ニュージーランドのお弁当

子供たちが小中学生の頃
私は毎日、家族全員分の
弁当作りをしていた。
そのことを日本の友人に
話したら、
「スゴイね!でも、大変でしょ?」
と褒めてくれた。

友人に「スゴイね」と言われ、
私は少し恥ずかしくなった。
なぜなら、
ニュージーランドのお弁当は
日本の人が考えるような
豪華なものではないからだ。

日本の弁当作りは
「料理する」という感じがある。
食材を焼いたり、煮たり、
炒めたり、蒸したりして、
加熱して作る。
もちろん、加熱の前には、
食材を適切な大きさに切る。
けっこう、大変な作業だ。

それに対して、
ニュージーランドの弁当作りは
「弁当箱にそのまま詰める」と
いった感じ。
弁当のために、食材を加熱したり
することは滅多にない。
野菜を切ったり、パンにバター、
マーガリンを塗る作業が
一番面倒なことだ。
あとはスーパーから買ったものを
そのまま詰めるだけ。

ニュージーランドのお弁当の
メインは、サンドイッチ。
レタス、キュウリ、トマト等と
ハムや夕食の残り物のお肉を
中に挟んだ贅沢版もあれば、
ピーナッツバターや
チョコレート風味のスプレッド
をパンに塗っただけの
シンプルなものもある。

サンドイッチの他は、
リンゴ、バナナ、プラム、
キーウィーフルーツ等の
果物を丸ごと弁当箱に。
また、クラッカーやビスケット
といったスナック類を
入れたりする。

ニュージーランド人の
大好きな「ミューズリーバー」
も弁当の中身として
人気がある。
ニュージーランドは、
ミューズリーバー大国で、
ミューズリーバーの種類は
驚くほど多い。
アーモンド、カシューナッツ、
クルミ、ピーナツ、
パンプキンシード、
ヒマワリの種等、
ナッツやタネ類が豊富な
健康志向のバーもあれば、
形はバーでも、
内容はクッキーのような
お砂糖たっぷりの
甘ったるいものも多い。

ポテトチップスも
お弁当の一部として
ポピュラーだ。
弁当用に袋に小分けした
ポテトチップスも
売られている。

ポテトチップスで
驚いたことは、
子供の幼稚園に行った時、
パンにマーガリンを塗って
ポテトチップスを中に
挟んで食べていた子供が
何人もいたこと。
この国では
ポテトチップスが
サンドイッチのフィリングとして
大活躍していることを
知った。

ニュージーランドの小中学校では
日本のような給食はない。
基本的には皆、お弁当を
持参してくる。

でも、こんな感じで
弁当用に料理をする
ことは少なく、
弁当箱に詰めるという
感じなので、
怠慢主婦の私でも、
ラクに弁当作りができている。

日本の友人が送ってくれた
料理雑誌の中で、
キャラ弁特集があった。
これを見て「ワ~スゴイ!」
と感心するばかり。
お弁当と言うより、
立派なアートになっている。
こんな美しいお弁当、
私には作れそうもないので、
「ニュージーランドに住んでいて
良かったな」と思う