心が健全で幸せな人に育てたければ、加点法で子育てしよう!

今回は、子育てするには、
減点法ではなく、
加点法で育てた方が、
健全で幸せな人間を作れる、
という話。

なぜ、そうなのか?
を解説したい。

まず最初に、減点法や加点法が
どんなものだか説明しよう。

両方とも
物事や人を評価する際に、
使われる方式だ。

減点法とは、
ミスや悪かった点、
失敗があった時、
その分点数を差し引いていく方法。

それに対して、加点法は、
良い点、優れた点、
何かを成し遂げた時、
点数を加えていく方法だ。

どちらの方法が
優れている、劣っている
というよりも、

評価の対象によって、
どちらの方が
より良い結果を生むか? 
が違ってくる。

子育てにおいては、
減点法を使うよりも、
加点法にした方が、

子供も伸び伸びと育ち、
結果的に、心が健全で
幸せな人間になりやすい。

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なぜ、そうなのか?
その理由は幾つかある。

まず最初に、減点法では
チャレンジがしにくくなる。

人が成長するためには、
新しいことに挑戦して
今まで知らなかったことを
学んでいく必要がある。

あいにく、
新しいことを始める時には、
最初から上手く行くことは
あまりない。

やったこともない
未知の分野なので、
それも当然だろう。

つまり、失敗は
必ずと言ってよいほど
起きるものだ。

そんな時、
「どこが違っていたのだろう?」
と考えて、

「こうしたから
スムーズに行かなかったのでは?
次回は、別のやり方で試してみよう!」

と手ごたえを感じながら、
試行錯誤して学んでゆける。

色々試しているうちに
「こうすればいいんだ!」
というものを発見をして、

徐々に上達してゆくものだ。

このような感じで、
一つスキルを習得できたら、
今度はまた別の新しいことに
挑戦する。

チャレンジのたびに、前回同様に
最初は間違いやミスをして、
その失敗により、
理解を深め、賢くなってゆける。

新しいことに挑戦して、
最初は失敗しながら、
徐々に進化成長するのが望ましい。

しかし、減点法で教育されれば、
間違いをしたら、
点数を引かれてしまうので、

子供も怖くて、
なかなかチャレンジできない。

「失敗したら、減点される!
そうなれば、お母さんにも
𠮟られる!」

そんな心配があれば、
尻込みして、

「何もやらなきゃ失敗も
ミスもない。そうすれば、
親から叱られることもない」
と考えるようになる。

当然、積極的に何かをやろう!
という気持ちにはなれない。

もし、「これは面白そうだな」
と感じたことがあっても、

「やってみて上手く行かなかったら、
どうしよう?」

「長続きしないかもしれない?」

「自分に合っているかどうか
分からない?」

そんな不安が先行して、
「それならやめようか」
と試すこともなく、諦めてしまう。

減点法では
失敗を恐れるあまりに
勇気を失い、何もしない
消極的な子供を作り上げる。

たとえ目の前に
素晴らしいチャンスが
転がっていても、

「万が一、上手く行かなかったら
災難だ」と考えてしまうので、
当然、チャレンジもない。

行動がなければ、
結果を出すことも不可能だ。

自らの可能性を試すこともなく、
様々な機会を逃してしまう。

加点法で育てられれば、
間違えた時でも、
減点されないから、安心だ。

その間違えにより、
何か新しい学びや発見が
あった時には、

プラスの評価を貰えるので、
嬉しい気持ちになれる。

そして、その喜びが
「もっともっと頑張ろう」
という気持ちにさせてくれる。

少しずつでも、
「上手く行かないこと」
を経験しながら、

どんどん上に
登ってゆくことも可能だ。

子供の進化成長のためには、
減点方式よりも、
加点方式のほうが、
より良い結果を生む。

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子育てにおいて
減点法より、加点法の方がよい
もう一つの理由は、

減点法は「完璧主義者」
を生みやすいこと。

「完璧主義者」は
常に完璧を求めていて、
立派だと思う人も
いるかもしれない。

しかし、人間である以上、
「すべてが完璧」という状態は、
達成不可能だ。

人間そのものが
不完璧な存在なので、

すべてに完璧を求めること自体に
無理がある。

完璧主義者は、
完璧にできない自分を
情けなく思い、

完璧でない自分を
受け入れられず、自分を責めて
自らの手で自らを苦しめる。

結果的に心が病みやすくなり、
不幸せになってしまう。

減点方式では、
最初は満点である100点を
付与されるが、

間違えたり、ミスしたり、
失敗したりするたびに、
その分、点数が差し引かれてゆく。

そのため、できなかったことに
注意が向きやすくなる。

自分に足りないものばかりに
注目して、それを正そうとして
一生懸命になる。

失敗して点数を失えば、
その失った点数を取り戻したく、
そのことばかりに執着する。

「理想の100点に戻らなければ!」
と必死になるうちに、

「完璧でなければいけない」
と思う心が出てきて、

常に完璧を目指す姿勢を
身につけてしまう。

しかし、現実的には、
人間には完璧はムリ!

