「自分はダメだ」
「情けない」「不甲斐ない」
と感じることは、
誰にでもあるのではないでしょうか?
今回の話は、
そうした不快な感情に
悩まされることが多い方々に
向けてお伝えします。
劣等感に苦しんだとき、
どう対応するとよいのか?
について、考えてみたいと思います。
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劣等感は不快な感情!
劣等感は、
とても不快な感情ですね。
劣等感にさいなまれると、
多くのネガティブな感情が
一緒に湧き上がることが多いです。
自分への信頼や自信を失い、
自己不信に陥るのは
一般的なことです。
現状に対しての
落胆や失望感が強まり、
他人の成功に
羨望や嫉妬を感じることもあります。
そのような感情は、
孤立感や無力感につながり、
自分だけが取り残されているように
感じることさえあります。
また、
自分の行動や選択を過度に批判し、
自己批判に陥ることもあります。
自分の状況を
改善しなければならない!
と焦燥感を抱くこともあるでしょう。
これらの感情は、
劣等感の強さに比例して、
日常生活や精神的健康に
悪影響を及ぼす危険もあるでしょう。
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劣等感が起こるメカニズムとは?
一般に、劣等感は
「自分はあの人よりも劣っている」
「できない」「うまくできない」
「点数が低い」といった
他者との比較から生じる心理だ
と思われがちですが、
実はそうではありません。
劣等感は、理想の自分と
現実の自分との間のギャップから
生まれるものです。
自分の頭の中で描く理想の自分が、
現実の自分とかけ離れている場合に、
劣等感が生じます。
たとえば、
ゴルフを始めたばかりの人が、
ゴルフ歴10年の人と
偶然ゴルフをする機会があったとします。
このとき、自分がその経験者と比べて
劣等感を感じるでしょうか?
おそらく、感じないでしょう。
なぜなら、自分は初心者であり、
相手は10年もの経験を
積んでいるのだから、
自分が劣っているのは
当然と考えるからです。
しかし、もし自分が新入社員で、
「自分は同期社員の中で
最も優れた社員だ」
という理想像を持っていた場合、
その理想が原因で
同期社員と比較して「ダメだ」と感じることも
あるでしょう。
なぜなら、自分より優れた新入社員が
存在していて、
自分は自分の理想である「一番」
ではないからです。
つまり、劣等感は、
自分自身に高すぎる理想を
設定していることが
原因だと言えます。
身の丈に合わない、
過大な目標を追い求めることで、
自分の現実の能力との
大きなギャップが生じ、
劣等感に苦しむことになるのです。
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劣等感にどう対処すればよい?
それでは不快な劣等感に
どのように対処すれば
よいのでしょうか?
劣等感を
健康的に管理するための
重要なポイントは、
自分の理想を見直すことです。
今の自分に合わない理想を
持っていることを素直に認め、
自分自身に課す理想を
下げてみるとよいでしょう。
そんな話をすれば、
「高い目標を持ってはいけないのか」
と怒る方もいるかもしれませんが、
そうではありません。
高い理想は将来の目標として
持つことが大切です。
今の理想は、
自分の現在の能力に合わせて
下げることです。
そして、本来の大きな理想は、
将来の自分を想像しながら、
未来の目標として設定します。
現在の目標は、
あまり無理なく
自分が少し背伸びする程度のレベルに
設定するとよいでしょう。
別の視点からも
考えてみましょう。
劣等感を抱きやすい人は、
自分自身を
過小評価している可能性もあります。
実際の能力は70点なのに、
自分を50点くらいと
低く見積もっていることが原因で、
「自分はダメだ」と感じてしまうのです。
この場合は、現実の自分を再評価し、
自己評価をもう少し高めに
見直してみることも一つの方法です。
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私たちは少しずつしか変われない
なぜ自分が理想とする
高い目標を
下げるべきなのでしょうか?
その理由は、
いきなり高いハードルを
越えようとすると、
長続きしないからです。
低いハードルから始め、
段階的なアプローチを取ったほうが、
大きな成果を
楽に達成しやすくなるからです。
まずは、自分が少し頑張れば
達成できるような目標を設定し、
それに取り組みます。
そのハードルを
楽に超えられるようになったら、
少しずつハードルの高さを
変えてゆくのです。
時間をかけて「少しずつ」
「徐々に」「1ミリずつ」
ハードルを上げていくと、
無理なく理想に近づけるでしょう。
「ゆでガエルの法則」
という話があります。
高温のお湯にカエルを入れると、
熱さから逃れるため
直ちに跳ね出しますが、
冷たい水から徐々に温度を上げると、
カエルは温度変化に気づかず、
最終的には「ゆでガエル」になります。
これは寓話で、
実際にカエルがそうなるかは疑問ですが、
この話が伝えたいのは、
「カエルでも人間でも、
緩やかな環境変化には気づきにくい」
ということです。
つまり、人は小さな変化に対しては
強い抵抗を感じず、
知らず知らずのうちに
その変化に順応します。
低いハードルから始め、
時間をかけて少しずつ高くしていくと、
最終的には大きな変化を
達成できるのです。
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まとめ
今回は、劣等感が生じるメカニズムと、
劣等感に悩まされた際の
対処法についてお話ししました。
劣等感は、
自分の描く理想像と
現実の自己との大きな隔たりがあるときに
感じやすいものです。
そのため、劣等感に悩む人は、
自分自身に求める理想を
少し低く設定するとよいでしょう。
また、実際の自分よりも
自分を低く見積もることで
劣等感が生じることもありますので、
その場合は、自分をもっと高く評価できないか、
見直してみることが有効です。
高い理想を持つこと自体が
悪いわけではありませんが、
それを今すぐの理想としてしまうと、
現実とのギャップが大きすぎて
苦しむことになります。
現在の自分が少し努力すれば
達成できる目標を設定し、
それを容易にクリアできるようになったら、
徐々に目標を少しずつ高く設定することが、
無理なく楽に
大きな目標を達成するコツです。
小さな目標を重ねていくことで、
最終的には大きな目標も
達成できることを理解し、
焦らず自分のペースで
少しずつ目標を上げていきましょう!