美容外科医・高須幹弥先生のSNSに
次のような質問が寄せられ、
先生はご自身のユーチューブチャンネルで、
有益なアドバイスをして下さっている。
質問内容は、
「仕事や勉強を頑張りすぎて不眠、うつの状態。
生きていても楽しくないし、
生きる意味が分からない。
子供の頃からコンプレックスがあり、
常に頑張り続けていないと
ダメな人間になり、
周りに置いて行かれるという恐怖心がある。
そのため、休みの日まで
ムリして仕事や勉強を
頑張り過ぎてしまい、疲れ果てている。
どうすれば、ラクになれるのか?」
というものだ。
幹弥先生のアドバイスは、
まずは、休んで充電して下さい、ということ。
もう既に、危険なサインが出ているので、
ここでいったん立ち止まり、休むこと。
このまま頑張り続けていれば、
この人は重度の鬱病になるだろう。
重度の鬱病は難治性で、
罹ったら、なかなか治らなくなるものだ。
社会人になってからも、
勉強をし続けることは大切だ。
世の中は移り変わり進化してゆくから、
自分の知識やスキルも
勉強によりアップデートした方がよい。
でも、この質問者さんの場合には、
自分のキャパをオーバーして、
頑張り過ぎてしまっていることが問題だ。
本人は自分のキャパを把握しているようなので、
自分のキャパの限界よりも下のラインで
ノルマを決めること。
ここまでやるというノルマを設定して、
そこまでは頑張るけれど、
ノルマを達成した時点で、
気を緩めてリラックスすることだ。
社会人は学生とは違って
時間的な区切りがない。
1学期終了したら、
休みに入るわけではない。
そのため、気をつけていなければ、
立ち止まることができず、
ムリにムリを重ねることが続く。
その結果、病気になれば、
今まで積み上げてきたものを
失ってしまうリスクもある。
そうならない前に、まずは休息すること。
セロトニンを増やすために、
日光を浴びて、散歩などのリズム運動をすること。
また、バランスの良い食事をとり、
食事の時には、しっかり咀嚼すること。
暫く休んで充電した後には、
自分のキャパを越えないノルマを課して、
それ以上は、頑張らないことだ。
以上が、幹弥先生からのアドバイスを
私がまとめてみたものだ。
本当に、先生の仰る通りだと思う。
実は、私もコンプレックスから頑張り過ぎて、
自分自身が疲れ果ててしまう問題を
抱えている人間だ。
だから、幹弥先生のこのトークを聴いた時、
他人事とは思えなかった。
この件に関して、私も考えることがあるので、
以下は、私が思うことをお話してみたい。
コンプレックスを原動力として頑張ることは、
ブラックエンジンで動いているということだ。
恐怖や不安が背後にあって、
それを避けるために、一生懸命努力するのは、
かなりツライ努力になり、楽しくない。
努力すれば、ある程度、結果は出るので、
努力をし続けてしまう。
一つのことを成し遂げたら、
それで満足することなく、
次のことに取り掛かる。
次のことを成し遂げても、まだ満足できず、
更に次のことに手を出す。
こうしていれば、エンドレスで
ずっと苦しい努力を続けてしまうことになる。
自分が楽しくて、楽しみのために、
次から次へとやっていることだと、
同じエンドレスでも、楽しい経験ができる。
ホワイトエンジンで動いているので、
色々なことをやっていても、
疲れることもなく、活き活きと活動できる。
「ブラックエンジンではなく、
ホワイトエンジンで動ければ、
どんなによいだろう」と私は強く思っていた。
でも、この質問者さんも、私と同様に、
それができないから悩んでいるのだろう。
ブラックエンジンから、ホワイトエンジンに
切り替えようとしても、
それがなかなか難しいと感じている。
では、どうすればよいのか?
