ニュージーランドでも結婚する人が減少中!?その理由とは

先日、日本の友人と話したとき、
「日本では結婚する人が減っている」
という話題になりました。

実は、ニュージーランドでも
結婚する人が減っている印象を
受けます。

ただ、その背景は
日本とは異なる理由があります。

この記事では、ニュージーランドで
結婚する人が少なくなっている理由について、
現地の事情を交えながらお話しします。

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事実婚がポピュラーな理由

結論から言うと、ニュージーランドで
正式に結婚する人が少なくなっているのは、
「事実婚」の増加が
理由の一つだと考えられます。

私の周りにも
事実婚を選んでいる人が何人かおり、
これはニュージーランドの社会で
広く認められているライフスタイルです。

事実婚とは、
結婚のような法的手続きを踏まずに、
夫婦として生活し、
お互いを支え合う関係を指します。

その魅力は、
法的な手続きが不要な分、
関係を始めたり終えたりする自由度が
高い点にあるのでしょう。

一生のうちに
複数のパートナーを持つ人も多い
ニュージーランドでは、
この柔軟さが
重要視されているのかもしれません。

一方で、
結婚は手続きが面倒です。

たとえば、離婚する際には
家庭裁判所への申請や手数料が必要で、
さらに離婚が成立する前には
2年間の別居期間を経なければなりません。

そのため、
こうした手間や制約を避けられる事実婚が、
多くの人に人気なのです。

さらに、事実婚が3年以上続いた場合、
共有財産の公平な分配が認められます。

また、子どもがいる場合には、
子どもの保護に関するルールも
婚姻関係と同じように適用されます。

このように、法律面でも事実婚は
婚姻関係とほぼ同等の扱いを受けており、
安心して選べる制度なのでしょう。

ニュージーランドでは社会的にも、
事実婚は婚姻と
ほぼ同じ評価を受けています。

この背景から、ニュージーランドでは
事実婚を選ぶ人が増えているのではないか
と個人的には考えます。

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結婚にまつわる、私の失敗

私自身は正式に結婚していますが、
結婚したときに、
少し失敗をしてしまいました。

言葉は良くないかもしれませんが、
実は私、結婚するときに、
かけおちのような形で
結婚してしまったのです。

だから、一般的な人がするような
結婚式は挙げていません。

夫と私の2人で
ウェリントンの役所のオフィスに出向いて、
婚姻届を提出して結婚しました。

問題だったのは、当時私は
ウェリントンにある日本の組織で
働いていましたが、
職場に入籍することを
報告していなかったことです。

籍を入れる当日の午前中、
私も夫もそれぞれ昼まで仕事をして、
午後から半日休暇を取り、
2人で役所に行きました。

私は一応、同じ部署の同僚には
入籍することを伝えていましたが、
上司には報告していませんでした。

でも、どこからかその話が
上司に伝わってしまい、
入籍する当日の午前中に、
上司のさらに上の上司から呼び出され、
叱られてしまいました。

「結婚することを
どうして黙っていたんですか?
少し非常識ではないですか!」と
怒られてしまったんです。

その後、「まあ、おめでたいことなので、
おめでとうございます」
とフォローのようなことを言われましたが、
なんだか嫌な気分になったのを
今でも覚えています。

私が黙っていた理由を正直に話すと、
この結婚は私の実の両親に
認めてもらえなかったからです。

特に母からは大反対を受けていて、
私たち2人だけで
無理やり結婚を決めてしまいました。

きちんとした結婚式を挙げることもなく、
婚姻届を提出するだけの形にしたのも、
結果的にかけおちのような形に
なってしまったからです。

そのせいか、私の心の中には
罪悪感のようなものがありました。

だから、公に「結婚します」
と言い出しづらくて、
職場の上司にも
報告をしないままでいたのです。

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日本とニュージーランドの違い

ここで、日本とニュージーランドの
違いについてお話しします。

日本の会社や組織では、
結婚することを報告するのが一般的です。

そのため、報告をしなかった私は
「非常識だ」と言われてしまいました。

でも、ニュージーランドでは
状況が異なります。

結婚はあくまで個人的なこととされていて、
職場に報告する義務はありません。

私の夫も、職場の仲の良い同僚には
話していましたが、
上司に報告することはありませんでした。

それによって
問題が起きることもなかったです。

さらに、日本では結婚後に
夫の苗字を名乗るのが一般的ですが、
ニュージーランドでは少し事情が違います。

夫婦が同じ苗字を名乗る必要はなく、
私も自分の旧姓を
そのまま使い続けることにしました。

夫は夫の苗字を、私は私の苗字を
それぞれ使用しています。

このような形は
ニュージーランドでは珍しくありません。

また、
ニュージーランドでよく見られるのが、
夫の苗字と妻の苗字をハイフンでつないで
新しい苗字を作る方法です。

たとえば、夫の苗字がSMITHで、
妻の苗字がJONESだった場合、
結婚後の苗字はSMITH-JONESとなります。

このハイフン付きのパターンも
ニュージーランドでは
広く受け入れられているものです。

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少々いい加減なニュージーランド

話を私自身のことに戻すと、
私は結婚後も
旧姓を使い続けると決めていました。

しかし、なぜか職場の名簿には、
私の名前が夫の苗字に
書き換えられていたのです。

日本ではそれが一般的
だからなのかもしれませんが、
正直、これも日本的なと感じました。

また、義理の両親も
私宛の郵便物に
夫の苗字を使って送ってきていて、
「このままで本当に良いのかな?」
と疑問に思った私は、
ニュージーランドの役所に質問してみました。

すると、「旧姓と夫の苗字を
その時々で使い分けても問題ありませんよ」
とあっさり言われたのです。

この柔軟な対応が
ニュージーランドらしく、
少々いい加減だなと感じたものです。

数年前のことですが、
義理の親が亡くなった際、
私も遺産の一部を受け継ぐことになりました。

そのとき、
亡くなった義理の親が残した遺書には、
私の名前が夫の苗字で記載されていました。

こういう場面では法律が絡むので、
ニュージーランドでもきちんとした対応が
求められるのだろうと思ったのですが、
実際にはそうでもありませんでした。

弁護士に電話で
「私は夫の苗字ではなく、
旧姓を使っています」と伝えたところ、
「ああ、そうですか」と一言で
納得してくれたのです。

それだけで、特に問題なく
遺産の一部を相続することができました。

こうした経験から、
ニュージーランドらしい柔軟さを
改めて感じました。

日本だったら、名前が異なる場合には
様々な証明書を提出して、
本人確認を厳密に行う必要があっただろう
と思います。

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おわりに

今回は、ニュージーランドで
事実婚が増えているという話題と、
結婚に関して
日本とニュージーランドの違いについて
お話ししました。

この件に関しては、YouTubeでも
トーク動画も投稿していますので、
ぜひこちらもご覧いただければ嬉しいです。

リンクは以下の通りです:
https://youtu.be/xi7cRd_16-k?si=AklDRPo4sE7WlIqX

このYouTubeチャンネルでは、
日本とニュージーランドの違いで驚いたこと、
日本の外から日本を眺めて感じたこと、
異文化体験を通して私が学んだことなどを
トーク形式でお届けしています。

私自身の視点ではありますが、
さまざまなテーマを取り上げていますので、
興味を持っていただけたら
応援していただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。