アダルトチルドレンが多いのは、私達が大切な事を忘れてしまったから

「毒親」とか、
「アダルトチルドレン」
という言葉がネット上に
溢れかえっている。
日本は「アダルトチルドレン大国」
と言ってよいほど、
多くの人たちが「毒親」や
「アダルトチルドレン」の問題で
苦しんでいるようだ。

子供の頃の欲求が満たされないまま
大人になってしまえば、
身体は立派な大人でも、
精神的にはとても未熟な状態だ。
人生の様々な場面で
問題を引き起こし、
生き辛いと感じることも
不思議ではない。

人生を楽にするカウンセラー
高橋リエさんは、
なぜ、現代の日本には、
こんなに多くの毒親や
アダルトチルドレンがいるのか?
その根本的な原因を
ユーチューブでお話されている。

高橋さんによれば、
現代の日本人は、とても大切なことを
忘れてしまっていると言う。
昔の日本人は、このことを知っていた。
でも、今では、多くの人々が
そのことをすっかり忘れているため、
毒親やアダルトチルドレンで
苦しむことになるそうだ。
一体、何を忘れたというのだろうか?

それは、「幼い子供は親より賢い」
ということだ。
幼い子供がどんなに賢くて尊い存在なのかを
忘れてしまっている。そのため、
子供を何も知らない、何もできない
劣った存在として、
上から目線でコントロールしたり、
雑に扱ってしまっている。

赤ちゃんは言葉が喋れないし、
自分でできることは少ないが、
実は色々なことを分かっていて、
親の心を読む力がある。
いわゆる「悟った状態」にあるそうだ。

赤ちゃんの脳波は「デルター波」と呼ばれる
とてもゆっくりした脳波だ。
ほとんど眠っている状態だが、
これは常に潜在意識に
アクセスできている状態だとも言える。
言葉では理解していなくても、
お母さんの気持ちや意識が
どこに向いているのか、
すべて、お見通しだとのこと。

例えば、お母さんが
心配事でいっぱいで、
赤ちゃんに関心があまり向いていなければ、
それを身体の感覚としてキャッチしている。
そして、スゴク不安になるのだ。

脳波は赤ちゃんが一番ゆっくりで、
成長とともに少しづつ早くなってゆく。
7歳くらいまでの子供は、
大人だったらウトウト寝ているような
シータ波というおそい脳波を出している。
これは潜在意識にアクセスしやすい状態だ。

幼い子供は、
親や家族の気持ちを感じ取るし、
大人が気づいていないような
潜在意識の深い所まで
分かってしまったりする。

お母さんが「ツライ」などと
ひとことも言わなくても、
お母さんを優しく気遣ってくれたり、
時には親がドキッとするような
鋭いことを口にしたりする。
幼い子供はすべてがお見通しで
よく理解できているからだ。
幼い子供が言うことは、
まさにそのまま真実だ
という場合が多い。

幼い子供は大人とは全く違った存在だ。
赤ちゃんは一番意識が深くて、
7歳くらいまでは、潜在意識で生きている。
だから、大人よりもよく分かっている。
色々なことを見通している。
そんなに賢い存在だということだ。

昔の日本には
「七つまでは神のうち」
という言葉があった。
子供が7歳までは、
神の領域にいる存在なので、
幼い子供たちをとても尊重して、
大切にしようということだ。
これを守っていた時代が
日本にも過去にあるそうだ。

幼い子供を一人ぼっちにさせないよう
安心させるように、
いつも誰かがおんぶをして、
大人がどこかへ行く時には
必ず一緒に連れて行った。

幼い子供がやりたがることは、
危険でない限り、
何でもやらせてあげて、
子供が飽きるまで
そのことをとことん
させてあげていた。

そうすることで、幼い子供は
自分の好奇心に任せて、
どんどん色々なことを学んで行く。
大人たちはできるだけ
子供のペースに合わせて、
子供たちを満足させてあげていた。

すると、子供は毎日「子供でいること」
を十分堪能できる。
そして、10歳くらいになれば、
「もう十分気が済むまでやった」
と子供を卒業してゆける。

これは、江戸時代後期の子育てらしい。
当時、日本を訪問した西洋人は、
日本人の姿を見て、とても感心した。
大人も子供も皆ニコニコしていて
幸せそうに生きていたからだ。

子供の頃に「我慢」を強いられることなく、
子供でいることに十分満足できたから、
大人になった時にはトラウマもほとんどなく、
アダルトチルドレンにならないで
本物の大人になることができた。

こういう話をすれば、
「そんなのは子供を甘やかしているだけ!」
と反論する人もいるだろう。
でも、それは少し違う。
「甘やかすこと」とは、子供が求めていないことを
大人があれこれとやって上げることだ。
それに対して、子供がやりたいことを
十分やらせてあげることは、
子供を尊重して、満足させてあげること。
それにより、子供は喜びを感じることができる。

成長の過程で、喜びを感じながら
育った人は、やがては自分も
昔やって貰ったことで嬉しかったことを
他の人にやってあげるようになる。
そうすることで、自分も嬉しいし、
他人も喜んで、満足してくれる。
喜びが動機で、人と助け合いながら
生きて行ける人間に成長できるわけだ。

つまり、先に喜ばせて
満足させてあげることにより、
良い循環を生むことができる
ということだ。
これは、非常に大切な点。

その一方、現代はどうだろうか?

子供は未熟な存在で
大人よりも劣っている
という間違った思い込みを
している大人は沢山いる。
そのため、子供たちを無理矢理
大人の都合に合わせさせている。
子供よりも愚かな大人が、
大人よりも賢い子供に
上から目線で指示や命令を
している状態だ。

大人は怒ったり、脅かしたりして
子供をコントロールしようとするので、
子供は恐怖が動機で、
他人に言われたことに
従うようになってしまう。

こんな感じで成長すれば、
我慢させられて、満たされなかった
子供の欲求が、大人になっても
そのまま身体に残ってしまう。
子供を卒業することが難しくなり、
「アダルトチルドレン」になってしまうのだ。

アダルトチルドレンが毒親となり、
自分の子供たちをアダルトチルドレン
にしてしまう。そして、また、
そのアダルトチルドレンが毒親になって、
更なるアダルトチルドレンを生み出す。
負のサイクルに落ちてしまうようなものだ。

子供を恐怖で脅して
教育することは、
その子の主体性を失わせて、
「人生生きツラい」と思うような
アダルトチルドレンを育ててしまうだけだ。

昔の日本人が知っていた
「七つまでは神のうち」を
しっかり学んで、
子供を尊重して大切にしてあげること。
これを実践することで、長期的には
「毒親」や「アダルトチルドレン」
の問題を解決できるだろう。

高橋さん、興味深いお話を
有難うございました。

参考動画:「幼い子って、親より賢いんです – 毒親育ちさんのための子育て講座
(ユーチューブ 人生を楽にするカウンセラー・高橋リエさん)