許せない相手を許すことは、
実は相手のためではなく、
自分自身のためです。
この記事は、
特定の人に対して
長い間怒りを抱え続けている方に
向けたものです。
私の体験談を交えて、
なぜ相手を許したほうがよいのか?
を説明しようと思います。
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傷つくのは自分自身、相手ではない!
誰かに深く傷つけられたり、
裏切られたりしたとき、
「絶対に許せない!」と感じるのは
自然な反応でしょう。
怒りは人間の基本的な感情ですから、
怒ること自体が
悪いわけではありません。
しかし、
その怒りを長く持ち続けると、
自分にとって良いことはありません。
その理由は、
いくら相手を恨んでも、
実際に傷つくのは相手ではなく、
自分自身だからです。
たとえば、怒りによって
眠れない夜を過ごしても、
相手は気持ち良く
眠っていることでしょう。
翌朝、「ああ、スッキリした!
今日も元気に頑張ろう!」
と爽やかな気分で、
朝を迎えているかもしれません。
しかし、怒りに飲まれた自分は
どうでしょうか?
おそらく寝不足で、
頭がぼんやりしていることでしょう。
体も重く、爽やかに
一日をスタートできません。
モヤモヤとした感情に包まれ、
憂鬱な気分で一日を
過ごすことになるでしょう。
胃が痛くなるほど怒っていたなら、
美味しい食事も楽しめません。
胸がむかむかして、
吐き気を感じることも
あるでしょう。
それに対して、
自分の怒りの対象となる人は、
今日も笑顔で美味しい食事を
楽しんでいます。
胃腸を壊すのは、
果たしてどちらでしょうか?
怒りを長い間引きずってしまえば、
心身の健康に悪影響を受けるのも
結局は自分なのです。
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復讐しないほうがよい理由
ひどい目にあった経験から、
相手に復讐を考えることも
あるでしょう。
「目には目を、歯には歯を」
という思いで、自分が受けた苦しみを
相手に返したいと考えるのです。
その気持ちは理解できますが、
冷静に考えてみてください。
もし復讐を行えば、
どのような結果が
待ち受けているでしょうか?
復讐することで、
自分も恨むべき相手と
同じレベルに
降りることになります。
実際に、復讐の思いを抱くだけで、
自分は憎悪や恨みという
ネガティブなエネルギーに
支配されてしまうのです。
この観点からも、
復讐は望ましいことでは
ありません。
もし相手が
本当に悪行を働いた人であれば、
自分が手を下さなくても、
いずれその行いの報いを
受けるときが訪れます。
この人生で
目に見える形で現れなくても、
いつかその行為の結果が
その人に戻ってくるでしょう。
今、自分が復讐を行うと、
自分自身も新たな因果を作り出し、
それが自分の後の人生や未来の人生に
悪影響を与える可能性があります。
それは避けたいと思いませんか?
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貴重な時間を無駄にしないために
誰かに深く傷つけられたとき、
そのことを忘れるのは
簡単ではありません。
しかし、冷静に考えてみれば、
相手を恨むことで自分を疲弊させ、
大切な時間やエネルギーを
無駄にするのは、
賢明な選択ではないでしょう。
なぜならそれは、嫌いな相手に
自分の貴重な時間や労力を
捧げているようなものだからです。
恨むことは非建設的で、
非生産的な行為です。
私たちの命の時間は
限られています。
その貴重な時間を、
意味のない相手に費やすことは
理にかなっていません。
むしろ、そうした相手を心から手放し、
自分の楽しみや有意義な活動に
集中したほうが賢明です。
そうすることで、
より心地良く
時間を過ごすことができるでしょう。
これは、心身の健康にも
良い影響を与えます。
許すことが難しい相手を
切り捨てて、
もうその相手に
心を乱されないようにするほうが、
自分自身のためになるのです。
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私自身の経験から
偉そうにこんな話をする私自身も、
長い間、特定の人物を
恨み続けてきました。
その恨みの対象は、
実の両親です。
私の子ども時代に
両親が私に対してしたことを
ずっと許せず、
彼らを長年恨み続けていました。
その憎悪から、
私は海外への移住を決意し、
現在はもう30年以上
その国に住んでいます。
しかし、距離が離れていても、
両親への恨みは
消えませんでした。
その深い怒りは、
1年や2年の間だけではなく、
10年、15年と続いていました。
両親が目の前に
いるわけではないのに、
過去の記憶を繰り返し思い出しては、
激しい怒りを感じていたのです。
ところが、ある日、私は
両親を恨むことを
やめる決意をしました。
そのきっかけは、
斎藤一人さんの言葉でした。
YouTubeで聞いた
一人さんのメッセージは、
私に大きな気づきを与えました。
具体的な言葉は忘れましたが、
「本当に嫌いな人に
自分の貴重な時間や労力を
捧げるのは賢いことなのか?」
という問いかけでした。
この言葉を聞き、私は
これまでの自分の愚かさに
気づかされました。
恨むことで自分を疲れさせ、
時間やエネルギーを
無駄にしていたことを悔いました。
そのため、私は
両親を許すことにしました。
これは両親のためではなく、
私自身のためです。
もちろん、許すといっても、
両親のことが
好きになったわけではありませんし、
子どものころに受けたひどい仕打ちを
正当化しているわけでもありません。
ただ、子ども時代の私に対する
彼らの行為は、彼らの未熟さから
来たものだったと解釈して、
私は受け入れることにしました。
私にとって「両親を許す」とは、
もう彼らのことで心を悩ませず、
自分の時間やエネルギーを
恨みに使わないということです。
私の貴重な時間を
両親のために使うことを
やめたのです。
両親を許してから、
彼らとの関係が
改善されたわけではありませんが、
私の心は平和になり、
生活の質が向上しました。
これにより、私の人生が
より幸せになったと感じています。
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長期間怒りを引きずるのは賢くない!
私が言いたいのは
「怒ることが悪い」
ということではありません。
怒りは、人間の自然な感情です。
日々の生活の中で起こる
さまざまな出来事に対し、
腹を立てる瞬間は
誰にでもあるでしょう。
誰もがときにはイライラしたり、
怒りを感じるのは普通のことです。
怒りを感じること自体に
問題はありません。
問題となるのは、その怒りを
長期間引きずり続けることです。
1週間前、1ヶ月前、半年前、1年前、
あるいは何十年も前の
不快な出来事を何度も思い出し、
そのたびに怒りを感じるような状態は、
自分にとって望ましくありません。
なぜなら、その怒りは
最終的には
自分を傷つけることになるからです。
過去の不快な出来事に囚われて、
1時間を不愉快に
過ごすこともできますが、
同じ1時間を
楽しいことを考えながら、
幸せな気持ちで過ごすことも可能です。
どちらを選ぶかは、
他ならぬ自分自身の選択です。
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貴重な時間を有意義に過ごそう!
人生の時間には限りがあります。
その貴重な時間を、
取るに足らない人のことを考えて
不愉快な気分で過ごすよりも、
楽しいことを考え、爽やかな気持ちで
過ごしたほうがよいでしょう。
そうすることで、
自分も幸せを感じやすくなります。
自分を幸せにするため、
許せない相手のことは
手放すほうが賢明です。
その結果、
心穏やかに過ごせる時間が増え、
心身の健康も向上するでしょう。
許すことで心の負担を軽くし、
未来への新しい一歩を
踏み出すことができるでしょう。