ブログを始めた理由

現在私は50代半ば。ニュージーランド北島に住んでおり、日本には20年以上も帰っていない。長い間里帰りしない理由は、実親との険悪な人間関係にある。親子関係の不和が始まったのは、私が小学校高学年のとき、ある事件に巻き込まれて以来、メンタルを酷く病んでしまってからだ。

「子供時代からのメンタル疾患」「険悪な親子関係」「海外移住」は私の人生において、大きな課題となっている。このブログでは、これら3つをテーマに、私の心のジャーニーを綴ってみようと思う。

インターネットの普及により、今では誰でも簡単に情報発信できる時代になった。私は様々な人たちのブログやユーチューブ動画を拝見して楽しんでいる。私にとって一番興味深いものは、自己啓発系やスピリチュアル系のトークだ。色々な方々の情報発信を日々観ていて、「いつか、私も彼らのように自分から情報発信してみたい」と思うようになった。

でも、私は小学生の頃から国語が大の苦手で、国語の成績は5段階評価で「2」だった。人生の長い間、本を読むことも、文章を書くことも、人前で話すことも極力避けて生きてきた。そんな私が50歳を過ぎてから、アウトプットの重要性を急に感じるようになったのは、精神科医・樺沢紫苑先生の本やユーチューブ動画の影響が大きい。

それまで私はインプット中心の学習しかしてこなかった。でも、どんなに知識を詰め込んでも、アウトプットしなければ何も意味がない、と思うようになった。樺沢先生のアドバイス通り、数年前から日記をつけている。ただ、自分の心の内にはリッチな思考があるのに、それを言葉で適切に表現するのは難しいと感じている。今まで、本を読んだり、文章を書くことを避けてきたので、しっぺ返しを食らっているのだろう。

多くのブロガーやユーチューバーのように、私も自分でアウトプットして情報発信してみたいと思いながらも、今の自分にはそんなスキルはないと思った。「しばらく日記を書き続けて、文章力を磨いてからにしよう。老後を迎える頃には、自分が言いたいことも文章で表現できるかも? そうなってから情報発信を始めてもいいかな?」 と漠然と考えていた。

2020年3月末、私の住むニュージーランドでは「ロックダウン」が始まった。新型コロナウイルス感染防止策として、政府は「外出禁止令」を発令した。食料の買い出し、医療機関での受診、野外のエクササイズは許可されたが、それ以外は一日中自宅にこもり、同居人以外とは会えない生活が始まった。当時、職を失ったばかりの私は、就職活動をしていたが、このような状況下では、新たに人を雇う企業・組織も少なく、ロックダウン中は職探しを断念することにした。

「どうしよう、これからしばらく、何をすればいいのか?」やることがなくなった私は、ボ~としながら自宅の居間でお茶を飲んでいた。そのとき、思いついたのが、老後にやろうと考えていた自分からの情報発信だ。

毎朝日記をつけて、文章書きのスキルを磨いてから、自分から情報発信をしようと思っていた。完璧な文章が書けるようになってから、それを実践しようと考えていた。でも、冷静に考えれば、私はもう50代半ばだ。完璧になるのを待っていたら、一生、自分の方から情報発信することはないと思えた。

それならば、勇気を出して、つたない文章でもいいから、今自分が書けることを書いてみようという気になった。立派な文章を書こうとすれば、何も書けなくなってしまう。意気込むことなく、自分が自然に書ける形で、とにかく挑戦してみる方がよいと思ったのだ。

正直言って、自分のメンタル疾患をネット上で曝け出すのは、かなり勇気が要ることだ。でも、だからと言って、一生何も言うことなく隠し続けるのも嫌だと思った。メンタル疾患について考えることはたくさんある。だから、思い切ってブログを立ち上げ、自分から情報発信してみようと決めた。