今回は、悪いことは、
良いことへのきっかけだから、
あまりがっかりしないで!
という話。
悪いことが起きた時、
絶望的になり、
「この世の終わりだ!」
と感じることさえある。
しかし
もっと長い視点で見れば、
悪いことが起きたお陰で、
今まで想像もしなかった
良いことが起きる場合も
珍しくない。
だからあまり
がっかりしないで!
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例えば、
志願していた仕事に
就けなかった場合。
この仕事は、
自分の得意分野を活かした
語学関係のものだ。
どうしても
そのポジションを得たい!
と必死になって頑張ったが、
ダメだった。
こんな時には、
誰でもがっかりして
凹むだろう。
でもその後、別の会社から
オファーが来た。
それは
コンピューター関係の
見習の仕事だ。
経験がなくても
受け入れて貰える職で、
渋々このオファーを受けたのだ。
あまり気乗りしなかったから、
最初のうちは正直言って
ハッピーではなかった。
しかし
2~3年見習いとして働くうちに、
パソコン知識や
コーディングのスキルを習得し、
ITリテラシーがグーンと上がった!
最近は、語学のスキルよりも、
ITスキルの方が重宝される時代。
そのお陰で、将来の道も
より広くなったのだ。
もしあの時
志願していた語学の仕事に
就いていたら、
今ほど収入も高くなかったし、
時間リッチ、キャッシュリッチ
の生活も無理だっただろう。
希望の職が得られなかった時には
一時は落ち込んでも、
もっと長い目で人生を見れば、
この方がずっと良かったと言える。
短期的には悪いことに思えても、
長期的視点では
必ずしもそうではないのだ。
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日々の出来事に一喜一憂して、
感情が左右されてしまえば、
その時々の一時的で断片的なものしか
目に入らなくなる。
しかし冷静になって
より長いスパンで人生を見れば、
良いことと、悪いことは
螺旋状のように
常にグルグル回っていることに
気づく。
「諸行無常」という言葉通り、
この世のすべては
変化流動し続けているのだ。
変化の速度は
早いモノもあり、遅いモノもあり。
変化が遅いモノは
不変だと考えがちだが、
それは間違いだ。
どんなモノも、私たち人間も
すべてが移り変わってゆくもの。
不変で確実なものなど
どこにもないのだ。
今現在が
とても苦しい状況でも、
それは永久には続かない。
落ちるところまで落ちたら、
あとは上昇するしかないからだ。
逆に
良いことばかりが連続する時も、
ずっとそれが続くわけではない。
良いこと続きで、傲慢になったり、
おごり高ぶったり、
調子に乗ったりした時に、
突然ドカーンと下に落ちる。
良いことも、悪いことも
グルグル回っているのが
この世の性質だからだ。
この性質を受け入れれば、
物事をクールな目で見つめて、
心を揺り動かすことなく
平穏な気持ちで生きられる。
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悪い出来事でも
気を落とさない方がよい理由は
他にもある。
がっかりして、心が折れて、
失望感でいっぱいだと
悪いことばかりが
目につくようになるからだ。
次から次へと
悪いことが視界に入り、
より絶望的に感じる。
「この世の中は
悪いことだらけ!
私の人生も悪いことばかり!」
と嘆くだろう。
しかし実際のところは
悪いことは確かにあっても、
良いことも
同じ量だけ存在するもの。
絶望的な心境だと
自分の視野は狭まり、
見えないものが増えてくる。
悪い出来事に虫眼鏡を当て、
それを拡大して
見ているようなものだからだ。
その悪い出来事は
実際のサイズよりも
より大きくなり、
細部までがはっきり見える。
その中に詰まっている
沢山の悪いものを
まじまじと見ていれば、
気分も更に落ち込んでゆく。
そこだけに焦点を当てれば、
当然それだけしか見えず、
その他のものは
視界に入らない。
それゆえ悪いことに
集中しやすくなるのだ。
悪いことが起きても、
「諸行無常の世の中だから、
まあそんなものでしょ」と
サラリと受け流せれば、
虫眼鏡をギュッと握りしめ
レンズに焦点を当て
それにフォーカスすることも
なくなるだろう。
気軽に構えていれば、
首を動かして
周囲を見渡す余裕もあるから、
もっと沢山のものを
見れるようになる。
視野が広くなれば、
「悪いこともあるけれど、
良いこともあるんだな」
と納得できるはずだ。
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日々の生活の中では
色々なことが起きる。
人間は感情の生き物だから、
自分にとって都合の良いこと、
嬉しいことが起きれば、
有頂天になって喜ぶ。
逆に不都合なことや、
望ましくないことが起きれば、
がっかりして気を落とす。
日々の出来事に
感情を左右されるのも
ある程度は仕方ないだろう。
しかし
悪いことが起きた時、
そのことに囚われすぎて
自分自身を見失えば、
良いことはあまりない。
視野は狭まり、
悪いことばかりしか
見えなくなるからだ。
すると
余計不愉快になるだろう。
それよりも、
もっと気軽に構えた方が
自分もラクだ。
良いことも、悪いことも
同じ量だけあり、
両者は時間の経過と共に
グルグルと循環している。
その瞬間、悪いことだ
と感じられても、
それが良いことに転じることも
しばしばだ。
すべてのモノが変化して
移り変わるこの世の性質を
受け入れて、
「まあそんなものか」
と良い意味で諦めれば、
心穏やかに生きられる。