セルフカウンセリングとは、
自分一人でカウンセリングのクライアントと
カウンセラーの二役を演じること。
問題を抱えていて解決したい自分が
クライアント役をするのと同時に、
問題解決のアドバイスをする
カウンセラー役も演じることだ。
一般的には、クライアントが座る椅子と
カウンセラーが座る椅子を2つ用意して、
向き合って座れるように配置する。
カウンセラーはクライアントに質問をして、
それに対して、クライアントは答えてゆく。
質問をする時には、カウンセラー側の椅子に座り、
その質問に答える時には、
クライアント側に移動する。
悩んでいて問題解決したい時、
実際に友人に相談するよりも、
自分自身でセルフカウンセリングをしたほうが
より良い結果に繋がることも多い。
それには理由がある。
アドバイスする側も人間なので、
自分の考えや価値観を持つ。
相談された内容に対して、
自分の考え方に基づいて、
主観でアドバイスしてしまう。
でも、主観は歪んでいることが多い。
時には単に自分の価値観を
相手に押し付けてしまうこともある。
残念ながら、そのアドバイスは
相談者の心には響かないこともしばしばだ。
本人は悩んでいて、
その解決方法が分からなくても、
実は、もう既にその答えを
自分の中に持っていることが多い。
ただ、そのことに気づいていないだけだ。
有能なカウンセラーは、自分の意見や考えを
クライアントには押し付けない。
それよりも、クライアントが
自分の中にある答えを引き出せるように
上手く誘導するスキルを持っている。
残念ながらカウンセラーの肩書があっても、
このスキルに長けていない人もいる。
時には、上から目線で、
自分が正しいと信じていることを
単にクライアントに押し付けて
説教してしまうカウンセラーもいる。
有能なカウンセラーにお願いしたくても、
カウンセリングには高額な費用がかかる。
何時でも誰でもカウンセリングを
気軽に受けれるわけでもない。
そう考えれば、
セルフカウンセリングも魅力的なオプションだ。
自分の都合のよい時間に、必要なだけ、
自分のペースで行うことが可能だから。
自分では分からないと思っていても、
自分の中にもう既に答えがある場合も多い。
「なぜ、そうなの?」「どうして?」
と何度も質問を繰り返し、
物事を掘り下げて行けば、
今まで気づいていなかったことに
気づけることもよくあることだ。
具体的にどのように
セルフカウンセリングを進めてゆくか?
幾つか方法はあるが、
今回紹介するのは、「縫いぐるみ」を使う方法。
公認心理師・橋本翔太さんの方法を
参考にさせて頂いた。
使う縫いぐるみは、顔がきちんとあって、
自分がお気に入りとするものが理想的だ。
まずは悩んでいることを
紙に書き出してみることから始まる。
今、自分は何を悩んでいるのか?
何が問題なのか?
選択肢が幾つかあって迷っているのか?
自分としては、どうしたいのか?
どんな風に解決したいか?
どのようになれば、解決したと言えるか?
これらのことを具体的に書き出して、
悩みそのものと、それが解決された状態を
明確にする。
この時の注意点は、
問題を一つだけに限定すること。
幾つか問題がある場合でも、
とりあえずは、今はこの問題に集中する
と決めて、それだけにフォーカスを当てる。
書き終えたら、その紙と一緒に
縫いぐるみを自分が座っていない椅子に置く。
書いた内容がはっきりと見えるように
配置することだ。
そして、自分の中でイメージしてみる。
縫いぐるみが悩んでいて、
今、自分に相談してきたというスタンスで、
縫いぐるみの問題と真剣に向き合ってみる。
どうしたら、縫いぐるみは問題解決できて、
ラクになれるのか?
自分が思うことを声に出して言うこと。
単に心の中で考えるだけではなく、
実際に口に出して話すことがポイントだ。
悩みで苦しむ縫いぐるみに
自分はどうアドバイスしてあげれるだろうか?
縫いぐるみの悩みに真剣に向き合い、
縫いぐるみのために、
何が一番良いのか?一緒に考えてあげる。
これがセルフカウンセリングの基本だ。
実際にやってみれば分かるが、
自分の口から驚くほど
色々なアドバイスが出てくるものだ。
なぜ、そうなのかは、
もう既に自分の中に答えがあるからだ。
ただ、そのことを上手く言語化できなかっただけ。
縫いぐるみに対して、第三者の立場で
アドバイスできるようになったら、
今度は自分自身に質問する練習をするとよい。
「なぜ、そうなのか?」「なぜ、そう考えるのか?」
「それで、あなたはどうしたいのか?」
自分でした質問に、自分で答えてみる。
クライアントとカウンセラーのために
椅子を2つ用意して、
質問する時には、カウンセラー側の椅子に座る。
答える時には、クライアント側の椅子に座る。
一人で二役こなすことだ。
自分自身に聞きたいことを質問して、
そして、自分でその答えを口に出して話す時、
初めて何が問題だったのか?
気づくこともある。
セルフカウンセリングも、
初めてやって直ぐに上手く行く
と期待しないほうがよい。
どんなことでも、
練習して上手にできるようになるまで
時間がかかるものだ。
自分ができる時間に、必要なだけ、
マイペースで焦らずやってゆくとよいだろう。
何かに悩んだ時、下手に他人に相談して、
他人の歪んだ主観を押し付けられ、
モヤモヤした気分になるよりも、
セルフカウンセリングのほうが
ずっと効果的な場合もしばしばだ。
是非、一度試して欲しいオプションだ。
橋本さん、役立つアドバイスを
有難うございました。
参考動画:「悩み解決。問題解決。自分をカウンセリング。ぬいぐるみを使って悩みを自分で掘り下げてみよう」
(ユーチューブ 心理カウンセラー【公認心理師】橋本翔太の人生リノベーション!)