折れない心の作り方:自己肯定感によるレジリエンス強化法

レジリエンスとは、
心のしなやかさのことです。

心が凹んだり傷ついたりしても、
折れることなく
回復していける力のことを
指します。

今回は、
レジリエンスを高めて
メンタルを強くするための
効果的な方法についてお話ししましょう。

結論を先に述べると、
それは「自己肯定感」を高めることです。

この記事では、なぜ
自己肯定感を高めることが大切なのか、
また、どうすれば
自己肯定感を高められるのか、
そのヒントを紹介しようと思います。

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自己肯定感とはいったい何? 自信との違いは?

「自己肯定感」という言葉を聞くと、
「自分を肯定すること」
と単純に思いがちですが、
実際には自己肯定感の意味は
これとは少し異なります。

自己肯定感とは、
どんな状態の自分でも、
そのままの自分を認め、
尊重し、自己価値を感じることができる
心の状態を指します。

自己肯定感が高いというのは、
自信があることを
意味するわけではありません。

大きな成果を出せたときには
当然、自信も高まるでしょう。

しかし、失敗やミスを経験したとき、
自信を失うかもしれません。

自信はその時々の状況によって
変動するものです。

それに対して自己肯定感は、
徐々に築かれ、
一度築き上げたものは
容易には低下しません。

自己肯定感が高いということは、
別の言い方をすると、
自己受容ができている
とも言えます。

自己受容とは、
ありのままの自分を
無条件で受け入れること、

つまり、
たとえ結果が出せなかったり、
頑張れなかったり、
ミスや失敗をしたとしても、
自分を許し、認め、受け入れる姿勢が
あるということです。

自己肯定感と自信の違いを、
Doing、Having、Beingという
3つの英単語を用いて説明すると
わかりやすいです。

Doingとは、
人の行動や行為のことで、
「勉強を頑張っている」とか、
「頑張っていない」といったものが
例として挙げられます。

Havingは、
Doingの結果として獲得したもの、
あるいはその人に
もともと備わっているもののことで、
「成績」や「業績」、「才能」、「肩書」
などがこれに該当します。

そして、Beingは、
「自分の存在そのもの」を指します。

精一杯努力して(Doing)
成功を収めた場合、
その結果として高い業績を得て(Having)、
自分に自信がつくでしょう。

それに対して、
間違いを犯してしまい(Doing)
試験に不合格になった場合、
自信は失われることでしょう。

このように、自信は
DoingやHavingと深く関係していて
状況に応じて変動します。

しかし、
自己肯定感はDoingやHaving
には影響されません。

自己肯定感が高い人は、
結果がどうであれ、
何かを成し遂げてもしなくても、
どんな自分(Being)でも、自分自身を許し、
認め、受け入れることができるのです。

これが自己肯定感と自信の
根本的な違いです。

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自己肯定感は自分との関係を良好にすることにより育まれる

自己肯定感を高めるためには、
自分自身との関係性を
良好に保つことが効果的です。

これを理解するには、
私たちの内面に存在する
「見つめる自分」と「見つめられる自分」
という二人の自分の存在を
考えるとよいでしょう。

「見つめられる自分」は、
さまざまな感情を
素直に感じる自分のことで、
ときには「嬉しい」と感じたり、
「悲しい」と感じたり、
「がっかりだな」と感じたりします。

一方で、「見つめる自分」とは、
これらの感情を持つ自分自身を観察し、
評価を下す自分のことです。

もし「見つめられる自分」が
がっかりしたときに、
「見つめる自分」が
「そんなことで悲しむべきではない!」とか、
「がっかりして悲しむなんて情けない!」とか、
「なんてお前はそんなに弱いのか!」と
厳しい態度を取って自分を非難するならば、
自分との関係は悪化するでしょう。

それとは反対に、「見つめる自分」が
「そうだよね、そんなことがあったら、
がっかりもするし、悲しくもなるよね」
と共感を示せば、
自分との関係は良好になるでしょう。

