他人は変えられない?

カウンセリングで私が学んだことの一つは
「他人は変えられない。
変えられるのは自分の心だけ」ということ。
人生には、自分がコントロールできるものと、
そうでないものとがある。
自分のコントロール外のことは
変えようと頑張らないこと、
とアドバイスを受けた。

自分が変えられないものを
どんなに頑張っても、上手く行かないのは当然。
思い通りにならないと、フラストレーションが溜まり
イライラとして、心が病んでくる。
だから、他人を変えようとは思わないことだ。
そう割り切れるようになってから、
他人への期待も薄らいだので、
自分の気持ちもラクになった。

でも、本当に他人を変えることは不可能なのか?
必ずしも、そうとは言えない。
なぜなら、もし、自分が他人に
何らかの影響を与えて、
その影響で他人が自ら変わりたい
と思うようになることもあるから。

私自身の例を挙げれば、
斎藤一人先生は、私を変えたと信じている。
一人先生のトークを次々聞くうちに、
私のマインドセットは徐々に変わり、
今では数年前とは全く違う考え方をするようになった。
私は一人先生から良い影響を受けて、
自分を変えることができたと思う。
そう考えれば、一人先生は私を変えた
と言えるだろう。

確かに、一人先生のお陰で、私は変われた。
もし、一人先生のことを知らなければ、今の私はない。
でも、ここで注意しなければならないことがある。
一人先生から良い影響を受けて、
私自身が自分を変えたいと思ったことだ。
重要なのは、「私自身がそう思った」という部分。
いくら一人先生からの影響でも
最終的には、私自身が変わろうと決めたのだ。

誰かを変えたいと思う時、
自分からその人に影響を与えて
本人が自ら変わりたいと思わせる
方向へもっていけば、
他人を変えることも可能だろう。
例えば、自分の子供にこうなって欲しいと
願うことがあれば、
子供がそうしたくなるよう、
親の自分が影響を与えるよう努めることだ。

でも、こういう感じで子育てをすれば
落とし穴に落ちやすい。
どんなに親が子供に良い影響を与えようとしても、
親がそのことに囚われてしまえば、
結局は「執着してしまう」ことになり、
上手く行かなくなるのだ。
「執着すれば、執着したものは手に入らない」
これは、今までの人生の中で
私が学んだことの一つ。
「自分は子供のことを思って、
良い方向に導こうとしているのに、
なぜ、上手く行かないんだ?」
と嘆き出したら、執着の罠にハマっている証拠だ。

それよりも、自分の自然な姿、在り方が
近くにいる子供や家族に良い影響を与える
方が理想的だろう。
この場合、相手に影響を与えようと
意気込んだり、頑張ったりはしていない。

自分が他人に影響を与えて、
そのために、他人が変わりたいと思うようになり
良い方向へ変わることはある。
だけど、影響を与える自分は
それを意図して頑張ることはしない方がよい。
なぜなら、そうすることで、
執着の罠にハマり、人間関係も悪くなり
心を病んでしまう危険があるから。
もし、他人に影響を与えようと
意図する自分に気づいたら、
自分自身に警告サインを送ろう。

他人が自ら変わりたくなる気持ちを、
自分が頑張って起こそうとするのは危険だ。
自分の自然な在り方が、相手をそうさせるなら問題ない。
でも、意図して努力して影響を与えようとするのは
相手をコントロールすることであり、
執着の罠に陥りやすい。