お子さんをお持ちの方であれば、
ご自身のお子さんの反抗期を
経験された方もいらっしゃるでしょう。
お子さんの反抗期は、
親にとって大きな挑戦であり、
厳しいことのように
感じられるかもしれませんが、
実は、この現象は
決して悪いことではありません。
反抗期という段階を経ることで、
お子さんは心理的に自立することを
促されます。
今回は、「反抗期は望ましいものである」
というテーマでお話しします。
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反抗期は自分らしい人生を歩むために必要なステージ
自分らしい人生を
自由に創造していけるようになるには、
子どもが成長の過程で
3つの精神的ステージを
通過することが必要です。
1つ目のステージは、
親や教師、周りの大人たちから
既存の価値観や社会のルールを
教わる時期です。
生きていく上で
必要なことを親や教師から学び、
許される行為や避けるべき行為を
覚えます。
子どもは与えられたルールに
従うことで、
社会に適応して
生活できるようになります。
このステージでは
親や教師の保護のもと、
子どもは安心して過ごせます。
しかし、
子どもが小学校高学年になる頃、
あるいは遅くとも高校生になると、
今まで従ってきたルールに疑問を持ち始め、
教わったことへの反発や、
社会の常識に反する行動を
取ることも珍しくありません。
この時期が「反抗期」と呼ばれる
第2の精神ステージです。
親の言うことを素直に聞かず、
ときには親の価値観や生き方を批判し、
親の「こうしなさい」というアドバイスも
無視することがあります。
そして、親が望まないことを
積極的に行うようになるのです。
親としては、
このような子どもの行動に手を焼き、
困惑し、悩むこともあるでしょう。
今まで良い子だった我が子が、
言うことを聞かなくなり、
どう対応すればよいか
わからなくなることも
あるかもしれません。
この現象は
一見問題があるように
感じられるかもしれませんが、
実は決して悪いことではなく、
子どもが自らの意志に目覚め、
心理的に自立するための必要な
ステージだと言えます。
これは、子どもが将来、
自分らしい人生を自由に楽しく
創造できるステージ(第3ステージ)
へ移行するための
重要な前段階です。
したがって、
親は大変さを
感じるかもしれませんが、
嘆かず、子どもを優しく見守ることが
求められます。
親としては、子どもが
このステージを通過せず、
自分らしい人生を自由に創造できる
第3ステージへと移行してほしい
と願うかもしれませんが、
残念ながらそれは不可能です。
第3ステージへ到達するためには、
反抗期を経ることは必須であり、
避けては通れない道だからです。
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自由に生きることで直面する大きなチャレンジ
反抗期において
親への反発心を抱くのは、
親や教師から教えられたことや
社会の常識に対して
子どもが疑問を抱くからです。
また、これまでに与えられた
ルールや価値観に
縛られることへの不満からも生じます。
子どもは
教えられた価値観やルールから解放され、
自由に生きたいと望むのです。
確かに、親や教師からの教えは、
健やかに幸せに生きるために
必要なことも含まれています。
しかし、子どもにとって
自由な生き方を制限するような、
不当で不合理なルールも存在します。
そういったルールに対し、
子どもは疑問を持ち、
反発するのです。
そして、自分が信じる方法で
行動を始めます。
この過程で、子どもは
「自由」を得るために、
多くの挑戦に直面することになります。
自分の方法で行動した結果、
思い通りの結果が得られなかったり、
期待に反する事態に
遭遇することも少なくありません。
そのようなとき、
不安や葛藤を経験するでしょう。
自分の方法で行動する際には
孤独を感じることも多いです。
親の言うことに従っているときには、
親の保護のもとで
責任を問われることも少ないですが、
自立して自分で選択した道を歩むと、
その結果に対して
自分自身が責任を負う必要が出てきます。
自由に生きることは魅力的ですが、
それと引き換えに
多くの責任を背負うことになります。
これらの挑戦は
決して容易なものではなく、
大きな努力と覚悟が
要求されるのです。
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挑戦に立ち向かえず、自由を放棄してしまう人もいる
自由に伴う不安や孤独感、
そして重い責任に耐えられず、
自由を放棄してしまう人も
中にはいます。
こうした人たちは、
自分以外の権威ある人に従属し、
依存することが多いです。
典型的なのは、
カリスマ的な人物に依存し、
その教えに従うことで、
自分で考えることや葛藤すること、
決断から逃れることです。
これにより
不安や孤独感に苦しむことなく、
責任を取る必要もなく、
比較的楽な生活ができます。
思考停止をさせて、
カリスマ的なリーダーの指示に
従順に従って行動します。
そうすることで、
安心感や保護されているという感覚を
得ながら生活するのです。
確かに、これは楽な道ですが、
真の自由を手に入れて
自分らしい人生を
自由に創造することからは
遠いものです。
また、依存的で不健全な
人間関係に陥りやすく、
望ましいものとは言えません。
カリスマ的なリーダーに依存する人は、
従属する立場にあるときは
その権威に頼って自分を守り、
自分が親や上司、教師などの
上位の立場になったときには、
下位の人に自分に従うよう
求める傾向があります。
自分に従う人々の存在に依存し、
不安や孤独感から
逃れようとするからです。
残念ながら、この状態では
真の自由を得ることは難しく、
自分らしい幸せな人生を歩むことからも
遠ざかってしまうのです。
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子どもの反抗期は、成長と自立の大切な過程
子どもの反抗期は、
成長と自立の重要な過程です。
不安や孤独を感じることを覚悟し、
葛藤しながら自ら考え選択し、
そして自分の選択の結果を
自ら引き受けて生きていくことは、
大きな挑戦ですが、
個人の成長や自己実現につながる道であり、
真の自由を手に入れ、
自分らしく幸せに生きる道でもあります。
子どもの反抗期は、
この道に至る前に通るべき
重要なステージなのです。
そのため、親にとって
子どもの反抗期は大きな挑戦ですが、
それを悪いことと捉えず、
むしろ望ましいこととして受け入れ、
子どもを優しく見守る姿勢が大切でしょう。
自分に反発する子ども、
言うことを聞かない子ども、
親が望まないことを積極的にする子どもですが、
これは一時的なステージであり、
嘆くことではありません。
むしろ、望ましい成長の過程と解釈し、
親は子どもの反抗的な態度に対しても理解を示し、
子ども自身の考えや行動を
尊重することが大切です。
反抗期は親にとっても試練のときであり、
子どもからの冷たい態度や
厳しい言葉に傷つき、
感情的になることもあるでしょう。
そのため、親自身が
ストレスをケアする方法を学び、
子育ての悩みに対処することも重要です。
そういう意味では、
親子ともに成長の機会になる
と言えるでしょう。
悪いことと嘆くのではなく、
ポジティブな捉え方をしましょう。
そうすることで、親も気分的に
大分楽になれるでしょう。