今回の話は
「言葉の持つパワー」について。
私たちが日々発する言葉は
想像以上に
ものすごいパワーがある。
その理由は、
自分が使う言葉により、
自分の感じ方や見える現実が
全く違ってくるからだ。
言霊の力については、
随分前から
斎藤一人さんを初め、
色々な方々が話されるのを
聞いてきた。
地獄言葉を話すよりも、
天国言葉を話した方が
自分のためになることも
納得していたつもりだ。
しかし、暫くの間、
私の理解の程度は浅いもので、
単なる知識レベルに
留まっていた。
その後の人生で、
あることをきっかけに
私は言葉の力を身をもって
体験することができ、
それ以来、このことを
もっと深いレベルで
理解できたと感じている。
そこで、今回は
私が実際に体験したことを
お話したいと思う。
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そもそものきっかけは
7年くらい前、
私の夫が突然家出をして
行方不明事件を起こしたこと。
その原因は
彼が深刻な鬱病を
患っていたからだ。
この事件を発端にして
私は自分が子供時代に経験した
メンタル疾患のことを
振り返るようになった。
それまでの私は
自分が幼いころ経験したことは
恥ずべきことであり、
誰にも知られないよう
隠す姿勢で生きてきた。
自分としても
そんな情けないことは
なかったことにして
一生懸命生きてきた。
しかし、夫が鬱病になってから、
私は昔経験した
自らの病気のことを
色々考えるようになった。
そして、
夫がカウンセリングを
受けるようになってから、
私もカウンセリングに行きたい
と思うようになった。
それ以前の私は、自分の内に
はっきりと言語化できない
モヤモヤしたものがあり、
しっくりこない感じに
悩まされていたからだ。
夫のカウンセリングでの話を聞き、
もしかしたら、
私もカウンセリングで
得れるものがあるかもしれない
と期待したわけだ。
そんな経緯があり、
カウンセリングセンターの
待ちリストに名前を入れて貰い、
3カ月後に私は定期的に
セッションに通うようになった。
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カウンセリングルームでは
カウンセラーが私に
色々な質問をしてきた。
そして、私は一生懸命
その質問に答えていた。
私が話をしている最中に、自分の話を
カウンセラーから遮られることが
多々あった。
「緑、ちょっと待って、
あなたは今~と言ったでしょ。
この言葉はあまり良くないわよ」とか、
「ちょっと待って、緑!
今あなたが使ったこの言葉は
別の言葉にした方がいいわよ」
という感じだ。
1時間のセッション中に
私が何度自分の発した言葉に
注意されたか分からない。
最初のうちには自分の話を
一旦止められることが多すぎて、
ウンザリしたこともある。
正直、
「いちいちうるさいな」
とまで感じていた。
しかし、何度もセッションを
繰り返すうちに、
私はあることに気づいた。
どんな言葉を使えば、
カウンセラーの先生から
自分の話を一時中断させられるか?
が分かってきたのだ。
その言葉というのは、
自分自身を悪く
表現するものだった。
「自分は情けない」とか、
「自分にはできない」とか、
「自分はダメだ」とか、
「自分は醜いから」とか、
傍から聞けば、
自分を虐めるような酷い言葉だった。
実は、私はカウンセリングに
定期的に通う以前から、
言葉の大切さを
色々な人たちのトークで
聞いてきた。
自分が聞いて
不快になるような言葉は
発しない方がいいと
分かっていたつもりだ。
それなのに、私は
知らず知らずのうちに、
自分に対して意地悪い言葉を
次から次へと投げかけていた。
自分でそうしていることを
全く自覚していなかった。
私は自分に対して
気分が悪くなるような言葉、
自分を落ち込ませるような
ネガティブなことを
沢山言っていたのに、
セッションの中で
先生に言われるまで、
自分の言葉の癖に
気づけなかったのだ。
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最初は1~2カ月だけ
行くつもりのカウンセリングも
気がつけば、1年半くらい
定期的に通っていた。
そうするうちに
私は自分の発する言葉が
徐々に変わってきた
と自覚するようになった。
どう変わったのかは、
自分に対して悪い表現を
あまりしなくなったということ。
だからと言って、
「自分はスゴイ!」とか、
「自分は立派だ」というような
褒め言葉を話すように
なったわけではない。
単に自分が聞いていて
不快に思うような嫌な言葉を
言わなくなったのだ。
もうそのようになってから
6年くらいの月日が経つが、
その後、私はジワジワと
自分の感じ方や
見える現実が変わってきた
と実感している。
具体的にどう変わったのか?