マインドセットを少し変えれば、
気持ち的にもラクになり、
良い方向へ自分が向かっていると実感できた。
どのようにマインドセットを変えるのか、
以下の通り、お話したい。
1)他人との競争はやめて、
自分との競争に変える。
2)小さなステップの凄さを知ること。
3)ないものに注目するより、
あるものにフォーカスを当てる。
4)短期的視点でなく、長期的視点で考える。
1)他人との競争ではなく、
自分との競争に変える。
私達日本人は、
受験戦争を経験しているので、
ついつい他人と比較してしまう癖がある。
でも、他人との比較癖は、
自分を不幸にするだけだ。
たとえ、自分が居る狭い世界で
勝っていたとしても、
今居る世界から外に出た時、
もっともっとスゴイ人が沢山いる。
上には上がいるので、
競争したところで、勝ち目がない。
それだったら、他人との競争はやめて、
自分自身との競争した方がよい。
昨日の自分よりも、
今日の自分は少しでも良くなっているか?
少しでも物を知っているか?
ほんの少しでも、過去の自分よりも、
今の自分の方がよくなっていたら、
「自分は成功者だ」と思うようにするとよい。
他人との比較ではなく、
自分との比較により、
少しづつ、自分が向上していることを
実感できれば、喜びを感じられるし、
気分的にもラクになれる。
2)小さなステップの凄さを知ること。
毎日、毎日、ムリない程度に
自分のペースで小さな積み重ねをしていると、
1年も経つ頃には、自分では驚くほど、
大きなものに積み上がっている。
「塵も積もれば山となる」という諺どおりだ。
鬼のように頑張らないと
大きな成果は出せないと信じている人がいる。
でも、それは間違いだ。
鬼のような頑張りは、
あまりにも苦し過ぎて、長続きしない。
短期間に、どんなに鬼のように頑張っても、
成し遂げられることは、たかが知れている。
それよりも、
1回1回は、やってもやらなくても、
変わりがないような小さなことでも、
毎日、毎日、コツコツ積み上げていれば、
やがては大きなものになると知ることだ。
自分で実際にやってみれば、
このことを実感できるだろう。
小さな積み重ねのパワーを理解できれば、
がむしゃらに頑張らなくても、
大丈夫だと分かるはず。
3)ないものに注目するより、
あるものにフォーカスを当てる。
「これができるようになったら、いいな~」
と思って、一つのことにチャレンジする。
そして、それができるようになる。
その時、「ああ、これができるようになった。
嬉しいな」とできるようになったことに
フォーカスを当てて、喜べばよい。
でも、昔の私には、それができなかった。
一つのことを成し遂げた時にも、
「でも、未だ、あれはできないんだよね」
と、できないことに注目してしていた。
どんなに色々なことができるようになっても、
できないことは沢山ある。
できないことに注目しても、切りがない。
「自分には、未だ、これもできないし、
あれもできないし…」と考えていても、
気が滅入るだけだ。
それよりも、
自分にはあること、
自分にできることに目を向けるようにすると、
感じ方も大分変ってくる。
「努力したことにより、
自分はこれもできるようになった、
あれもできるようになった」
とできる部分、ある部分に注目すれば、
自分に対しても、肯定的に感じられる。
4)短期的視点でなく、長期的視点で考える。
もし、今まで通り、
自分のキャパを越えて、
がむしゃらに頑張り続ければ、
どんな悪いことが起こり得るだろうか?
ムリにムリを重ねて、
病気になってしまえば、
今までやっていた仕事や勉強も
できなくなる。
そうなれば、
今までせっかく積み上げてきたものも
失うかもしれない。
短期的な視点で考えると、
そのことが見えなくなる。
でも、長期的視点では、
自分がバッテリー切れになることなく、
ずっと走り続けることの方が重要ではないか?
このことが分かれば、
ムリにムリを重ねるような頑張りはやめて、
自分にムリのないペースで
長期間継続する方が賢明だ
と理解できるはずだ。
ということで、今回は
コンプレックスを原動力として、
頑張り過ぎて疲れ果ててしまう人について、
幹弥先生のトークを聴き、
私自身、色々考えることがあったので、
自分の思うことをお話してみた。
参考動画:「仕事や勉強を頑張りすぎて不眠、うつです。生きてる意味が分からなくなりました」
(ユーチューブ 高須幹弥高須クリニック)