身長152センチで童顔の私がNZで得すること、損すること

私は子供の頃から、ずっと背が低い。
小学校で背の高さ順に並ぶ時には、
一番前か、良くても2番目だった。
「背の高い人はいいな~」と
高身長の人に憧れて、
羨ましく思ったものだ。
最初は小さくても、
そのうちグングン伸びる子もいる。
そうなればよいと願っていたが、
残念なことに、私の身長は
152センチでストップしてしまった。

そんな私でも、日本の日常生活では
背が低いために困ったことはなかった。
でも、ニュージーランドに来たら、
けっこう不都合なことが多い。

ニュージーランドのトイレの便座は
日本のものよりも高めだ。
便座に座った時に、
足の裏のすべてが床につかない
なんてことはよくある。
洗面所の鏡の位置も高すぎて、
普通に立っただけでは、自分の顔が見えない。
仕方ないので、鏡を使う時には、
子供用のスタンドの上に乗って、
自分の顔を見ている。

公共の場にある椅子やテーブルも
私にとっては、高すぎるので、
長時間の使用はちょっとシンドイ。
オフィスの机や椅子の高さも
スタンダードのものでは
自分には合わなかったので、
特別にフットレストを
買ってもらったこともあった。

スーパーマーケットで買い物する時、
陳列棚の上の方にある商品に
手が届かない時もしばしばだ。
私は健康オタク的な面があり、
ヘルシー志向の食品類を沢山買う。
それなのに、私の欲しいものは
なぜだか、私の手が届かない所に置かれている。
簡単に手が届く場所にあるのは、
砂糖や油が大量に入った
ジャンクフードが多いのだ。
近くにいる人に取って貰えばいいのだろうが、
恥ずかしがり屋の私には、
知らない人にお願いするのは気が引ける。

洋服や靴を購入する時にも、色々制限がある。
私の身体の大きさは、
ニュージーランドでは「子供サイズ」。
自分の身体に合った洋服や靴を見つけるのも、
けっこう大変だ。
大人と子供のデザインは大分違うので、
私の身体にピッタリの服は、
お子様用で、デザインもお子様好み。
50代の私が着るのには
「ちょっと、これはね~」と躊躇ってしまう。

22センチという私の靴のサイズも、
お子様サイズなので、
大人の素敵な靴を買うのはムリだ。
でも、時々、子供の靴でも
大人と同じようなデザインの靴もある。
全く同じデザインなのに、
大人用と子供用とでは値段が大分違う。
当然、子供用の方が安いから、
そんな時には、
「安く素敵な靴が買えた!ラッキー」
なんて思うこともある。

背が低くてニュージーランドで苦労するのは、
私のみならず、アジアからの移民の人にも多い。
カンボジア出身の友人は、私よりも背が低い。
彼女もニュージーランドでは服を買えないから、
妹さんの住むオーストラリアに旅行した時、
自分の身体に合う服や靴を
大量に仕入れてくるようだ。
友人によれば、オーストラリアには
アジア移民が沢山いるので、
小さめの大人用の服が
沢山売られているとのこと。

私は背が低いだけでなく、顔も童顔らしい。
私の子供たちが
ニュージーランドの小学校に通っていた頃、
面白いことが起きた。
子供たちを学校まで車でお迎えに行った時、
小学3~4年生くらいの見知らぬ子供が
私のところへやってきて
「あなた子供ですか?大人ですか?」
と聞いてきたのだ。
「大人だよ」って答えたら、
「そうなんだ」ってしっくりこない顔をされた。
背も低いし、顔も童顔の私が
車を運転していたことが、
その子には不思議に思えたらしい。

ニュージーランドの大学に留学中、
私は二十歳を過ぎていたのに、
周囲には成人していないと思われたようだ。
未だ10代の同じクラスの学生と
カフェバーに入ろうとしたとき、
10代のクラスメートは何も聞かれなかったのに、
私は、入り口で「あなた成人してますか?
身分証明書を見せて下さい」とチェックされた。

30代になってからも、
料理に使うための赤ワインを、
スーパーで買おうとした時に、
レジの人に「IDを見せて下さい」と言われた。
生年月日が書かれている
運転免許証を見せたら、
「そんな年齢なの!」と
驚かれたこともあった。

でも、若く見えるのは
悪いことだけではない。
昔、ニュージーランド国内を旅行した時、
観光地の施設に入場する時、
どう考えても大人の年齢なのに、
「あなた大人に見えないから、
子供料金でいいよ」と言われて、
かなり安く入場できた。

ヨーロッパ系ニュージーランド人には、
アジア人の年齢が分からないらしく、
とんでもなく若く見られることもある。
50代の私でも、30代くらいに見る人がいる。
私には21歳になる娘がいるのに、
19歳で娘を生んだとしても
どんなに若くても、計算すれば40代以上と分かる。
それなのに、娘と私のことを知っている
ニュージーランド人は
「あなた、まだ30代でしょ」と言う。

私よりも3年年上の旦那さんと
一緒に歩いている時、
知り合いの人とバッタリ会った。
その知り合いと次に会った時に、
「あなた、かなり年上の旦那さんと
結婚したのね」なんて言われて、
笑ってしまったこともある。

若い頃には、若く見られることは
「自分が未熟だから」と受け取り、
正直、あまり良い気分がしなかった。
でも、50代にもなれば、
若く見て貰えることは
かなり嬉しいことだと感じている。

見かけだけでなく、
体力的にも若くいられるよう、
エクササイズを頑張ろう!と気合が入る。