それは、
自分の近くから
自分のことを虐める人が
消えたことだ。
自分に対して酷い言葉を使い
自分自身を虐めていたころには、
私は他人からも
馬鹿にされたり、軽く見られて、
酷い扱いを受けることも多かった。
しかし、自分が自分に
嫌がらせをするような言葉を
発しなくなって以来、
私は自分の近くに
意地悪してくる人が
少なくなったと感じている。
自分をダメだと否定して
卑下するような言葉がけを
していたころには、
私は自分のあら探しや
悪いところ探しばかりをしていた。
そして、
「だから自分はダメなんだ」
と嘆いて、自分のことを
ずっと責め続けてきた。
自分で自分を虐めて
苦しめ、不愉快な気持ちにさせ、
劣等感で悩んで、
情けなさで生きるのもツラかった。
しかし、自分の言葉に注意して、
意図して自分を虐める言葉を
やめて以来、
そのようなネガティブ感情に
襲われることもなくなった。
以前繰り返し
何度もやっていた
「自分責めすること」も
どんどん減ってきたのだ。
自分を責めなくなれば、
落ち込むことも
不愉快になることもない。
だから、自分の機嫌も
ずっと良いものになる。
すると、以前の感じ方とは
全然違う感じ方になる。
気分がラクになり、
軽やかな気持ちで
「人生そんなに
悪い事ばかりではない」
と思えるようになった。
そういう気持ちで
生活していれば、
ポジティブな気分になることも
今まで以上に頻繁に起きる。
以前自分が見ていた現実と
今の自分が見る現実が
全く違ったものにまで
感じられるのだ。
言葉で説明するのは難しいが、
このことを体感すると、
「自分自身の心の内が
自分の現実を創り上げる」
ということが腑に落ちた。
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私がこの経験を通して
学んだことは次の通りだ。
自分の悪口を平気で
垂れ流していれば、
そのことを自分自身が
全部聞いている。
そんな言葉を常に
自分自身に投げかけていれば、
本当に自分は情けない存在だ
と心底思うようになる。
そして、そう思い込めば、
そのように振る舞ったり、
他人に接したりしてしまうのだ。
その結果、他人も
自分のことを情けないダメな人
のように扱ってくれる。
すると余計、
自分は人から馬鹿にされたように
感じて、どんどん自己イメージが
下がってゆく。
私の今回の経験で
一番怖いと感じたのは、
自分虐めの言葉を
ずっと発し続けていても、
自分がそうしていることを
気づいていないことだ。
実際に、言霊の力の話を聞き、
自分では言葉の持つ威力を
理解していたつもりでも、
私の理解は表面的で
とても浅いレベルだった。
本当の意味で
身をもってそのことが
分かっていなかったので、
自分でも知らず知らずのうちに、
平気で自分虐めの言葉を
連発していた。
カウンセラーのお陰で、
自分がそうしていることを
自覚させて貰い、
本当に良かったと有難く思う。
その後、
多少時間はかかったけれど、
自分虐めの言葉を
口から発することを
随分減らすことができた。
自分を悪く言う癖が
なくなっていくうちに、
私は自分に対して
感じ方が全然違ってきた。
自分を否定しないので、
結果的に私は以前よりも
ずっと自信を持ち
堂々と振る舞っているのだろう。
そのお陰で、
私は嫌がらせをする人に
出会うこともほぼなくなった。
馬鹿にされたり、
軽く見られたりする
と思ったこともあまりない。
自分を否定したり、
情けないと思わないので、
自分責めをすることも
すっかりなくなった。
すると自分の気持ちは
解放されて、ラクな気持ちで
活き活きと生活できる。
そして、今までとは
全く違う現実を
見ているように感じる。
そうなれたのは
自分を虐める言葉を
意図してやめたお陰だ。
自分を悪く言い、
自分を虐めて、責める癖は
自覚しないでやり続けるから
本当に怖い!
でも、これに気づけてからは、
最初は意図して
自分に悪い言葉がけをしないよう
意識して努めてみた。
そうするうちに、
徐々に慣れてきて、
今では自分を否定する言葉を
ほぼ言わなくなっている。
言葉の力が
自分自身のイメージを変え、
自己イメージが変わったから、
実際の振る舞い方や
他人との接し方も変わった
と考える。
そのお陰で、
自分が経験することも
心地よいものが多くなり、
結果的には
自分の現実が良い方向へ
変わってきた。
そうなれたのは
自分が口から発する「言葉」
を変えたからだ。
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もし、あなたも
今見ている現実が
しっくりこないのなら、
一度、確認してみるといい。
自分は自分に対して
どんな言葉がけをしているか?
意図して、
自分が使う言葉に
注意を払うことだ。
自分のことを
悪く言っていないか?
自分が聞いて
落ち込むようなことを
口に出してはいないか?
自分を不愉快にさせるような
言葉を使っていないか?
もし、自覚できれば、
しめたものだ!
単なる言葉として
軽く見ない方がいい。
あなたの発した言葉は
あなた自身に大きな影響を与え、
あなたが見る現実も
全然違ったものにする。
言葉のものすごいパワーに
気づいて、
自分を虐める言葉は
もうやめよう!
やめるだけでも、
すごい変化を経験できる。
これはやってみないと
なかなか分からないこと。
でも、実践すれば、
身をもって実感できる。
ぜひ自分の発する言葉に
気をつけて、
自分を落ち込ませる言葉は
やめよう!