自分の癖に
悩んでいる方はいませんか?
髪をいじる、大股で歩く、ペンを回す、
首を傾けるなど、
癖の種類は本当にさまざまです。
癖が気になり、
直そうと努力したにもかかわらず
うまく行かなかったかもしれません。
では、嫌な癖を克服するためには
どうしたらよいのでしょうか?
この記事では、
良い解決策をお話ししましょう。
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癖を許すことが鍵
結論から申し上げますと、
「その癖がある自分を許すこと」
が重要です。
「それでは癖は直らないのでは?」
と思う方もいるかもしれませんが、
ここには大切なポイントがあります。
まずはこの話をお聞きください。
実際のところ、
嫌な癖を無理に直そうとするよりも、
「まあ、いいか。その癖があっても」
と自分に許可を出すほうが効果的です。
そうすることで、
これまで気になっていた癖が
意外と気にならなくなるものです。
自分の癖を嫌い、
それを受け入れられないままでいると、
癖に対して過剰に意識してしまい、
ますます悩まされてしまうでしょう。
でも、「そんな癖も自分の一部」
と軽く受け止めると、
不思議と癖が気にならなくなり、
いつの間にか
自然と消えてしまうことさえあるのです。
では、なぜそのようなことが
起こるのでしょうか?
その理由をお教えしましょう。
この現象は、
誰にでも起こり得ることです。
人の認知には、
注意を向けたものが大きく感じられ、
それ以外のものが見えにくくなる
という特徴があります。
この認知の原理を理解すれば、
「なるほど」と納得できるでしょう。
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意識を向けると大きく見える
昆虫採集をして
虫眼鏡を使って虫を観察すると、
虫が大きく見え、
細部までくっきりと確認できるでしょう。
しかし、
その虫眼鏡の範囲外にあるものは、
近くにあっても
ぼんやりとして見えにくくなります。
同じように、
特定の対象に意識を集中すると、
その対象が
実際よりも大きく見えるものです。
一方で、
集中していないものは見えにくくなり、
目の前にあっても
気づかないことさえあるのです。
私たちの周りでは、
常にさまざまなことが起きており、
多くのものに囲まれて生活しています。
しかし、私たちはそのすべてを
完全に認識しているわけではありません。
実際には、目の前にあるのに
気づかないことも
珍しくないのです。
私たちが認識しているのは、
周囲に存在するものの
ほんの一部にすぎません。
意識を向けたものは
実際よりも大きく見え、
それ以外のものは小さく感じられたり、
ときには完全に
見えなくなることさえあるのです。
見えなくなったものは
実際に消えたわけではありません。
それらは依然として
そこに存在していますが、
意識の焦点から外れると、
まるで消えたかのように感じるのです。
これは、
意識を集中した対象だけが
膨れ上がって、
それ以外のものが
隠されてしまうためです。
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直そうと頑張るほど、癖に意識が向いてしまう
なぜこの認知の原理が
嫌な癖と関係しているのでしょうか?
それは、私たちがその癖を嫌い、
何とかして直そうとすると、
自然と意識が
その癖に集中してしまうからです。
「もう嫌だ!
どうにかしてなくしたい!」と思うほど、
その癖に対する意識はますます強まり、
結果として嫌悪感がさらに増幅されます。
意識の焦点が癖に当たることで、
問題が実際よりも大きく感じられ、
不快感と悩みが深まってしまうのです。
残念ながら、このような状態では、
嫌な癖から解放されるのは
難しいでしょう。
癖に対する過剰な執着が
さらなる苦痛を引き起こし、
その執着が強いほど、
状況は改善するどころか、
かえって悪化してしまうのです。
反対に、「まあ、いいか。
これも自分の一部だから」
と癖を受け入れる気持ちを持つと、
自然とその癖への意識が薄れ始めます。
すると、仕事や日々の活動、
他のことに意識が向き、
癖があっても
それほど気にならなくなります。
さらに、
何か別のことに集中しているうちに、
その癖が消えたように
感じられることさえあるのです。
この場合、癖そのものが
消えたわけではありませんが、
意識が癖から離れたことで、
まるで癖がなくなったかのように
感じられるのです。
執着を手放すことで、
癖に伴う苦痛からも
解放されるでしょう。
最終的に重要なのは、
癖そのものをなくすことよりも、
癖に悩まないことではないでしょうか?
癖への執着を手放すことで、
悩みが減り、
心が穏やかになるでしょう。
もちろん、
その癖が他人に迷惑をかけたり、
自分の健康に悪影響を与えている場合は、
改善する必要があるでしょう。
しかし、そうでない場合は、
必死になって癖をなくそうとするよりも、
自分の意識を変え、
その問題から解放される道を選んでも
よいのではないでしょうか?
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気にしなくなったら自然と直った!
かつて、こんな人がいました。
誰かと話すときに、無意識に
自分の髪の毛を触る癖があり、
本人はそれを恥ずかしく感じていました。
癖を直そうと努力しましたが、
なかなか思うようにいきませんでした。
ところが、あるとき
家族に大きな問題が起き、
そのことで頭がいっぱいになり、
癖を気にする余裕がなくなったのです。
数年後、その人に再会した際、
以前のように髪の毛を触ることは
なくなっていました。
彼女によれば、
癖を直そうと試みた時期はあったものの、
家族の問題が優先されたために
癖への意識が
自然と薄れていったとのことです。
興味深いのは、
癖を気にしなくなったことで、
その癖が
自然と減っていったという点です。
今でもたまに
髪の毛を触ることはあるそうですが、
以前ほど
気にならなくなったと言います。
「直そう、直そう」と焦るよりも、
意識を別のことに向けた結果、
癖が減少したのです。
この出来事は、癖への意識を
手放すことで得られる効果を
示していると言えるでしょう。
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おわりに
この記事では、
嫌な癖を克服するための
効果的な方法として、
「その癖がある自分を許す」という考え方を
お伝えしました。
つまり、その癖を
自分の一部として受け入れることです。
この方法が有効なのは、
人間の認知の特徴によるものです。
人は意識を向けたものを
実際より大きく感じ、
逆に意識が向かないものは
小さく感じたり、
見えなくなることもあるのです。
癖を取り除こうと頑張れば頑張るほど、
意識は自然とその癖に集中してしまい、
結果としてその癖が実際以上に
大きく感じられることがあります。
一方で、「まあ、いいか」
と癖を気にしなくなると、
意識が離れるため
癖の存在が小さく見えたり、
場合によってはなくなった
と感じられることさえあります。
そのため、
無理に癖に意識を向けないほうが
得策と言えるでしょう。
自分では悩んでいる癖も、
客観的に見れば、
大きな問題ではないことが多いものです。
他人に迷惑をかけたり、
自分の健康に悪影響を与えるものでない限り、
無理に癖をなくそうとしなくても
よいのではないでしょうか?
その癖も自分の一部と受け入れ、
「これでいい」と
自分自身にOKを出してあげましょう。
そうすれば、
徐々に癖への意識が薄れ、
いずれ気にならなくなる日が
訪れるでしょう。
その癖を受け入れることで、
もっと楽になれるはずです。
試してみる価値はありますよ。