この記事では、心が疲れていて
元気がないときには、
避けるべきことについてお話しします。
仕事の忙しさに追われ
十分な睡眠が取れずにいるとき、
心を揺さぶる出来事が起きて
気持ちが沈んでいるとき、
疲労が蓄積していて元気が湧かないとき、
やってはいけないことがあります。
それは、「重大な決断を下すこと」です。
このことは普段は
当たり前のように思えますが、
心が疲れているときには、
ついついやってしまうこともあります。
そのため、日頃からこのことを
意識しておくことが重要です。
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不調なときに大きな決断を避けるべき理由
不調なときには
なぜ重要な決断を
避けるべきなのでしょうか?
その理由は、不調のときには
私たちの視野は狭まり、
物事を客観視できなくなるからです。
当然ながら、適切な判断を
下すことも難しいでしょう。
私たち人間は、
その時々の体調によって、
能力や判断力が大きく変動します。
毎晩質の良い睡眠を取っていて、
体調も絶好調のときには、
エネルギーに満ち溢れ、
仕事や勉強にも集中でき、
物事を効率良くこなせます。
しかし、同一人物であっても、
寝不足で体調がすぐれず
エネルギーが低下している場合、
通常は犯さないようなミスをしたり、
仕事や勉強に効率よく
取り組むことができず、
イライラしたり、投げやりな気持ちに
なりがちです。
絶好調なときと不調なときとを
比較すれば、同じ人間であっても
能力には大きな違いがあるのです。
また、現実を見る視点にも
影響を及ぼします。
調子が良ければ、
物事の良い面も悪い面も、
長所も短所も、ポジティブなことも
ネガティブなことも、
公平に見やすくなります。
つまり、より広い視野で
物事を捉えることが可能です。
しかし、
体調がすぐれないときには、
悪いことやネガティブな側面に
目が行きがちで、
実際には利点や長所があったとしても、
それらがネガティブな面に覆い隠され、
見えなくなってしまいます。
視野が狭まり、
「悪いことばかりだ」と
嘆くことも多いのです。
狭く偏った視野のときには、
諦めたり、投げやりになったりして、
これまで築き上げてきたことさえも、
「うまくいかないからやめてしまおう」
と思うことも少なくありません。
そうして、諦めてしまう決断を
下すこともあるのです。
しかし、体調不良は
永遠に続くわけではありません。
時間が経てば元気を取り戻し、
エネルギーが再び充電され、
元の生活に戻れば、
「あのとき、どうして
やめてしまったのだろう?
もっと冷静に考えればよかった」と、
不調のときに下した決断を
後悔することになるでしょう。
小さな決断であれば、
それほど問題にはなりませんが、
人生を大きく左右するような決断であれば、
後悔の度合いも大きくなるでしょう。
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今まで積み上げてきたものを諦めてしまった知人の話
私の知人についての話をしましょう。
彼は熱心に努力を重ねる人で、
外資系企業で活躍し、
その成果が認められて
重要な役職に就けるまでになりました。
しかし、昇進した直後に体調を崩し、
しばらくの間、
仕事を離れざるを得なくなりました。
休職中、彼は自分自身に失望し、
「なぜ自分はこのようになってしまったのか、
自分は本当にどうしようもない人間だ」
と自己批判を始めました。
そして、気づけば、
会社を辞めるという決意に至り、
辞表を提出してしまったのです。
これは会社から
要求されたわけではなく、
彼自身の一方的な決断でした。
3ヶ月後、彼は健康を取り戻し、
別の会社に再就職して
社会復帰しましたが、彼が感じたのは
「辞めなければよかった」という後悔でした。
体調不良のときに下した決断を
悔やんでいたのです。
現在の彼の勤め先は
以前よりも給与が低く、
研修のサポートも少ないため、
彼自身の費用で自己研鑽をしなければ
ならなくなってしまいました。
彼が退職を決めた当時、
会社は彼の体調不良を
受け入れてくれていました。
にもかかわらず、彼は
「この状態ではもう職場に戻れない」
と勝手に決めてしまいました。
休職していた期間に
会社に迷惑をかけたことは事実ですが、
それ以前に彼は会社に
大きく貢献していました。
そのため、会社側も
彼が一日も早く
健康を取り戻して戻ってくることを
願っていたのです。
メンタルが不調なときには、
そうしたポジティブな側面が見えなくなり、
偏った視点から
誤った決断を下しやすくなります。
身体が回復し、物事を広い視野で
見ることができるようになったとき、
彼は自分が適切な判断ができず、
後で後悔するような決断を
していたことに気づかされました。
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大きな決断はエネルギーが戻るまで待とう!
体調がすぐれないのは
多くの人が経験することです。
睡眠不足が続いたり、
体が疲れを感じたりすることも
普通にあるでしょう。
エネルギーが落ち込み、
やる気が湧かないときも
あるでしょう。
そんなとき、
大事な決断があるのなら、
その決断を少しだけ
先延ばしにすることをお勧めします。
十分な睡眠をとり、身体の疲れが癒え、
エネルギーレベルが回復して、
生活に張りが出てから、
大きな決断を下すほうが賢明です。
自分の長所も短所も、
ネガティブな面もポジティブな面も、
全てを考慮に入れて
広い視野で考えることが
できるようになってから、決断することで、
より適切な選択が可能になります。
自分が重要な決断を
しようとしている際には、
「今、自分は疲れていないか?」
「本当に広い視野で、
正しい判断ができているか?」と
自分自身に問いかけてみましょう。
後悔を避けるためにも、
心身のエネルギーが低下しているときは、
人生を左右するような重大な決断は、
エネルギーが戻るまで
待つようにしましょう!