自分に嘘をつき続ければ、
ろくなことが起きない、という話。
自分自身に正直になること
の大切さをお話したい。
自分自身に嘘をつき続ければ、
どんな望ましくないことが
起き得るか?
それは、
1)しっくりこない感が増してきて、
メンタル的に病みやすくなること。
2)自分に自信が持てなくなること。
なぜ、そうなるのか?
説明したい。
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まず最初に
「自分に嘘をつくこと」は
具体的には、どんなことか?
たとえば、本当は悲しいのに、
「弱音を吐くのは良くないから」
と思い、
悲しい気持ちを抑えつけて、
悲しくないことにしてしまうこと。
はらわたが煮えくり返るほど
怒っているのに、
「そんなことで腹を立てるのは
大人気ないから」と
自分に言い聞かせて、
怒りの気持ちを否定して
なかったことにすること。
本心では妬ましいのに、
「そんなことはない」と強気を装い、
妬みからは目をそらせ、
完全に無視しようとすること。
自分の内から
自然と沸いてきた感情なのに、
「ネガティブなものだから」
と忌み嫌い、
抑えつけたり、
見ないようにしたり、
なかったことにしたりして、
自分の正直な気持ちを
受け入れないこと。
これが自分に対して
嘘をつくということだ。
自分に嘘をついても、
他人には迷惑にならないから、
全然、問題ない
と考える人もいる。
ポジティブ思考で生きるために、
そのようにするのだから、
むしろ、好ましいことだ
と考える人もいる。
しかし、長い間、
自分にずっと嘘をつき続ければ、
そのうち、つけが回ってきて、
ジワジワと良くない現象を
見ることも頻繁に起きる。
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良くない現象の一つ目は、
「心がなんとなく
晴れ晴れしないこと」。
なんだかしっくりこなくて、
メンタル的に陰ってくること。
酷くなれば、心の健康を
損なうこともある。
この現象は、ポジティブなことを
過大評価して、
「明るく行こう! 前向きで行こう!
軽やかに生きよう!」
と不自然なほど
元気に振る舞う人によく見られる。
「ネガティブは良くなくて、
ポジティブは素晴らしいから」と言い、
自分の中にあるネガティブを
完全に否定して、
見ないように努めている。
しかし、
「ポジティブ思考万歳!」と
叫んでいる時にはよくても、
ちょっとしたきっかけで
突然、ネガティブ感情に
強く襲われ、
ドカーンとネガティブに
落ちてしまう。
ポジティブを必要以上に
称賛する人たちは、
表面上はポジティブの仮面を
被っていても、
自分の心の奥底に
大きなネガティブを抱えている。
自分の内にあるネガティブの量が
多ければ多いほど、
もっともっとポジティブになろう
と一生懸命、頑張ってしまう。
振り子の揺れ幅のように、
ポジティブ方向へ
大きく動けば、
そのうち、ネガティブ方向へも
同じだけ大きく動く。
ずっとポジティブで
居続けることは続かない。
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一生懸命頑張っているのに
なぜ、ポジティブを
維持できないのか?
