ニュージーランドは、住むのに良い国なのか?

私がニュージーランドで
生活を始めてから、約30年が経つ。
私はこの国での生活が大変気に入っている。
「ニュージーランドに住んでいて、
本当に良かった」とかなり満足だ。

日本よりも小国ではあるが、
人口密度が低くて、
空間的にもゆったりしている。
緑豊かな大自然に囲まれて、
澄んだ空気を吸いながら生きている。
周りの人々もフレンドリーで
ゆったりとした気持ちの人々が多い。
私自身も自分のペースで
リラックスした生活ができている、
と満足する気持ちでいっぱいだ。

その一方、ニュージーランドに住むことに
不満を感じる日本人もいる。
ディズニーランドやディズニーシーなど、
楽しい娯楽施設がほとんどないこと。
リーズナブルなお値段で
美味しいものが食べられる
レストランやカフェがあまりないこと。
病院へは気軽に行けず、体調が悪くても、
なかなか検査を受けられないこと、等々。
その人と会うたびに、
不満な言葉を聞くことも多い。

以前、日本に住む人から
質問されたことがあった。
ワーキングホリデイを考えていて、
ニュージーランドも候補国
の一つだとのこと。
ニュージーランドは住むのに
良い国なのだろうか?
と知りたがっていた。

こういう人が
私からこの国の話を聞くのと、
私の知人でニュージーランドを
不満に思う人から話を聞くのとでは、
受け取る側の印象が大分違うのでは?と思う。

私が言うように
ニュージーランドは素晴らしい国なのか?
それとも、娯楽や医療やその他の点で
劣ったところが多く、
イマイチな国なのか?
ちょっと混乱してしまうかもしれない。

私が言うことも、
私の知人が言うことも
どちらも正しいと言ってよいだろう。
ニュージーランドはそういう両面を
持ち合わせた国だと思う。

ニュージーランドが
住みやすい国なのかは、
ワーキングホリデイを考えている本人が、
どんな性格で、人生のどんな面を
大切にしているかで、
違ってくる。

私が思うには、
たいていの国で言えることは、
どこの国でも良い面と悪い面を
両方持ち合わせていることだ。
その国を客観的に見ることができれば、
ポジティブ面とネガティブ面が
平等にあることが分かるだろう。

ニュージーランドに不満を持つ
知人の話を聞いていると、
この国がとんでもない国のように
聞こえることも多々ある。
でも、ニュージーランドは
そこまで悪い国なのか?
私は大きな疑問を持つ。
おそらく、彼女はこの国を
大分歪んだ視点で観ているのでは?
と感じる。

人間は誰でも多かれ少なかれ
認知の歪みを持っている。
ニュージーランドが大好きな人は、
この国の良い面ばかりにフォーカスが行き、
悪い面を見ていない傾向がある。
逆に、ニュージーランドを悪く言う人は、
悪い面ばかりを見ていて、
その悪い面が必要以上に膨れ上がっている。
そのため、良い面が全く目に入らない
という状態だろう。

ちょっと話を逸らせて
人間関係についての例えを使えば、
分かりやすい。
多くの人は、大好きで尊敬する人を
過剰に高く評価する傾向にある。
その人の良い面ばかりが見えて、
悪い面が隠されていることもしばしばだ。
でも、実は、自分が大尊敬する人でも、
自分の知らないところで、だらしなかったり、
よくできない面もあるはずだ。

逆に、自分が大嫌いな人に対しては、
その人が救いようもないほど悪い人で、
その人のどうしようもない点ばかりが目に付く。
でも、本当は、その人だって、良くできる面、
優れている点があるはずなのに、
そのことは全く見えなくなっている。

話を元に戻せば、国についても、
同じことが言えるのではないだろうか?
その国が大好きならば、
その国の良い所ばかりが大きく見える。
悪い所はほとんど見えていない。
その国が大嫌いならば、
嫌な点、至らない点ばかりが
膨れ上がって見えてくる。
そうなれば、良い面もあるのに、
その良い面には気づかなくなる。

結論は、ワーキングホリデイを考える人が、
自分にとって何が一番大切なのか?
自分の性格と合っているのか?
自分のニーズを満たしてくれる国なのか?
そんなことをよく考えて、
決めるのが一番良いのだろう。

と言うことで、今回は、
ニュージーランドは住むのに良い国か?
について、私が考えることを述べてみた。