ニュージーランドの首都、ウェリントン
に住んでみて、私がどのように
感じているかを述べたい。
ウェリントンの魅力は、
便利さと、ゆったりさの両方があること。
キャピタルシティーなので、
生活に必要な物やサービスは
ほとんどすべてが、ここで手に入る。
首都と聞けば、人口過密で
密集した場所を想像するが、
ウェリントンはそうではない。
人口も40万人ほどなので、
日本で言えば、地方都市に似ている。
ゴミゴミした様子もなく、
東京都出身の私には
かなりゆったりと感じられる。
通勤ラッシュはあるけれど、
東京のそれとは大分違う。
バスや電車の中に、人を押し込む
光景なんかは見られない。
自家用車での通勤も多いので、
ラッシュ時には、道路が混むことはある。
でも、それも、たかが知れている。
東京では、電車がちょっとでも遅れれば
「遅延証明書」を貰って、職場に提出したが、
この国では、「今朝は道路が混んでいたので」
と一言いうだけでOK。
時間にハラハラすることなく
落ち着いた気持ちで通勤できるのは有難い。
住人の多くが、政府機関や政府関連機関で
働いている。また、外国の在外公館も多いので
外国人の姿もよく見る。
ニュージーランド最大の都市 オークランド
に比べれば、ウェリントンは貧富の差も少なく、
極度な貧困層がいないせいか、犯罪率も低い。
そういう点でも安心して生活できる。
観光地としては魅力的ではないが、
生活するには、便利で環境も良いので
かなり質の高い生活ができると感じている。
ウェリントン中のいたるところに
ウォーキングトレイルパスがあり、
家族や友人と一緒にウォーキングを
楽しむこともできる。
医療の点でも、ウェリントンには
医療設備が整った病院があるし、
質の高い医療を提供できる医師も揃っている。
残念なことに、ニュージーランドの田舎に行けば、
医療水準の低いところもある。
そのため、大きな病気をした場合、
自分の住む地域では治療が受けれず
ウェリントンやその他の都市まで
病院に行かねばならないこともある。
体調が悪い時、長距離を移動する
のは、かなりツライだろう。
ウェリントンから日本へは直行便がない。
オークランド、クライストチャーチ経由か
オーストラリアのシドニー経由で
日本に帰国することになる。
その点では、面倒かもしれないが、
その分、外国からの旅行者で溢れることもなく
とても落ち着いた雰囲気だ。
ウェリントンは風の強さで有名。
普通の日に、日本からの来客がこう尋ねた。
「今、台風が来ているのですか?」と。
ウェリントンのスタンダードでは
普通の日なのに、日本の人にとっては、
台風と思われるくらい、風は強い。
実際、ウェリントン空港で、
チェーンに繋がれていなかった小型飛行機が
強風により動いた、というニュースがあった。
ウェリントンは、それくらい風が強い。
気温は一年を通して、割とマイルド。
冬は南風が吹けば、体感温度が下がり、
かなり寒いと感じるが、雪が降ることは滅多にない。
夏は朝夕涼しいことも多いし、
日中の気温が25度を超えることも少ない。
そのため、ちょっと気温が上がれば
「暑い!暑い!」と騒ぐ人たちも多い。
暑さに弱い私にとって、ウェリントンの夏は
かなり快適だ。
ウェリントン中心地より車を30分も走らせれば、
秘境の地のような場所に行ける。
ここでは、携帯の電波も届かなくて、
隣の家も何百メートルも先にあるくらい。
友人がそんな場所に住んでいるが、
首都に住みながら、
人里離れた田舎生活を十分満喫している。
我が家はそこまで田舎ではないが、
窓の外からは、たくさんの緑が見える。
ベランダに野生の鳥が飛んでくることもしばしば。
一昨日の夜中には、モアポークというフクロウが、
私の寝室の近くでずっと鳴いていた。
その鳴き声がかなり大きくて、目が覚めたくらいだ。
近所の騒々しいパーティー音なら苦情も言えるが、
相手がフクロウなら文句も言えない。
便利なキャピタルシティーで
こんな自然を楽しむことができて
本当に恵まれていると思う。
私はウェリントンが大好きだ。