完璧になれない人間が
完璧にならなければ!
と非現実的なものを狙えば、
不幸の種になる。

常に何かが足りないと感じ、
不満に感じるからだ。

当然、
満たされた気持ちにはなれず、
不幸感が増すだけだ。

減点法で子育てすれば、
完璧主義の姿勢になりやすく、
足りないところばかりに
目を向ける不幸な人を生み出す。

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減点方式では、長所伸展よりも、
短所克服の道に進みやすい。

その理由は、減点方式では
欠点に目が向きやすくなり、

どうにかして、
できない部分を
できるようにしたい
と願うようになるからだ。

短所克服は、
必ずしも悪いことではない。

特に、本人が自ら
「短所を克服したい!」と
望んでいる場合には、
積極的にやる価値がある。

しかし、本人は嫌なのに、
親が「これもきちんと
できるようになった方がいいから」
と言って、

無理強いして
子供に短所克服させるのは、
かなり問題がある。

なぜなら、嫌々ムリしてやっても、
本人が苦しいだけで、
あまり良い結果は出ないからだ。

人間は誰でも、
良い面もあれば、悪い面もある。

優れた面もあれば、
劣った面もある。

どんなに優秀な人でも、
すべての点において、
パーフェクトだ
ということはあり得ない。

同時に、
私たちの時間やエネルギーは
無限にあるわけではない。

決められただけの時間と
エネルギーしかなく、
時間や労力は貴重なものだ。

その貴重なリソースを
すべてのものに注ぐことは
不可能なのが現実。

よって、
集中すべきものを
選ぶことが必要だ。

選ぶ際には、
自分が楽しいことをした方が
ずっといいだろう。

大抵の場合は、子供は自分が
得意なこと、優れた分野のことを
やりたがる傾向にある。

もう既に良くできることでも、
更に磨きをかけて、
もっと向上してゆくことも可能だ。

そちらに力を入れた方が
子供もずっと楽しくて、
効率よく学べるだろう。

つまり、長所伸展の方が
本人もラクだし、
それにより得られる成果も
大きくて、素晴らしいものだ。

その一方で、
貴重な時間や労力を
苦手なこと、できないことに
集中させようとしても、
本人は気が進まない。

嫌々やっても
ツマラナイだけで、
ツラい気持ちになるだけだ。

それでも、親が厳しい態度で
無理矢理やらせたら、
子供は苦しむだろう。

自らの気持ちで
短所克服を望む時以外は、

苦手なことを
嫌々やらせるのは、
良い結果を生むこともないし、
子供を苦めるだで、ろくなことはない。

どんな人でも、
すべてをパーフェクトに
こなせない事実を受け入れて、

できる分野、得意な分野、
やっていて楽しいことに、

貴重な時間やエネルギーを
注ぐ方向へ進んだ方が、

活き活きと生活できて、
幸せを感じやすい。

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今回の話をまとめれば、

子育てをする際、
心が健全で幸せな人に
育てたければ、

減点法よりも、加点法で
子供を育てが方がよい。

その理由は、減点法では
失敗を恐れるあまりに、
新しいことに
チャレンジしなくなるから。

チャレンジがなければ、
進化成長も見込めないからだ。

減点法では、できないことに
注目が行きやすくなる。

自分の足りない部分を
どうにかして取り戻し、
完璧になりたいと願ってしまう。

そうなれば、
完璧主義の姿勢の人間を
作り出すことになる。

しかし、しょせん人間は
不完璧な存在だ。

ムリなことを望み、
非現実的な完璧を求めれば、

満たされることはなく、
いつも心は不満な状態。
幸せからはほど遠い。

減点法では、長所伸展よりも、
短所克服の道に進みやすくなる。

私たちの時間やエネルギーは
有限なので、

短所克服よりも、長所伸展に
貴重な時間と労力を費やした方が、
自分自身も楽しいし、
大きな成果も出しやすい。

自分の子供が
心が健全で幸せな人に
なって欲しければ、

減点法ではなく、
加点法で教育してゆこう!

失敗することも
普通に受け入れて、
どんどん新しいチャレンジを
子供にさせること。

完璧を求めるのではなく、
自分が長けた分野を
より磨いてゆく方向で、
満足感や充実感を上げてゆく。

足りないところがあっても当然。
自分の状態に満足するためにも、
加点法の方が役に立つ。