、
今日自分が2~3分で
ラクにできることだけやればいい。
それだけを
淡々と毎日やり続けてみることだ。
そうすることで、
意外にも簡単に
大きな課題と向き合える。
毎日、毎日、
たったの2~3分で十分。
心の負担にならないくらいの
小さなことだけをやって、
とにかく、淡々と繰り返すことだ。
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私もこの方法で、
恐怖の「高速道路運転」を克服した。
100キロ制限高速道で
ビュンビュン飛ばした車と一緒に
自分が運転することは、
私には大きな恐怖でしかなかった。
長い間、高速道路運転を
夫にすべてお願いして、
私は避けて通ってきた。
しかし、頼りにしていた夫が
突然、病気に罹り、
普通の生活もままならなくなった。
車社会に住む私たち家族は、
高速道を利用しないと、
日常生活にも支障が出てくる。
自分には絶対にムリだ
と思われた高速道運転も、
私がやらねば、
困った状況になってしまった。
それで、「怖いけれど、
どうにかしよう」と私は思った。
この時、私が使った方法は、
恐怖の高速道路運転の課題を
自分でも、どうにかできるくらい
小さなものに分けることだった。
幸い、私の自宅近くには、
インターチェンジ間が
たったの2~3キロという場所があった。
この区間なら、
高速道路に入っても、
直ぐに出ることができる。
私はこの区間を利用して、
高速道路運転の練習を始めた。
最初はたった2~3キロでも、
かなり緊張した。
高速道路の入り口で
100キロ制限の標識を見れば、
私の心臓はバクバクした。
身体は緊張でカチカチに固まり、
ハンドルを握る手は汗ばんでいる。
とても恐怖に感じたが、
私は自分に言い聞かせた。
「直ぐに出られるから大丈夫」と。
そして、思い切って
高速道に入ってみた。
入った途端、直ぐに出口が見えたので、
非常に心強かった。
あっという間に
高速道路から出れた。
私は毎日毎日、
この短い区間を入っては出て
の繰り返しをして、練習した。
これを続けて、
2週間くらいした時だ。
「もう少し、先まで運転できるだろう」
と感じた瞬間があった。
その時、今度は次の出口まで
運転しようと決めた。
そして、もう少しだけ
高速道路を長い距離走ってみた。
一回、一回は
ほんの少し長くするという感じでも、
徐々に長い区間を
高速道路で走れるようになっていた。
これをほとんど毎日続け、
3カ月ほどたった頃、
私は40キロほど離れた場所まで
高速道路を運転できるようになっていた。
毎回、毎回、小さなステップを踏み、
ちょっとずつ距離を長くしていった。
それだけなら、
全く自分にもムリがない。
しかし、自分にムリない程度
小さなものでも、
やりつづければ、
徐々に距離は長くなる。
そして、いつの間にか、
40キロも平気で高速運転が
できるようになっていた。
その後の上達は
かなり早かった。
40キロまでいったら、
今度は80キロ先、100キロ先まで
スイスイと行けるようになったのだ。
最初は
「高速運転」と聞いただけでも、
恐怖を感じて、
「自分にはムリ、ムリ、ムリ」
と絶対にできないと信じ込んでいた。
でも、
やらねばならない状態になった時、
大きな課題を
ムリなくできる程度の
小さなものに割ってみて、
その小さなものを繰り返すことで、
最終的には、
私は普通に高速運転が
できるようになった。
正直、一生、
高速道路を自分で運転しないだろう
とまで確信していたが、
そんな私でも、
大きなものを小さく分けて
自分のペースで
ムリなく小さなものを
こなしているうちに、
大きな課題を
成し遂げることができた。
今となれば、
「やってみて良かった」
と心の底から思えることだ。
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難しいと思える
大きな課題でも、
それを分解すれば、
小さな部分に分けられる。
小さな部分でも、
まだ難しければ、
更にもっと細分化して、
ムリなくできるくらい
小さく噛み砕いてみる。
どこまで小さくしても、
全然構わない。
自分が「これなら行けそうだ」
と思うまで、小さく分けるのだ。
ムリせずに、
ラクにできることなら、
大きな精神的な負担もなく、
淡々とすることが可能だ。
焦ることなく、
今できる小さな一つを
淡々とこなしてゆく。
毎日、毎日、少しずつ、
やっているうちに、
「あれ、こんなにスゴイことに!」
と自分で変化を自覚できる。
そうなると、やる気も出てくる。
嬉しい気持ちで、
「もっともっとやりたいな」
と感じる。
いい調子だ!
今まで通り続けよう!
もちろん、
スゴイやる気になったら、
その時、自分ができるだけ、
いつもより大きく飛んでみることも
全然ありだ。
ポイントは、
大変で、どうにもならない
と思えるような難題に対して、
どうにかできるくらいの
小さなタスクに分けてしまうこと。
小さなタスクの数が
沢山あっても構わない。
一つ一つは小さなことなので、
自分にもムリなくできる。
どんなに小さなことでも、
淡々と一つずつこなしてゆけば、
やがては
大きなことを
ムリなく成し遂げることができる。
実践してみなければ、
分からないが、
実際に自分で動いてみれば、
この凄さに
とっても感激する。
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大きくて
自分にはムリだと
感じられても、
その大きなものを
小さな部分に割ってみよう。
割ったあとでも大変ならば、
もっともっと
小さく細分化してゆく。
これならできる
というところまで
分けてゆくことが必要。
そして、その小さな部分を
淡々とやり続ける。
やっているうちに、
ある日、驚く日がくる。
「あれ、こんなことまで」
と感激できる日がやってくる。
嘘だと思っても、
本当だから、是非試してみてね。