自分をまるごと愛せたら、人生はどう変わる? 自己受容のヒント

自己受容とは、
今の自分をそのまま認めて
受け入れることを指します。

自分らしく、
幸せな人生を歩むために
欠かせないものですが、
「そうしたいと思っても、
うまくできない」と感じている方も
多いのではないでしょうか?

この記事では、
自己受容がなぜ大切なのか、
そしてそれを妨げる3つの要因について
お伝えします。

さらに、どうすれば
自己受容を深めていけるのか、
そのヒントも紹介します。

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自己受容とは?

自己受容とは、
ありのままの自分を丸ごと認め、
抱きしめることです。

それは、自分の長所も短所も、
外見や内面、性格や価値観、感情、
そしてこれまでの経験までも含めて、
「これが自分なんだ」と
まるごと受け入れる姿勢を指します。

「この部分だけは好き」と
都合のよい面だけを認めるのではなく、
できないことや弱さ、短所さえも
「それでよい」
と思える心のあり方です。

自己受容は、私たちの心に
しっかりとした土台を築きます。

この土台が、
自己肯定感を支える
基盤となるのです。

自己肯定感とは、
「自分には価値がある」
と感じられる気持ちのこと。

自己受容が深まると、
この自己肯定感も
自然と育っていくでしょう。

自己受容がもたらす恩恵は、
人生のあらゆる場面に
広がっていきます。

たとえば、
他人との比較に悩む時間が減り、
自分らしさを大切にした選択が
しやすくなるでしょう。

また、他者のよいところを
素直に認めて取り入れたり、
自分の強みをさらに伸ばそうという
前向きな意欲も生まれてきます。

このような心の状態は、
キャリアや人間関係、
日々の暮らしの中でも、
あなた自身の価値観に沿った
意思決定を可能にしてくれます。

自己受容は、
自分らしい人生を歩むために
欠かせないものなのです。

それにもかかわらず、
「どうしても
自分を受け入れられない」
と感じる人も少なくありません。

なぜ私たちは、自分をうまく
受け入れられないのでしょうか?

ここからは、自己受容を妨げる
代表的な3つの要因について
見ていきながら、それぞれに
どう向き合っていけばよいかを
考えてみます。

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自己受容を妨げる要因1:他人との比較

私たちは、
日常のさまざまな場面で
自分と他人を
比べてしまいがちです。

誰かが自分より
優れていると感じれば
劣等感を抱き、逆に
自分のほうが勝っていると思えば
優越感を覚えることも
あるでしょう。

こうした感情に
振り回されている限り、
自分の価値を「人より上か下か」という
相対的な基準でしか測れなくなり、
心は常に不安定な状態に
置かれてしまうでしょう。

相手を
「勝たなければならない存在」
と捉えるようになると、
「どうすればあの人に勝てるか」
という考えにとらわれ、
必要以上にエネルギーを
消耗してしまうでしょう。

そして気づけば、
自分らしさを見失い、
他人との競争に振り回される日々が
続いてしまうのです。

その結果、自分にとって
本当に大切なことや、
どうありたいのかという軸がぼやけ、
本来の目標や願いとは
かけ離れた方向へ進んでしまう
かもしれません。

しかし、自分の価値は
他人との比較によって
決まるものではありません。

成長のプロセスや
幸せへの道は人それぞれで、
唯一無二のものです。

他人を基準にしてしまえば、
せっかくのあなたらしさを
損なうことになるでしょう。

比べることをやめるのは
簡単ではありませんが、
「他の誰かになろうとするのではなく、
自分のあるがままを大切にしよう」
という意識に
切り替えることが大切です。

そのために重要なのは、人間は
多面的で複雑な存在であり、
ある一面だけを取り上げて
他人と比べても
意味がないと気づくことです。

その上で、
自分のさまざまな側面を
どう生かすかに意識を向けることで、
比較する習慣が少しずつ減り、
より自分らしい生き方が
見えてくるでしょう。

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自己受容を妨げる要因2:完璧主義と減点思考

完璧主義的な姿勢で
日々を過ごしていると、
どうしても減点思考に
陥りやすくなります。

「自分はこれがダメだった」
「あれもできなかった」と、
つい自分の欠点や失敗ばかりに
目が向いてしまうのです。

そうした見方が積み重なると、
自己嫌悪におちいり、
惨めな気持ちが
強まっていくでしょう。

人間はもともと
「不完全」な存在です。

よくできることもあれば、
そうでないこともあるのが
自然な姿です。

短所もあれば長所もあり、
よい面もあれば
そうでない面もある――
それが人というもの。

「完璧でなければならない」
という思い込みが強くなるほど、
自己否定の気持ちは深まり、
自己受容がますます
難しくなってしまうでしょう。

また、自分らしさを
大切にしたいという気持ちから、
「個性的でなければならない」
「平凡ではいけない」といった思い込みを
抱えてしまう人もいます。

そうした人は、
「本当の自分とは?」と
自分探しに夢中になりますが、
なかなかはっきりした個性が見つけられず、
見つからない自分に対して
また減点をしてしまうのです。

