現代は「ストレス社会」と言われ、
多くの人がストレスと共に生きています。
ストレスへの耐性には個人差があり、
強く立ち向かえる人もいれば、
そうでない人もいます。
特にストレスに弱い人は、
2次的ストレスに苦しむ傾向が強く、
それがさらなるストレスを引き起こす
という悪循環に陥ることも
珍しくありません。
では、2次的ストレスとは
どのようなものなのでしょうか?
そして、それを回避し、
ストレスをうまく乗り越えるためには
どうすればよいのでしょうか?
この記事では、
これらの疑問に答えながら、
ストレスとの上手な向き合い方について
考えてみます。
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捉え方次第で変わるストレス耐性
近年のストレス研究から、
興味深い発見が報告されています。
それは、ストレスに強い人は
「ストレスは悪いものではない」
と捉える傾向があるようです。
一方、ストレスに弱い人は、
ストレスを敵視し、
避けようとする傾向が強いのです。
つまり、ストレスの捉え方が、
その人のストレス耐性を
大きく左右しているということです。
「ストレスは悪いものだ」と信じる人は、
ストレスを否定的に捉えています。
「ストレスは身体に悪影響を及ぼす」
「精神的疾患の原因になりうる」と考え、
あらゆる手段で
ストレスを回避しようと必死です。
こうした考え方は、
結果的にストレスへの耐性を低くし、
かえってストレスに
圧倒されやすくなってしまうのです。
一方で、
「適度なストレスはむしろ好ましい」
と考える人々は、
ストレスを成長の糧として捉えます。
「ストレスがあると気持ちが引き締まる」
「集中力が増し、達成感が得られる」
「適度なストレスは成長の機会になる」
といった肯定的な解釈をして
ストレスを受け入れることをためらいません。
むしろストレスを
人生のエネルギーとして活かし、
より充実した生活を
送っているのでしょう。
このように、
ストレスをどう捉えるかで、
ストレスに対する耐性が
大きく変わることは
とても興味深い点です。
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2次的ストレスとは何か?
ストレスを否定的に捉えることで、
2次的なストレスのリスクが増大し、
それがさらなるストレスの原因
となることがあります。
この悪循環が
過剰なストレスを引き起こすことも
珍しくありません。
では、2次的ストレスとは
具体的にどのようなものなのでしょうか?
何か特定のことに対して
ストレスを感じている状況を
想像してみてください。
このストレスの原因を
「A」としましょう。
Aは最初にストレスを引き起こした
一次的なストレス源です。
もし、
ストレスを否定的なものと
見なさなければ、
Aの問題だけが存在し、
それ以上のストレスを
感じることはないでしょう。
しかし、もし
ストレスを避けるべき悪
と捉えてしまうと、
ストレスそのものが
新たな心配の種となり、
さらなるストレスを生み出します。
これが2次的ストレスの本質です。
つまり、最初のストレス源Aに加え、
「ストレスを感じていることへの不安」
が新たなストレスとなるのです。
その結果、
二重のストレスに
苦しむことになるでしょう。
「悩むことは悪いことだ」と信じている人は、
もともとの問題で悩むだけでなく、
自分が悩んでいるという事実自体が
新たな悩みの種になります。
元の悩みと、
自分が悩んでいるという事実による悩みが、
二重の悩みを生み出すのです。
これは、ストレスに対する
否定的な捉え方によって
2次的なストレスが生じる状況に
よく似ています。
このような2次的な悩みやストレスは、
私たちが想像する以上に
深刻な影響を与えます。
心への負担が増し、最終的には
心身への悪影響が
避けられなくなることもあるのです。
したがって、
ストレスに対する捉え方を見直すことが、
こうした2次的ストレスから
解放される第一歩と言えるでしょう。
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健康オタクが不健康になる理由
ここで一つ、
興味深い話をしましょう。
健康的な食生活や
生活習慣を追求する人が、
「健康のため」と努力するあまり、
逆に不健康になってしまうことがあります。
健康に良いとされる行動を
増やせば増やすほど、
より健康になると考えがちですが、
実際にはそうとは限らないのです。
では、なぜ
このような逆転現象が
起こるのでしょうか?