その理由は、目指すところが
不自然であり、
無理があるからだ。
私たちが住む世界は、
プラスもあれば、マイナスもある。
ポジティブもあれば、
ネガティブもある。
明るい部分もある一方で、
暗い闇の部分も存在する。
これがこの世の常であるのに、
そのことを受け入れていない。
「ポジティブしかない」
と頑張ることは、
自然に逆らうことと同じだ。
自然に逆らっても、
何も良いことは起きない。
無理があり、不自然なので、
苦しくなってしまうだけだ。
嫌な出来事があった時、
ネガティブで見苦しいから、
見ないようにしよう、
考えないようにしよう、
と頑張れば頑張るほど、
逆効果になってしまう。
忘れようとすればするほど
余計、頭に焼き付いて、
忘れられなくなる。
見ないようにすればするほど、
自分の気持ちに逆らって、
見てしまうもの。
考えないように
頑張れば頑張るほど、その思考は
いつまでも自分に付きまとう。
これが人間の心理だ。
こういう努力に
時間と労力を費やしても、
残念ながら、
上手く行くことはなく、
自分を疲労困憊させるだけだ。
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自分に嘘をつき続けた結果、
起き得る望ましくないことの
2つ目は、
自分に自信が持てなくなる
ということ。
通常、「自信がある」
という時には、
勉強が良くできたり、
スポーツ万能だったり、
周囲の人と違って
飛びぬけた才能があるから、
自信が持てる、と思われがち。
現に、自信がない人が、
「自分もできるようになって、
自信をつけたい!」
と望むこともしばしばだ。
しかし、
そういう自信よりも、もっと基本的で、
大切な「自信」がある。
「自信」というのは、
自らを信じること。
自分自身を
信じることができる
という意味だ。
もし、自分が自分に
嘘をつき続けていたら、
自分のことを
信じられるだろうか?
楽しくないのに、
楽しいことにしてしまったり、
本当は納得行かないのに、
無理に正当化して、
そうだと思うようにしたり……。
もちろん、他人に対しては、
社会生活を上手く回すために、
時には嘘を言った方が
良い場合もある。
人を傷つけないように
正直な気持ちを言わないことも
珍しくない。
それはそれで
問題ないが、
自分自身の中では、
自分の気持ちには
正直になった方が、
自分の自分に対する
信頼度が上がる。
自分は嘘をつかないから、
自分を信じることができる。
自分を信じられれば、
本心では自分は何を好み、
どんなことがしたいのか?
がはっきり分かる。
もしも、長年、
自分に嘘をつき続けたら、
だんだん自分自身の
気持ちも曖昧になってゆき、
自分は本当に何をしたいのか?
どんなことを望んでいるのか?
それすら分からなく
なることもある。
その結果、自分自身を
見失ってしまう。
本来の自分の意思、
自分の進むべき道も見えなくなり、
間違った方向へ
進んで行く羽目になる。
そうなれば、
自分自身も「自信」を失う。
自分に嘘をつき続けた結果、
短期的には何も起きなくても、
長期的視点では、
自分が本来行くべき方向を
間違えて、
しっくりこない人生となり、
徐々に自信を失ってゆく。
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どんなに醜いことでも、
どんなに体裁が悪いことでも、
どんなに恥ずかしいことでも、
自分自身には
嘘をつかない方がいい。
自分の心の中では
正直に感じることを
否定することなく、
そのまま
受け入れてあげた方が、
結果的には
自分の心の健康も
保ちやすくなり、
心の平安を得ることもできる。
この世の中には、
ポジティブもあれば、
ネガティブもある。
明るい光もあれば、
暗い闇の部分もある。
それが自然な状態だ。
自然な状態に
逆らわないことは、
無理がない分、
不必要に苦しむこともない。
ポジティブなことも
今まで通り歓迎すればいい。
しかし、ネガティブに
陥った時には、
そのまま、ネガティブなことも
受け入れることだ。
自分の気持ちに
嘘はつかないで、
感じるままに、感じてよい
と自分に許可を出すといい。
すると、自然と自分が進む道も
見えてきて、
その道に沿って
歩いているうちに、
ジワジワと幸せを
感じられるようになる。
自分の内で
揺るぎないものを
感じられて、
他人が言うことに
心を惑わされなくなる。
この状態こそが
「自信があること」。
こうなれれば、
日々起きる小さなことに、
心が揺さぶられることも
少なくなる。
自分の気持ちに正直になり、
どんなことでも
受け入れてあげれば、
長期的には、
心の平安も得られて、
幸せを感じやすくなるものだ。
そのためには、
自分には嘘をつくのはやめよう。
自分の中では
いつも正直な気持ちでいよう!