でも、忘れないでください。
あなたはすでにここに存在していて、
無理に何かをひねり出す必要など
ないのです。

今の自分をまずはしっかりと認め、
そのまま受け入れることが大切です。

どんな人も、
この世界にたったひとりの、
かけがえのない存在です。

今のあなたも、
そのままのあなたで
十分に価値があるのです。

そのことを、どうか心に
しっかりと刻んでください。

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自己受容を妨げる要因3:罪悪感

人は誰でも、
間違いを犯すものです。

そのようなときに大切なのは、
しっかりと振り返り、
同じことを繰り返さないよう
心がけることです。

過ちから学び、
それを次に活かしていく姿勢は、
望ましいと言えるでしょう。

それと同時に、
間違いを犯した自分を
許してあげることが大切です。

必要以上に
自分を責め続けてしまうと、
罪悪感がどんどん大きくなり、
「自分はダメな人間だ」
「価値のない存在だ」
と感じてしまうからです。

そうなると、心はすり減り、
本来の力を発揮することが
できなくなってしまうでしょう。

大切なのは、
学びを得たあとは、
自分を許すことです。

人間である以上、
失敗やミスは避けられません。

わざと失敗しようと
しているわけではなく、
真剣に取り組んでいても、
うまくいかないことは
誰にでもあるものです。

だからこそ、
自分を責め続けるのではなく、
「でも、一生懸命やったよね」と、
優しく声をかけてあげるのです。

そして、そっと自分を
抱きしめるような気持ちで、
「つらかったね。大変だったね。
でも、よく頑張ったよ」と、
自分自身をねぎらってあげましょう。

自分を許すことで、罪悪感から
少しずつ
心が解き放たれていくでしょう。

そうすることで、
あなた本来の明るさや前向きさを、
再び取り戻していけるでしょう。

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自己受容がもたらす恩恵

最後に、自己受容が
深まったときに生まれる
望ましい変化について
見ていきましょう。

自己受容が進むと、
自分のよい面だけでなく、
そうでない面にも目を向けながら、
それらすべてを「これが私なんだ」
と受け止められるようになります。

そうして自分を
認められるようになると、
「今の自分も悪くない」
「けっこうイケてる」
と感じられるようになり、
自然に自分を
好きになっていくでしょう。

また、他人との比較が減り、
不要な競争で
心をすり減らすことも
少なくなります。

無理に誰かのようになろう
とする必要がなくなり、
自分らしく、のびのびと
生活できるでしょう。

キャリアや人間関係、
日々の暮らしなど、
人生のさまざまな場面で、
自分の価値観に沿った意思決定が
しやすくなるのです。

「今の自分で大丈夫」
と思えるようになると、
不思議と向上心も
湧いてくるものです。

「自分の魅力をもっと伸ばしたい」
「新しいことにも挑戦してみよう」
といった意欲を
感じられるようになります。

さらに、自己受容が深まることで、
他者に対しても
寛容な気持ちを持ちやすくなります。

周囲の人の個性や価値観を
そのまま受け入れられる
心の余裕が生まれるため、
人間関係もより穏やかで
心地よいものになるでしょう。

自分にも相手にも
「それぞれに価値がある」
と思えるようになれば、
互いに安心できる関係を
築きやすくなります。

自己受容が深まると、
このように心にも行動にも
前向きな変化が生まれ、
素晴らしい恩恵を
受けられるようになるのです。

だからこそ、自己受容を
意識的に育んでいくことは、
とても価値ある取り組みだ
と言えるでしょう。

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おわりに:あなたは、あなたのままでよい

自己受容とは、
「今の自分の良い面も悪い面も、
すっかりまるごと認めて、
受け入れること」です。

この記事では、
自己受容を妨げる要因として、
1)他人との比較、
2)完璧主義による減点思考、
3)罪悪感の3つを取り上げました。

こうした要因に
振り回されることなく、
意識的に距離を置いていくことが、
自己受容を深めるうえで大切です。

自分をまるごと受け入れることは、
簡単ではないかもしれません。

けれど、
それができるようになると、
人生はもっと楽になり、
心も軽やかになるでしょう。

あなたが
あなたを受け入れるために、
特別な条件は
何ひとつ必要ありません。

あなたは、
あなた以上でも、
あなた以下でもないのです。

そのままのあなたで
生きているだけで、
十分価値があるはずです。

他人と比べることも、
完璧を求めることも、
罪悪感を抱くことも手放して、
ありのままの自分を、
そっくりそのまま
優しく抱きしめてあげましょう。

たとえ間違いをしたとしても、
そこから学ぼうとする姿勢があれば、
それで十分です。

誰だって失敗するものですし、
間違いは成長のチャンスです。

学びを得たあとは、
自分を責めるのではなく、
そっと許してあげてください。

あなたが、
「私は私のままでいい」と心から思えたとき、
人生は想像以上に楽になるでしょう。

そして、人との関係も、
よりあたたかく、
幸せなものへと
変わっていくでしょう。