その理由は、
不健康な要素を過度に恐れ、
避けようとすることで生じるストレスが、
心身の健康を損ねてしまうからです。
健康を追い求めるあまり、
「身体に悪いものは
絶対に食べてはいけない」
「常に良い選択をし、
悪いものを避けなければ」
といった思いに縛られてしまいます。
その結果、常に緊張を抱え、
心も身体も
ストレスにさらされることになります。
「健康のため」という考えが
強く根づいているため、
些細なことでも心配になり、
「さっき食べたものが
良くなかったのではないか」
と不安に駆られることもあります。
完璧な健康生活を目指すあまり、
少しでも目標から外れると、
過剰なストレスや心配を
抱え込むことになるのです。
こうした心配が積み重なり、
結果として心身の健康を
損なうことも少なくありません。
一方で、たまには
身体に良くないとされるジャンクフードを
楽しむ人たちは、
そういった選択をそれほど気にしません。
そのため、健康オタクが抱えがちな
不必要なストレスを感じることが少なく、
心の健康が保たれやすいのです。
心配が少ないことで
精神的な安定が保たれ、その結果、
心身ともに健康を維持できる場合が
多いのです。
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適度なストレスはむしろあったほうがよい
ストレスをすべて悪と捉えると、
些細なストレスにも過剰に反応し、
それを避けようと必死になります。
しかし、
こうしたストレス回避の努力が
かえって新たなストレス、
つまり2次的ストレスを引き起こし、
心身の健康を損なう結果に
つながることもあるのです。
2次的ストレスは
あまり注目されませんが、
私たちの心に
想像以上の負担を与えるものです。
「適度なストレスは有益である」
という認識を持つことで、
ストレスを感じても、
それがさらなるストレスの原因には
なりにくくなるでしょう。
適度なストレスを受け入れられれば、
心身が疲れにくくなり、
日常生活を活動的に
過ごしやすくなるでしょう。
もちろん、極度のストレスは
身体や心に悪影響を及ぼすため、
そのような状態に陥った場合は、
適切な対処が必要です。
しかし、適度なストレスは
むしろ望ましいものであり、
受け入れる姿勢が
心の健康にとっては重要です。
適度なストレスを上手に受け入れ、
2次的ストレスを排除することで、
全体的なストレスレベルを
下げることも可能でしょう。
そのためには、
ストレスを避けるのではなく、
適度なものは受け入れ、
上手に共存する心構えを持つことが
大切です。
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おわりに
この記事では、
ストレスの捉え方次第で
ストレス耐性が変わることを
お伝えしました。
特に、ストレスを悪者と考え、
避けることに必死になる人ほど、
ストレスに弱くなる傾向があること
についても触れました。
ストレスを避けようとすればするほど、
もともとのストレス源だけでなく、
「ストレスを感じていること自体」
に対する不安が新たなストレス、
つまり2次的ストレスを生み出します。
この2次的ストレスは、
私たちの心身に
想像以上の負担をかけるため、
軽視するべきではありません。
もちろん、過度なストレスは
健康に悪影響を及ぼします。
しかし、適度なストレスは
むしろ望ましいものとして
捉えたほうがよいでしょう。
大切なのは、ストレスのバランスを
上手に取ることです。
適度なストレスを
自分の成長の機会と捉えると、
生活に張りが生まれ、集中力が高まり、
質の高いパフォーマンスを
発揮しやすくなります。
ストレスがあることで、
生きがいを感じ、
活動的に過ごすことができるでしょう。
ストレスは必ずしも悪いものではなく、
うまく活用することで
人生を豊かにする力になるのです。
むやみにストレスを敵視するのではなく、
使い方次第で
自分にとって有益なもの
と考える姿勢が大切です。
そうすることで
不要な2次的ストレスを防ぎ、
ストレスを上手に活かしながら、
充実した生活を送れるでしょう。