今回は、私が時々経験する
空気を飲み過ぎたときに起きる
パニックについて、お話したい。
空気を飲み過ぎて、
お腹にガスが溜まり、
腹痛を起こす問題は、
私が高校生の時に始まったこと。
突然の腹部の激痛で、
身動きも取れなくなり、
病院へ運ばれたことがあった。
こんなに酷い痛みなら、
胃や腸に病気がありそうだが、
検査しても、特に異常はなかった。
お腹の中にガスが溜まり過ぎて、
パンパンに膨れ上がり、
これが激痛を引き起こす原因だった。
この症状は、精神的なストレスが
大きい時に起きやすい。
自分では意識しなくても、
唾を飲み込む回数が増えて、
唾と一緒に空気も飲み込んでいるようだ。
腹部の痛みがないときにも、
お腹が張って苦しい時がある。
ゲップをして、ガスを取り除きたいけど、
ゲップが出そうで出ない。
ゲップが出れば、ラクになるので、
一生懸命、ゲップを出そうと
頑張ってしまう。
でも、「早く出ろ!早く出ろ!」と
ゲップを出そうとしても、
どうしても出ない。
そのうち、ゲップが出ないことが
焦りに変わり、
パニックになってしまうのだ。
腹部の膨張感が不快であると同時に、
ゲップが出ないことの焦りで
心臓がドキドキし始める。
子供の頃、
パニック発作を起こした時の感覚と
少し似たような感覚がある。
でも、パニック発作とはちょっと違う。
鼓動が多少早くなっても、
パニック発作のように、
呼吸困難になることはない。
苦しいのは腹部の膨張感だけだ。
この状態になると、
私の意識は、腹部の膨張感だけに
当たるようになる。
この不快な膨張感が
非常に大きく感じられて、
他のことは一切見えなくなる。
腹部の膨張感に意識が当たり、
「早く、早く、ゲップよ出ろ!」
と願えば願うほど、ゲップは出ない。
出そうだけれど、出ないという
嫌な感覚が、私を苦しめる。
このままゲップが出ずに、
胃がパンパンに膨れて
破裂するのではないか?
という非現実的な不安が
私を襲ってくるのだ。
こんなことを人に話せば、
笑われてしまいそうだが、
このような状態になったとき、
私自身は、本当に真剣で、
焦り過ぎて、パニックを起こしている。
それでは、
こうなったときに、
どう対処すればラクになれるのか?
興味深いことは、
パニック症の対処の仕方と
全く同じやりかたで、
この不快な状態から抜け出ることができる。
それは、不快な症状に
捉われるのをやめることだ。
身体の不快を感じる時、
捉われるのをやめろ!と言われても、
そうすることは、かなり難しい。
でも、これが解決方法だ。
ゲップを出して早くラクになろう
と頑張るとき、
私は戦闘モードに入っている。
この状態では、身体は緊張で
カチカチに凝り固まっている。
リラックスとは真逆の状態だと、
出る物も出なくなってしまうのだ。
捉われがなくなれば、
不快な腹部に意識が向くこともなく、
徐々に身体の緊張も解けてくる。
そして、そのうち、
待望のゲップが出る。
ゲップが出るのを確認できれば、
自分も安心するので、
更に身体も緩んでくる。
すると、次から次へとゲップが出てくるのだ。
何回かゲップをした後、
腹部の膨張感はすっかりなくなり、
心の平安を取り戻すことができる。
パニック症の場合にも、
これと似ていて、
息苦しさや、鼓動の早い動きに
自分の意識のフォーカスが
当たれば当たるほど、
症状は酷くなってゆく。
そして、不快な症状と共に
不安が自分を襲ってくる。
不快な身体の症状と
強い不安に自分が飲み込まれて、
支配されるようになると、
もっともっと酷くなってゆく。
でも、不思議なことに
「もういいよ。自分はどうなっても」
と諦めの気持ちになれれば、
強い不安や息苦しさは引いてゆき、
症状は治まってゆくのだ。
パニック症の時にも、
腹部の膨張感の時にも、
そのことに捉われて、
「早く治れ!早く治れ!」
と切望するから、
症状をより酷くしてしまうようだ。
頭の中では、
捉われることをやめれば、
自分はラクになれると分かっている。
でも、実際に、身体の不快が出たとき、
捉われることを止められないから
苦しむことになる。
でも、これも、一時的な苦しみで、
何時間もパニックが続くことはない。
パニックになりそうになったときには、
「捉われてはいけなんだ」と意識して、
焦りの気持ちを強めないよう
努めることが大切なのだろう。
ということで、
今回は、私が時々経験する
空気を飲み過ぎたとき起こる
パニックについて、お話してみた。
これが起きたとき、ラクになる方法は、
パニック症の場合にも有効だ。
パニック症で苦しむ人に、
少しでも参考になればと思い、
お話することに決めた。