親友に対しては
温かい言葉で励ます人が多い一方で、
自分自身に対しては
厳しい態度を取る人も少なくありません。

しかし、このような態度では、
自己肯定感を上げることは
できないです。

良いときも悪いときも、
常に自分自身に優しく接し、
自分を許し、認め、受け入れることが、
自己肯定感を高めるためには
必要不可欠だからです。

「自分」という存在は、
他の誰よりも
重要な人物のはずです。

なぜなら、一年中、一日中、
常に自分自身と共にいるからです。

自分を非難したり、攻撃したり、
苛めたりすれば、
自分との関係は悪化し、
生きることがつらくなってしまいます。

逆に、どんなときでも自分を受け入れ、
自分の味方でいることができれば、
リラックスして生活できるでしょう。

そうすることで、
自分との関係性は良好となり、
喜びや幸せを感じやすくなるのです。

良いときも悪いときも、
どんなときでも
自分自身に優しく共感を示すことで、
自分との良好な関係性を築き上げ、
自己受容が深まり、
自己肯定感も向上していくのです。

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自分との関係改善のために具体的にできること

自分との関係を改善するためには、
自分の感じていることを
感じるままに
素直に受け入れることが大切です。

つまり、自分の感情を
無条件で受け入れることです。

悲しいときには
「そうだよね、悲しいよね」
と自分に共感し、
がっかりしたときには
「がっかりしたんだね。
そうだよね、がっかりするよね」
と自分を労わります。

どんなにネガティブな感情であっても、
その感情を否定せず、そのまま受け止め、
自分を許し、認め、受け入れることが
重要です。

子育てをしている親御さんも、
子どもの感情に対して
同じアプローチを取るとよいでしょう。

子どもが悲しくて泣いているときには、
「いつまでも泣いていないで、元気を出して!」
と言うのではなく、
「悲しいんだね。悲しいよね」
と子どもの感情をそのまま
受け入れてあげることが大切です。

一見元気づけるように思える
「早く元気を出して!」という言葉は、
子どもにとっては
自分の感情が否定されていると
感じさせることもあるからです。

これはちょっと大げさな言い方ですが、
「情緒的に見捨てられる」
ということを意味するのです。

しかし、
悲しいときには「悲しいよね」と、
怖いときには「怖いよね」
と共感してもらえると、
子どもはどんなときでも
自分は大切にされる価値のある存在だ
と感じるようになります。

それによって、子ども自身も
自分の感情を
そのまま受け入れられるようになり、
自己受容が深まり、
自己肯定感も自然と高まってゆくのです。

自分自身に対しても、
自分の子どもに対しても、
どんな感情を持っていても、
その感情をそのまま受け入れ、
心の中で温かく抱きしめてあげることが
大切なのです。

そうすることで、
自分との関係性が良好になり、
自己受容が進み、
自己肯定感が高まる方向へと
進むことが可能になります。

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まとめ:レジリエンスを高めてメンタルを強化するために

今回は、レジリエンスを高めて
メンタルを強化させるためには、
「自己肯定感」を高めることの
重要性についてお伝えしました。

自己肯定感とは、
あるがままの自分を認め、
尊重し、自己の価値を
実感できる心理状態のことです。

自己受容ができることで、
自分が自分たる確かさを
実感することができるでしょう。

自己肯定感を高めるには、
自分自身との関係を
良好に保つことが効果的です。

具体的には、どんな感情を持っていても、
それを否定せず、抑えつけずに
受け入れる姿勢が大切です。

特に、悲しみや失望などの
ネガティブな感情を感じたときは、
それを受け止め、
「悲しいよね」「悔しいよね」
「情けないよね」「がっかりするよね」と
自分に共感を示すことが重要です。

これを繰り返すことで、
どんな感情を持っても
自分自身を大切な存在として
価値を見出せるようになり、
自己受容が深まり、
自己肯定感も自然と向上していきます。

このアプローチは自分自身だけでなく、
子どもに対しても有効です。

子どものありのままの感情を許し、
認め、受け入れることで、
子どもの自己肯定感も育まれてゆきます。

そうして育てられた自己肯定感は、
何かあったときにも
心が折れず、凹んだとしても
すぐに回復する力を育てるのです。

そのままの感情を受け入れ、
レジリエンスを高めることで、
より充実した幸せな人生を
歩んでいきましょう!