「メンタルが弱い人!」とか、
「あの人はメンタルが強い」
という言葉を耳にするが、
メンタルが弱い、強い
という言い方自体、
あまり意味がない。
誰かに
「あなたはメンタルが弱いね」
と言われても、
気にすることはない。
自分自身で
メンタルが弱いと感じても、
必ずしもそうではないので、
自分のことを
情けなく思う必要もない。
なぜ、そうなのか?
その理由は、メンタルには
様々な側面があるため、
メンタルの強さを「全体」として
捉えること自体が
間違っているからだ。
本当のところは、
メンタルが強いだけの人もいないし、
弱いだけの人もいない。
メンタルのすべての側面で
強い人もいなければ、
メンタルのすべての側面で
弱い人もいないということ。
誰でも、強い側面と弱い側面が
混じり合っているからだ。
これが今回
私が強調したいこと。
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ビジネス分野ではやり手で、
未知のことに対して積極的な人でも、
恋愛面ではかなり臆病な人もいる。
この人はメンタルが強いのか?
それとも弱いのか?
単にビジネス面だけを見て、
「メンタルが強い」と言うのも
適切ではないし、
恋愛面だけを見て、
「メンタルが弱い」というのも
正解ではない。
メンタルが強い側面もあれば、
弱い側面もある
というのが実際のところだ。
そして、これは誰にでも
言えること。
誰でも
メンタルの強い面もあれば、
弱い面も持ち合わせる。
強いだけの人はいないし、
弱いだけの人もいない。
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両方の側面を持つのに、
ある一部分だけが
外の人には見えやすい。
そして、見えやすい部分だけで、
「あの人はメンタルが強い」とか、
「メンタルの弱い人」
と判断されてしまう。
しかし、本当のところは、誰でも
強い面と弱い面とがある。
「メンタルが弱いね」
と誰かから言われても、
それはほんの一側面で
判断されたにすぎない。
気を落とす必要はないのだ。
「自分は弱いな」と自分で
そう感じる時にも、
自分のほんの一面だけを見て、
そのように感じているだけ。
つまり、自分自身の感じ方も、
当てにならないのだ。
がっかりする必要は
どこにもない。
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人間関係が大の苦手で
人と上手く関われない人の場合。
こういう人が就職して、
営業マンの役を任されたら
どうなるだろうか?
おそらく、頑張っても
上手く行かないだろう。
業績が思うように上がらず、
上司にも叱られ、
ツライ思いをするだろう。
苦手なことを嫌々やるので、
気分的にもシンドイ。
悪い結果で自信を失い、
「なんて自分はダメな奴だ!」
と自分を情けなく思う。
向かない仕事をしていれば、
ストレスも溜まり、
そのうち鬱っぽくなってくる。
こういう人は、
周囲からは「メンタルが弱い人」
と見られやすい。
メンタルが弱くて、
組織の中では役立たずだと
呆れられるかもしれない。
しかし、よく考えれば、
営業職に向かない事実は、
単にその人の一側面でしかない。
誰でも苦手なことを
無理矢理やらされれば、
実力を発揮できず、低い評価を受け、
自分も苦しく、しぼんでいくだけだ。
もしも、
この人が得意分野での
仕事を任されれば、
こんなことにはならない。
人と関わることが苦手でも、
プログラミングが得意で、
強い忍耐力を持ち、
一人でコツコツと難しいタスクを
やり続けられる。
そんな人は、営業マンでは
上手く行かないが、
IT部門に配属になり、
プログラミンの仕事を任されれば、
間違いなくスターになれる。
普通の人では忍耐力が続かないような
難しいプログラムに挑み、
それを淡々とやり続けられる
素晴らしい能力があるからだ。
周囲の人たちには、
「なんて強い精神力だ!」
と称賛されるだろう。
一つの部署では役立たず。
メンタルが弱い人だ!
