「マイナス思考から
抜け出したい!」と
強く願う人はいないだろうか?
社会一般では
「プラス思考」「ポジティブ思考」
が高く評価されているため、
物事を肯定的に
考えられない自分は
悪い人間だ! とまで
感じる人もいる。
だから、マイナス思考から
抜け出るために、
必死になって頑張っている。
しかし、どんなに努力しても、
やはり悲観的に
物事を捉えてしまう自分がいる。
そんな自分は
情けない人なのか?
どうすれば、マイナス思考と
オサラバできるのだろうか?
今回は、それについての話。
結論を先に言えば、
マイナス思考でも、
全然構わない。
つまり、マイナス思考と
サヨナラしなくてもいい
ということだ。
ただし、
マイナス思考をする自分を
否定しない方がいい。
ポジティブになれない自分を
悪いものだと考えず、
ネガティブな自分を
そのまま受け入れて、
肯定してあげること。
これさえできれば、
あなたのネガティブは、
一気にポジティブに跳ね上がる。
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ネガティブであることは、
もともと人間の本能だ。
私たち人間が
生き延びるためには、
危険を察知する必要がある。
ネガティブになることなく、
すべてを楽観的に考え、
のほほ~んと暮らしていれば、
いざ猛獣に襲われても、
逃げることは不可能だ。
襲われそうな空気があれば、
それなりの準備をして、
備えておいた方が、
生き延びる確率も高くなる。
「~になったら、どうしようか?」
「最悪な事態が起きたら、
どのように対処しようか?」など、
悪い時のことを考えるのは、
とても意義あること。
ネガティブに考えられるから、
最悪の事態も
上手く乗り切れる。
能天気で「そんなことない!」と
楽観的に構えて、
何もしないより、ずっとマシだ。
そう考えれば、
ネガティブは悪いものではなく、
望ましいものだと言える。
ネガティブなのは、
ある意味、人間らしく
生きているという証拠だ。
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ネガティブは
私たちが生きる世界の
一部でもある。
だから、
無理に廃除しようとするのは、
不自然なこと。
どんなに頑張って
ネガティブをなくそうとしても、
そんなことはできない。
なぜなら、この世は
ネガティブとポジティブの
両方で成り立っているから。
光の部分もあれば、
闇の部分もある。
プラスもあれば、
マイナスもある。
ポジティブもあれば、
ネガティブもある。
この世界は、2つの対極のものが
グルグルと回って、
バランスを取りながら
作られている。
時にはネガティブの量が
かなり多くて、
ポジティブがないように
感じることもある。
でも、それは、世界全体の
ほんの一部分しか見ていないから。
確かにそこはその瞬間、
ネガティブで満たされている
かもしれない。
しかし、その場所から目を逸らし、
別の場所を見てみれば、
あれあれ、そこにはポジティブが
いっぱいあるではないか!
