病気を子供に打ち明けるか否か:親の視点から見たリスクとリワード

今回のテーマは、
自分のメンタル疾患を
子供に話すべきかどうか?
ということについてです。

おそらく、
メンタル疾患を持っている人が、
自分の子供に
病気について話すかどうか、
悩んでいるケースも少なくないでしょう。

この記事は
そのような方々に向けて、
参考になればと思い、
私自身の考えをお伝えします。

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話すべきか? 話さないべきか?

私自身の結論は、
自分や家族の状況、
さらには子供の年齢や精神状態に応じて、
話すべきか否かは
ケースバイケースだと考えます。

そもそも、今回このテーマに
触れようと思ったきっかけは、
この問題についてのトークを
聞いたからです。

そのトークを行ったのは精神科医で、
子供には話さないほうがよい
と述べていました。

その理由は、
子供が親のメンタル疾患を知ると、
自分も同じ病気にかかる可能性が高い
と心配するリスクがあるからです。

確かに、その点は一理あります。

また、子供がまだ年齢が低く、
メンタル疾患についての理解が困難な場合、
不必要に混乱を招く可能性があるため、
話さないほうが無難でしょう。

ただし、私個人としては、
どのケースにおいても
話さないほうが望ましい
とは考えません。

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私自身はどうしたか?

私の体験についてお話しましょう。

私は、自分の子供が小学生だったころ、
自分の病気について説明しました。

その理由は単純です。私の場合、
子供と同じ屋根の下で生活している以上、
自分の病気を完全に隠すことはできない
と感じたからです。

子供たちが小学生のころ、
私のパニック発作が再発しました。

20年以上も発作がなかったため、
すっかり治ったと思っていました。

しかし、ある時点で突如として
発作に見舞われたのです。

その後、しばらくの間、
頻繁に発作に悩まされました。

症状が最もひどいときには、
夜間診療のクリニックに
行くこともありました。

小学生の子供たちは
自宅に残して出かけられないので、
夫が運転する車で、家族全員で
クリニックに向かいました。

クリニックに到着すると、
「今夜は患者が多いので、2時間待ちです」
と言われました。

待合室で15分ほど待っているうちに、
私の体調はかなり安定しました。

2時間も待ちたくない
という気持ちが高まり、
受付に行って「もう大丈夫です、
自宅に戻ります」と言い、
診察を受けずに帰ることもありました。

このような経験をして、
子供たちに自分の病気を
どう隠せるでしょうか?

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子供は大人が考える以上に洞察力が鋭い!

パニック発作のような、
明らかに異常な状態になるわけではなくても、
病気の影響でちょっと変だ
と思われるような行動が、私にはあります。

当然、子供たちも「ママはちょっと変だな」
と感じることがあるでしょう。

子供は大人が考えるよりも
洞察力が鋭く、
けっこう色々なことを
理解しています。

「子供だから分からないだろう」
と考える親もいるかもしれませんが、
私はそうは思いません。

完全に隠せない病気を
無理して隠そうとするより、
正直に話したほうがよい
と私は考えています。

時折、心と言動が一致していない人を
見かけます。

本人は
平然と振る舞っているつもりでも、
外から見れば
心にもないことを言っているのが
明らかです。

そんな人を見て、私は
あまり良い印象を受けません。

明らかに健康でない状態で
「私は病気ではない」
と子供たちに嘘をつくより、
正直に自分の病気について
子供たちに話したほうが、
彼らに不信感を与えないでしょう。

私にとって大切なのは、
子供たちに対して
誠実であることです。

病気があっても、
自分ができる範囲で全力を尽くして
生きる姿を
子供たちに見せることです。

実際に、
私が子供たちに話した結果、
望ましくない影響が出た様子は
全くありませんでした。

今では
子供たちも大学生になりましたが、
一般的な大学生よりも、
メンタルヘルス問題に関して、
彼らはより深い理解がある
と個人的には感じています。

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あなたはどうする?

結論は、自分の状況に応じて、
話すか隠すかを決めるべきです。

私自身は子供に
自分の病気について知らせる
と決断しました。

しかし、それがあなたに必ずしも
適しているわけではありません。

なぜなら、
人それぞれの状況が異なるからです。

話すべきか、話さないべきかは、
自分や家族、さらには子供の状態
によって変わるでしょう。

メンタルの健康は
非常にデリケートな問題だと
私は考えます。

自分の状態、子供の状態、
家族全体の状態を総合的に考慮し、
慎重に判断することが重要です。

考慮すべきポイントとしては、
子供が何かおかしいと感じていたり、
質問してくる場合には、
正直に話したほうがよいでしょう。

また、あなたの病気が家庭環境や
子供に直接影響を及ぼしている場合、
その事情を明らかにすると
理解が深まるでしょう。

人それぞれ価値観は異なりますが、
家庭内で感情や健康状態について
オープンに話せる環境を望むなら、
話したほうが効果的です。

一方で、話すことで子供が
心配したり不安を感じる可能性が
高い場合は、
話さないほうが無難です。

子供の年齢や成熟度が不足していて、
疾患の複雑性を
十分に理解できないと考えられる場合、
子供が理解できる年齢になるまで
待つことが望ましいでしょう。

残念ながら、
メンタルヘルスに対する
誤解や偏見が強い現実もあります。

それが子供に悪影響を及ぼす
可能性がある場合も、
話さないほうがよいでしょう。

自分の病気について
子供に打ち明ける結果、
どういった影響が生じるかを
慎重に考慮して、
自分や子供、家族にとって
最善の選択をすることが一番でしょう。

最後にあなたの幸せを
心からお祈りしています。