他人の何気ない一言で自分が酷く傷ついたら、どうすればよい?

今回は、
誰かがさりげなく言ったことが、
自分の心にグサッときて、
酷く傷ついてしまった時、
どう対処すればよいのか? 
について。

他人の言葉で
自分が嫌な気分になった時、
通常は「その人が悪い」と思い、
相手を恨んでしまいがち。

しかし、本当は
他人が自分を傷つけた
というよりも、

他人の発言をきっかけに
自分の中にある問題点を
思い出して、それにより
不愉快になることが多い。

つまり、他人の言葉は
単なる引き金にすぎず、
本当の問題は自分の内にある
ということだ。

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これは私が昔、経験したこと。

職場の同僚が私に対して、
「ちょっと神経質すぎるよ!」
とポロリと言った。

そして、この同僚の一言が
私を酷く傷つけた。

彼女から
「神経質で悪い奴だ」と
非難されている気分になり、
私は酷く落ち込んだ。

それだけでなく、その後暫く
私は彼女の顔を見たくもないし、
口もききたくないと思った。

しかし、その同僚は、
自分が言ったことを
何とも思っていない様子で、
サッパリとしていた。

プリプリ怒った私に
「どうしたの? 何かあった?」
と聞いてくるくらいだ。

その姿を見れば、
彼女は私に対して
特別悪気があったわけではなく、

単に何気なく
言っただけだと考えらえる。

それでも、私はかなり傷つき、
暫くの間、彼女に対して
しかめっ面を見せていた。

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今となれば、よく分かる。

その当時の私は
「神経質だ!」と言った同僚を
自分を傷つけた悪者だ
と思っていたが、

実際には、悪いのは同僚ではなく、
私が自分の内で心理的問題を
抱えていたから、
不快な気持ちになったのだ。

私自身も自分が神経質だ
と感じていたが、

「神経質なのは悪いことだ」
と思い込んでいたので、

私は神経質な自分を
ずっと心の中で責めていた。

同僚の一言により、
私は自分の問題点を思い出し、
それで気分が悪くなったのだ。

そう考えれば、
同僚が問題なのではなく、
自分の心の内が問題だ。

他人の言葉が
自分の中で引っかかる時は、
他人のせいでそうなった
と他人を責めてしまいがちだ。

しかし、本当のところは
自分自身がそのことで
自分のことを責めていたから
引っかかりが起きた。

他人の言葉はきっかけになっても、
本当の原因は
自分自身にあったのだ。

嫌な感情に襲われたのも、
自分が原因だった、
と今では理解できる。

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他人の何気ない一言で
自分が傷ついた時、
その相手を恨み、相手に
怒りの感情をぶつけたくなるが、
この行為は建設的ではない。

なぜなら、
相手を恨むことにより
自分の貴重な心的エネルギーが
奪われてしまうからだ。

相手はあまり悪気はなく、
そのことを真剣に考えて
言ったわけではない。

それなのに、怒ることで
精神エネルギーを使い果たし、
自分の貴重な時間を
怒りのために費やすのは
賢いことだとは言えない。

怒りをぶつけられた相手も
自分に敵意を抱くだろう。

その結果、相手との人間関係も
悪化するかもしれない。

相手の言葉はきっかけにすぎず、
本当の問題は自分の内に
あるわけだから、

自分の中で処理することが
一番賢い方法だ。

有限で貴重な
自分の時間と労力を
怒りに使ってしまうのではなく、
自分の内にある問題と向き合い、
解決するのに費やしたほうが賢明だ。

具体的に
どのように問題解決するかは
ケースバイケースで、
本人が決めることだ。

私の場合には、
神経質な自分が嫌なら、
神経質でなくなるよう
努めることは一つのオプション。

しかし、神経質だという気質は、
生まれつきの要素も大きく、
これを変えるのは難しい。

それなら
神経質であることを
どうにかするのではなく、

「神経質は悪いことだ」
という考え方を変えてしまえば
よいのだ。

私は、神経質なことが
良くないことだと
信じ込んでいたが、

そもそも、そんなことを
どこの誰が決めたのだろう?

冷静に考えれば、
どのような性格、性質、気質でも、
良い面と悪い面と両方が存在する。

神経質な人は、
柔軟性に欠けていて、
こだわりが強すぎて、
物事を丁寧にやるから、
時間がかかるという欠点はある。

しかし、それと同時に
慎重だからミスが少なかったり、
決まったことを忠実に実行できたり、
真面目で責任感が強い傾向もある。

「神経質」と言えば、
良くないことに聞こえても、
必ずしも悪いことばかりではない。

良いことだって沢山ある!

そのように考えれば、
自分の「神経質」に対する
捉え方が違ってくる。

そして、捉え方が変われば、
他人から「神経質だね」
と言われても、さほど嫌な気分には
ならないものだ。

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誰かの何気ない一言で
自分の心にグサッときた時には、
一瞬、感情的になっても
仕方ないだろう。

しかし、ネガティブ感情に
支配されないよう
自分から一歩身を引き
自分を客観視したほうが
ずっと賢い。

相手のその言葉は、
単なる引き金にすぎず、
そのことについて、
自分の中で
何らかの問題があるからだ。

なぜ、その言葉が
自分をイラつかせたのか?

普段ははっきり意識しなくても、
自分では認めたくない何かに
薄々気づいているかもしれない。

もし、そうだったら、
その正体はいったい何か?
明らかにして、
自分の内にある問題を
解決する方向へ動くとよい。

そうすることで
自己成長が可能となるからだ。

相手に反撃しても、
自分も相手も嫌な気分になり、
ろくなことは起きない。

それよりも、
この機会を利用して、
前向きに進むほうが賢明だ。

私の場合には、
「神経質」の捉え方を
変えたお陰で、それ以降、
似たようなことを言われても、
あまり気にならなくなった。

自分の内で
問題が解消した後には、
将来、同じようなことで
不快になることも防げるのだ。

他人の言葉で傷ついたら、
それは単なるきっかけ。

自分の内にある問題と向き合い、
解消するためのよい機会にしよう!