頭が疲れた時には、「淡々とやること」で癒しを得る

淡々とやることは、
色々な場面で役に立つ。

難しい課題にぶち当たり、
思考に思考を重ねて
頭が疲れている時。

悩み事で色々なことを考え
同じことが頭の中で
グルグル回ってしまう時。

何らかの理由で
心が疲労している時。

こんな時には、意図的に
「淡々とやること」を実践すれば、

だんだん気分も落ち着いて、
心的エネルギーを取り戻せる。

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「淡々とやること」は
具体的にはどんなことか?

「淡々」とは、あっさりしていて
態度が淡白だという意味。

こだわりや執着がなく、
何かに囚われていない状態だ。

深く考えることもなく、
ありのままをそのまま受け入れる。

過去の後悔をすることなく、

未だ起きていない
未来を心配することもなく、

今「この瞬間」に意識を向ける。

良い悪いの判断もせず、
そのままの状態を受け入れる。

「淡々とやること」は
やりたくないことを
自分に無理強いすることではない。

気が向かないことを
嫌々することでもない。

意欲満々でエネルギーに満ち溢れ、
積極的に物事に取り組むことでもない。

自分にとって遅くもなく、早くもなく、
丁度良いペースで、
感情抜きであっさりとやること。

「淡々とやること」は
余計なことは考えないこと。

今、目の前にある
やっていることだけに
意識を向ける。

そして、そのことだけ
あっさりと淡々とこなすことだ。

色々考えないとできないことは、
淡々とやる対象には向かない。

それよりも、
毎日やるルーティンとか、家事とか、
思考しなくても簡単にできることを
淡々としてみるとよい。

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「淡々とやること」により、
どんな利点があるのか?

それは、今まで忙しすぎた
頭の中が落ち着いてくること。

枯渇しそうな心的エネルギーも
徐々に充電されてゆくこと。

気分がスッキリして
だんだん元気になってゆくこと。

ザワザワしていた心が、
ちょっとずつクリアになってくること。

視野が少しずつ広がり、
今まで見えなかったものも
見えてくるようになること。

考えても考えても
分からなかった答えが
急に頭に浮かぶこともある。

頭の疲れが取れて、
再び「頑張ろう」という気になれる。

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「淡々とやること」は
すごく簡単に聞こえるけれど、
実は、そんなに容易くはない。

普段、やり慣れていないと、
「淡々とやろう」と思っても、
なかなかできないものだ。

「余計なことは考えないようにしよう」
と思っても、雑念が煩すぎて
頭から離れないこともしばしば。

今に意識を向けようとしても、
過去のことを思い出したり、
未来のことを考えてしまったり。

頭の中を空っぽにしたくても、
ゴチャゴチャとしたものが
消えてくれない。

「淡々とやること」は
ある意味、スキルと言ってもよい。

練習することで、
自分の身につく。

語学のスキルや、
コンピューターのスキルや、
料理のスキルと同様に、
練習が必要だ。

一旦、スキルを獲得できれば、
使いたい時には使えるようになる。

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では、「淡々とやる」スキルには
どのような練習が役立つか?

それは、
「マインドフルネス」の実践だ。

毎日、「マインドフルネス」を
たった5分でもいいから、
練習すれば、

いつのまにか、
「淡々とすること」が必要な時、
このスキルを使えるようになる。

「マインドフルネス」とは
身体の五感に意識を集中させて、

意図的に今の瞬間に
フォーカスを当てること。

良いとか、悪いとか、
評価や判断をすることなく、

ありのままの状態を
そのまま感じることだ。

具体的なやりかたは、
息を吸う、吐くの呼吸に
フォーカスを当ててもよいし、

食べ物の感触、匂い、味、
触感などに集中して
感じるままに味わってもよいし、

一歩ずつゆっくり歩きながら、
足が地に着く感覚、地から離れる感覚、
足の裏の感覚に集中してもよいし、

歯磨きをする際に、
歯ブラシが歯茎に当たる時の感覚や
歯磨き粉の味に注目しながら、
歯を磨くことだけに意識を向けてもよい。

日常生活の様々な場面で
マインドフルネスを取り入れるのは
何時でも、何処でも、誰でも
気軽にできること。

実践すると分かるが、
たった5分だけでも、
その間、マインドフルの状態に
居続けることは、けっこう難しい。

今に意識を集中させているのに、
雑念が沸いてきたり、

全く関係ないことが頭に浮かび、
想像の世界に入り込みそうになったり、

「今この瞬間」だけに
フォーカスするのは、
かなりのチャレンジだ。

でも、それでも構わない。

雑念が沸いてきたと自覚したら、
再び、意図的に「今ここ」
に意識を戻すようにする。

何度も、何度も繰り返し、
別のことが頭に浮かぶことも
しばしば起きること。

それでも、全然、構わない。

気にすることなく、
気づいた時点で、直ぐに
今ここに戻るようにすればよい。

この練習を一日5分、
3カ月もやり続ければ、
大分上達するはず。

頭が思考疲れした時、
ちょっと休ませたいな
と思った時には、

直ぐに「淡々とやること」
を実践できるようになる。

練習がなければ、
「淡々とやること」
に慣れないから、

やりたい時に、
頑張っても、なかなかできない。

しかし、常に少しずつでも
この練習をしていると、

必要な時に、
使えるようになるから便利。

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「淡々とやること」は
一般的にはあまり注目されない。

しかし、「淡々とやること」は
私たちが想像する以上に、
大きな助けになってくれる。

思考が煩すぎて、
メンタル的に疲労しきった時、

淡々とやることで
精神の疲労が軽減される。

なかなか解けない問題を
繰り返し考えてみても、
その答えが見えない時、

一旦、肩の力を抜き、
淡々と簡単にできる作業をすれば、

そのうち頭がクリアになり、
あれっと思ったら、
その答えが見えることもある。

淡々とやっているうちに、
自分ではどうにもならない
と思ったことでも、

急に解決策が見えることもしばしば。

問題に直面して
パニックに陥った時でも、

淡々とやることで
視野が徐々に広まり、
今まで見えなかったことが
見えるようになる。

「淡々とやること」の魅力は
言葉で説明するよりも、
実際にやってみなければ、
その良さを理解しにくい。

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「淡々とやること」は
簡単そうに聞こえるけれど、
実は、直ぐにできることでもない。

普段から、練習して、
慣れておくことが必要だ。

たとえ今は何も問題がなくても、
「淡々とする」スキルを
今のうちから身につければ、

いざという時に
あなたの強い味方になってくれる。

やろうと思えば、
今すぐでも練習を始められる。

まずは、今から5分間、
椅子に腰かけ、ラクな姿勢で
目を軽く閉じて、

自分の呼吸に意識を向けてみよう!

息を吸い込むときの感覚、
息を吐く時の感覚、

これに意識を全集中してみることだ。

最初から5分間は
長すぎるかもしれない。

5分が長ければ、
初めは2分でもいいし、
1分でもいい。

たったの1分間でも、
ラクな姿勢で自分の呼吸に
前意識を向けて、

感じるままに感じてみることだ。

仕事の合間でも、
家事の合間でも、
落ち着ける場所があれば、

普段から練習してみることだ。

もちろん、呼吸ではなく、
別のやりかたでも大丈夫。

要は自分がやりやすいもの
をやってみよう。

いつか、必ず
あなたの役に立つはずだ。