というレッテルを貼られてしまう。
しかし、別の部署に行き、
得意な仕事をすれば、
強い忍耐力で
自分の能力を活かして、
組織に大きく貢献できるのだ。
このように、
メンタルの強さには
様々な面がある。
人と関わるのが苦手なので、
営業職では「メンタルが弱い」
と言われても、
プログラミングの分野では、
強い忍耐力を持ち
コツコツと継続できることは
強い精神の持ち主でもある。
同じ人間でも、
様々な側面があるので、
一概に弱いとか、強いと
判断するのは間違いだ。
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残念なのは、
自分の強い側面を活かせず、
弱い側面で
勝負させられてしまうこと。
実は、日本の終身雇用制では、
このようなことが
しばしば起きている。
色々な仕事を経験させて、
幅広い能力を養うよう
会社側は人事配置を考えるからだ。
しかし、この方針に
上手く適応できる人もいるが、
すべての人が
そうできるわけでもない。
会社から一方的に「この部署に行け」
と命令され、不向きな仕事を
数年間強制させられ、
そのうちに自信を失い、
「自分はできない」
「ダメな奴だ」「弱い人間だ」
と情けなく思うようになる。
自分の弱い側面だけに
フォーカスをして、
それを拡大して見ているのだ。
そうなれば、
自分の強い側面は隠されて、
全く見えなくなってしまう。
他人からも、
弱い側面だけを指摘され、
「弱い人間だ」と思われる。
同時に自分自身も
その弱い側面だけに焦点を当て、
「自分は情けない」と
落ち込んでしまう。
これは非常に残念で
勿体ない結果だ。
なぜなら、
その人の弱い側面だけを見て、
「コイツはダメだ! できない奴だ!」
と決めつけているから。
隠された強い面は
日の目を見ることはなく、
素晴らしい宝がありながら、
使われることは一切ない。
なんて残念なことか!
でも、実際のところは、
この点では上手くできなくても、
別のことでは優れている。
その優れた面は、
強調された「弱い面」に隠されて、
消されてしまったのだ
弱点だけに注目すれば、
強みがあることを
すっかり忘れてしまう。
実際には存在していても、
見えないところに押しやられて、
利用されることもない。
こういうことは
日本社会では頻繁に
起きていることだ。
しかし、
弱みで勝負させられる環境に
一旦入ってしまえば、
自分の弱みばかりに
注目するようになり、
自分にも強い面があることを
思い出せなくなる。
その結果、
自分の強みを活かして、
人生を良くしてゆくことも
不可能だ。
とても勿体ない話で、
残念だと言える。
もし、今の環境で
「あなたは弱い人ね」と
他人から言われたり、
自分自身も「自分は弱くて
情けないな」と
感じることがあったら、要注意だ。
なぜなら、そう言われたり、
そう感じるのは、
弱い側面だけで判断しているから。
実際のところは、
強い側面もあるのに、
それはすっかり忘れられ、
活かされていないのだ。
強みを活かせないのは
リソースを無駄にすること。
強みを活かせず、
弱みで勝負して、
「自分はダメだな」と感じるのは、
悲しいことだ。
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メンタルが
強いだけの人もいないし、
弱いだけの人もいない。
誰でも強い面と弱い面を
両方持ち合わせている。
ただし、すべての面が満遍なく
見えているわけではない。
環境により、状況により、
見えやすい部分が
変わってしまう。
もし今いる環境で
弱いところが目立つのなら、
その環境は自分に
合わないのだろう。
自分に向かない環境下で
弱いところばかりに
フォーカスが行き、
「なんて弱い人間か!」
と情けなく感じるのでは、
自分が損するだけだ。
そんな状況であれば、
そこからは抜け出して、
自分の強い側面を活かせる場所に
移った方が賢明だ。
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「この人はメンタルが強い」とか、
「あの人はメンタルが弱い」
と言うことはよくあるが、
本当はそんなことはない。
人間は誰でも、
メンタルが強い部分と
弱い部分を両方持ち合わせている。
自分の一面だけに
焦点を当てて、
がっかりするのは無意味だ。
それよりも、
強い面を活かしやすい
環境を探すことに
専念した方がよい。
そうすれば、「自分は弱いな」
と感じた人でも、
「自分は強い!」と
自分を高く評価して、
ポジティブな気持ちで
能力をマックスに活かすことも
可能だからだ。
メンタルの強さを
全体として捉えるのはやめて、
色々な側面があることを
思い出そう。
そして、できるだけ
強い部分が活かされるよう
意識して選択しよう。
間違っても、弱い面では
勝負をしてはダメ!
様々な側面の中から、
強い面をピックアップして、
それを活かそう!