今回は、
日本とニュージーランドの
働き方やワークライフバランスの
違いについてお話しします。
私は日本で20年以上、
ニュージーランドで30年以上
生活してきました。
また、両国で
働いた経験もあります。
そんな私が感じた
日本とニュージーランドの違いや、
重要なポイントについて
紹介したいと思います。
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残業は良いこと?悪いこと?
日本で働いた経験がある方なら、
ニュージーランドでの仕事に
最初は驚くかもしれません。
ニュージーランドでは
残業がほとんどなく、
定時退社が一般的です。
そのため、
ニュージーランドの仕事環境は
楽だと感じるでしょう。
一方、日本では
残業が当たり前のように
行われています。
ニュージーランドでは、
長時間労働をする人は
非常に少なく、ほとんどの人が
午後5時には仕事を終えます。
以前、私はウェリントンにある
日本の組織で
働いていたことがありました。
そこには現地採用の
ニュージーランド人と日本人が
いましたが、ニュージーランド人は
終業時刻の5時が近づくと
カウントダウンを始め、
5時きっかりに「じゃあ、また明日!
バイバイ!」と言って
職場を後にします。
対照的に、日本人は
5時になっても仕事を続け、
毎日2~3時間の残業を
する人もいました。
日本では、
残業をすることが
仕事熱心で良いこと
とされることが多いですが、
ニュージーランドでは
必ずしもそうではありません。
残業が必要になること自体が
非効率な働き方だと考えられ、
改善が求められます。
ニュージーランドでは、
残業しなければ
仕事をこなせない場合、
上司が問題点を探し、
対策を立てることが一般的です。
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ニュージーランドでは有給休暇を取らねばならない!
日本では、有給休暇を
取りにくい風潮があります。
有給休暇があっても、
消化せずに無駄にしてしまう人も
多いのではないでしょうか?
実際、
日本とニュージーランドの企業で
有給休暇の日数は
あまり変わりません。
ニュージーランドでは
企業によりますが、
年間4~5週間が一般的です。
しかし、日本との違いは、
その有給を
きちんと消化するかどうかです。
ニュージーランドでは、
有給休暇を取らない社員がいると、
上司が必ず
休暇を取るように促します。
なぜなら、
未消化の有給休暇があると、
雇い主がその分の賃金を
支払わなければならない
ルールがあるためです。
多くの社員が
有給休暇を取らずに、
雇い主がその分の賃金を
支払うことになると、
雇い主にとって
大きな負担になります。
そのため、
ニュージーランドでは
ほとんどすべての社員が
きちんと有給休暇を取るのです。
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日本の便利さの裏にあるもの
有給休暇の消化や
残業の面で
日本とニュージーランドを比べると、
日本の労働時間は非常に長く、
ニュージーランドでは
短い傾向があります。
日本人は世界的に見ても、
かなり長時間労働をしている
国民なのでしょう。
もっと労働時間を
短くできればよいのにと、
多くの人たちが
望んでいると思います。
もちろん、
労働時間が短くなれば、
個人の時間が増えるので、
その点は素晴らしいでしょう。
しかし、別の視点から見ると、
必ずしも
良いことばかりではありません。
サービスを受ける側になると、
その便利さに気づかされます。
日本では多くの人の
長時間労働のおかげで、
午後8時や9時でも
フレキシブルなサービスを
受けられます。
ニュージーランドでは、
ほとんどの労働者が
5時に仕事を終えるため、
5時以降のサービスを受けることが
難しい場合が多いのです。
ニュージーランドで生活していると、
時間の面で融通がきかず
不便だと感じることもあります。
しかし、これは労働者が
終業時間に
仕事をストップするためで、
仕方のないことなのでしょう。
働く側の長時間労働のおかげで
便利さが成立しているとも
言えるのです。
理想的なのは、長時間労働もなく、
便利さもある状況ですが、
現実的にはその両立は難しく、
どちらかが犠牲になるのでしょう。
おそらく、両者の犠牲が
最小限になるような
適度なバランスが
大切なのだと思います。
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融通のきかない終身雇用制度
私が日本で仕事をしていた頃、
終身雇用制度が一般的でした。
現在では、この制度も
徐々に崩壊しつつある
と聞いていますが、
まだ根強く残っているでしょう。
終身雇用制度には、
良い面と悪い面の
両方があると思います。
良い点としては、
雇用が安定しており、
労働者は将来に対する
安心感を持ちやすく、
また会社への忠誠心も高まります。
しかし、
デメリットも存在します。
私自身、若い頃には
終身雇用制度が
厳しいと感じていました。
新卒で一斉に
一括採用されるのが当然で、
その枠から少しでも外れると
就職が難しくなる
現実があったからです。
私は若い頃に
海外に年単位で滞在したい
という願望がありましたが、
一旦就職するとそれは不可能でした。
また、就職前に
1年間の海外体験を考えても、
そのために年齢が上がると
就職に不利になるという理由で
行動できませんでした。
現在のシステムが
どうなっているのかは
分かりませんが、
私が日本にいた頃は、
年齢が1年でも上がるだけで
就職が不利になるという
融通の利かない制度でした。
この点について、私は
大きな不満を
抱いていました。
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自分に合わない会社に入ったら地獄!
また、終身雇用制度では、
転職が難しくなります。
もし新卒で入社した会社が
自分に合わない場合、
それは非常につらい
状況になるでしょう。
私がウェリントンの
日本の組織で働いたとき、
このことを痛感しました。
私は4年間だけ働いて
退職しましたが、
もしこれが終身雇用の状況で
一生その職場で働くと考えたら、
想像するだけでぞっとします。
仕事が人生の
すべてではありませんが、
仕事をしている時間は
人生の重要な部分を占めています。
自分に合わない職場環境で
嫌々働くのでは、
幸せになることもできません。
終身雇用で
一つの会社でしか働けない場合、
その会社で自分の実力を
発揮できないと、
自分を無能だと思い込む
リスクもあります。
私がウェリントンの
日本の組織で働いていたとき、
そのように感じて
悲惨な気持ちで
毎日を過ごしていました。
しかし、他の企業でも
働いた経験がある私は、
職場が変われば
自分がまったく別の人物と思えるほど
実力を発揮できることを
実感しました。
一つの職場で
成果を上げられなくても、
別の職場では
違う結果が得られることも
あるのです。
この観点からも、
終身雇用制度のもとで
自分に合わない職場で働くことは
非常につらいものだと思います。
極端な表現かもしれませんが、
合わない職場で一生働くことは、
人生を棒にふるようなものだ
と感じます。
ニュージーランドでは
終身雇用制度が存在しないため、
人生の中で何度も
職場を変えることが一般的です。
最初の職場が
自分に合わなくても、
自分に合った職場に
移りやすいので、
恵まれていると思います。
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おわりに
今回ご紹介した内容は、
私が30年以上前に
日本で働いていたときの
経験に基づいており、
時代遅れな要素も
含まれているかもしれません。
終身雇用制度も、
私が日本にいた頃ほど
絶対的な存在では
なくなっていると考えられます。
この点については、
ご容赦いただければ幸いです。
今回の話は、YouTubeでも
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こちらも合わせて
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リンクは以下の通りです。
https://youtu.be/nzDimiUQgpQ?si=QBh0TigacsOk-l-a