と驚くこともある。
全体的に見れば、
ポジティブの量も、
ネガティブの量も
同じだけ存在するのだ。
一人の人間を取り上げても、
楽しい気持ちで
明るく生活できる日もあれば、
気持ちが落ち込み、
どんよりとして、
やる気が出ない日もある。
同じ人間でも、浮き沈みがあり、
その時々でポジティブになったり、
ネガティブになったりするものだ。
ポジティブだけを
良いものだと肯定し、
ネガティブを全否定するのは、
自然の摂理に逆らう行為だ。
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マイナス思考で
物事を悲観的に捉える人は、
それなりに事情があるから、
しょうがない。
今までの人生で
世の中や人間の悪い側面ばかりを
見せられてきたせいで、
そのようになってしまった。
そんな人が無理にポジティブを装い、
頑張ったところで、
上手く行くわけがない。
マイナス思考は、マイナス思考で
そのままで全然構わないのだ。
周りの人に
「もっと楽観的になったら?」とか、
「どうして、そんなに
悲観的にしか考えられないの?」
と言われても、気にする必要はない。
なぜなら、
楽観的になれないのも、
悲観的にしか考えられないのも、
道理にかなっている部分があるから。
悪く考えることにより、
100%悪い方向へ導かれる
ということでもないから。
マイナス思考の中でも、
自分の役に立つ部分も
必ず存在するから、そのままでよい。
無理して変える必要はないのだ。
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しかし、
やらない方がいいことはある。
それは、マイナス思考の自分を
否定して、自分を責めること。
これだけは
やめた方が賢明だ。
自己否定をして、
自尊心を傷つけても、
何も良いことは起きないから。
自分を情けなく思っても、
自分は幸せには
なれないからだ。
マイナス思考がいけない
一番の理由は、
悲観的でマイナスに
物事を捉える自分を否定して、
自分責めをしてしまうこと。
これが大きな問題であり、
これさえなくせば、
マイナス思考でも、
どうってことない。
自覚はないだろうが、
自分を情けなく思ったり、
自分をいけない人だと非難して
自分責めをすることは、
けっこうな心的エネルギーを
すり減らす行為。
人の時間やエネルギーは
無限ではない。
限られた時間やエネルギーしか
ないのだから、
自分のリソースを、
意義あることに使わないと
勿体ない!
自己否定をして、情けなくなって、
嫌な気持ちになることに、
心的エネルギーを浪費しても、
その見返りに良いものは期待できない。
せいぜい、気分が悪くなり、
疲れ果ててしまうだけだ。
そんなことに
労力を費やしても、しょうがない。
どんな状況に置かれても、
自己否定をして、
自分を責めることだけは
やめた方がいい。
自分を責めるのに
時間を使わないで!
その代わり、どんな自分でも
肯定してあげることだ。
自分を肯定できれば、
気持ちも落ち着いて、
良い気分になれるから。
気分爽快までは行かなくても、
嫌な気持ちになることを
防ぐことは可能だ。
自分で自分を責めて虐めて、
勝手にネガティブ感情に襲われて、
貴重な時間や心的エネルギーを
不必要に外に漏らしてしまうのは、
ツマラナイと思わないか?
実は、私自身が
そんなことをずっとやってきた。
50年以上も、
ずっとずっとやり続けてきた。
でも、はっきり言いたい!
そんなことをしても、
何も得することはなかった!
マイナス思考の自分でも
いいんだよ!と
自分自身を肯定してあげてから、
要らぬものに
労力を取られることもなくなった。
自分を肯定することで、
無駄な時間やエネルギーを
使わなくなったということ。
すると、不思議なことに
元気が出てきた!
クヨクヨと悩んでいる時間や
情けないな~と感じることで、
疲れ果ててしまうこともないから、
何か他のことをしよう
と余裕が出てくるのだ。
あり余った時間やエネルギーで、
自分を心地よくしてくれるものに
専念するようになってから、
「ああ気分がいいな!」
「幸せだな」と感じられる時間が
以前よりもずっと多くなった。
そして、こういう気持ちを
幾度も経験するうちに、
「こっちの方がいいな」
と思うようになった。
自分責めをして、
自分を消耗させても、
何も良いことはないと確信した。
そうすることにより、
更に惨めになるだけで
不幸感が増してきて、
ろくなことはなかったから。
そんなことを
繰り返しやっていて、
「勿体なかったな~」
と今ではしみじみ感じている。
そんな私は今でも
立派なマイナス思考の人間。
「それでもいいんだ!」
と自己否定をやめて、
マイナス思考の自分を
肯定してあげれたとき、
なんだか不思議と
一気にポジティブな気持ちが
自分の内から湧き出てきた。
こんな経験をしたから、
私は自信を持って断言できる。
マイナス思考から抜け出し、
マイナス思考で苦しむのを
防ぐには、
ネガティブな自分を
そのまま肯定してあげること。
これが一番効き目がある。
自己否定をやめて、
自分責めをしなくなれば、
不思議なことに
一気にポジティブに跳ね上がる!
だから、自分のネガティブも
大切にしてあげてね!