今回は、
効率よく物事をこなすために
やるべきことについて
お話しします。
結論から言いますと、
それは生活の中に「マイクロフロー」
を積極的に取り入れることです。
では、マイクロフローとは
何でしょうか? そして、
なぜそれが有効なのでしょうか?
さらに、
マイクロフローが不足すると
どのような問題が
起きるのでしょうか?
これらについて
詳しく解説していきます。
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充実したスケジュールを好む現代人
現代人は多忙であり、
多くのことを短い時間で
片付ける必要があります。
そのため、
たくさんの予定を詰め込んだ
スケジュールを作成し、
無駄のない時間を過ごそう
とする人も多いでしょう。
仕事、家事、子育て、自己研鑽など、
すべての時間を効率的に
使おうと心がけています。
このようなスケジュールを立てる人は、
ぼーっとする時間を無意味と考え、
できるだけ持たないようにします。
しかし、
このような姿勢で頑張ることは、
逆効果になる場合が多く、
物事を効率よく進めるのが
困難になります。
なぜそうなのでしょうか?
その理由は、
私たちの身体と心にとって、
活発に活動することと同じくらい、
適度な休養を取ることも
必要だからです。
効率よく物事をこなすためには、
この両方が不可欠なのです。
多忙な現代人は
日々「やるべきこと」に追われ、
自分の休養やリラックスの欲求に
気づきにくい傾向にあります。
そのため、休養が不足し、
リラックスの欲求が
満たされていない人が多いのが
現状です。
そこで、
休養やリラックスの欲求を
満たすために有効なのが
「マイクロフロー」なのです。
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マイクロフローとは?
フロー理論を提唱した
ハンガリー出身の心理学者、
チクセントミハイは、
私たちの生活の中で
ちょっとしたリラックス状態を
「マイクロフロー」と呼びました。
マイクロフローは、
ただボーッとしているとき、
好きな音楽を聴いているとき、
好きな本を読んでいるとき、
友人と雑談しているとき、
散歩しているとき、
空想にふけっているときなど、
日常のなにげない行為の中に存在します。
これらの行為は一見すると
意味のない非効率なものに見えますが、
実際には心身の健康を保つ上で
欠かせないものです。
私たちの身体が
正常に機能するためには、
自律神経のバランスが
整っていることが重要です。
多忙な現代人は
活動時に活発になる交感神経が
優位に働き続ける傾向があり、
これが心身の不調を
引き起こす原因となります。
休息モードである
副交感神経が活発になる時間が
不足しているということです。
マイクロフローのときには、
交感神経が鎮まり、
副交感神経が優位になっています。
したがって、日々の生活の中で
マイクロフローを積極的に取り入れて、
交感神経と副交感神経のバランスを
整えることが、心と身体の健康維持に
つながるのです。
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マイクロフローが生活から奪われるとどうなるのか?
実際に、チクセントミハイは
「マイクロフローを
生活から奪うとどうなるか?」
という実験を行いました。
この実験では、
被験者たちにボーッとしたり、
雑談をすることを禁じ、
「必要な仕事以外はしてはいけない」
と命じました。
その結果、仕事の能率が
大きく低下しました。
これは、
マイクロフローを奪われたことで、
被験者たちの精神のバランスが崩れ、
リラックスできず、
注意力が散漫になったためです。
日々の生活の中で
マイクロフローの状態になることで、
私たちは知らず知らずのうちに
休養やリラックスの欲求を満たし、
それによって心身の健康を保っています。
しかし、
マイクロフローの重要性に気づかず、
一日中忙しく活動的になっている人は、
休養やリラックスの欲求が
満たされないまま、
心身に疲れを蓄積させてしまいます。
短期間ならまだしも、
このような生活スタイルを
長期間続ければ、
心と身体に大きな負担がかかり、
ストレスも徐々に増大していきます。
そして、これが心身の健康を
損なう原因になるのです。
当然のことながら
集中力も続かず、仕事の効率も落ち、
仕事や勉強をスムーズにこなすことが
難しくなります。
さらに、心身の緊張が続くことで
創造性が欠如し、新しいアイデアが
浮かびにくくなることも
珍しくありません。
疲労感やイライラが増して、
生活そのものを
楽しめなくなるでしょう。
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マイクロフローを積極的に取り入れよう!
マイクロフローが欠けると
どのような悪影響があるのか
理解することで、
その重要性を納得できるでしょう。
マイクロフローは
短時間で集中力を高めるのに
役立ちます。
仕事や学習の合間に取り入れることで、
効率よく作業を進められます。
たとえば、作業中に短い休憩を挟み、
好きな音楽を聴いたり、
短時間の瞑想を行っても
よいでしょう。
集中力が途切れそうなときには、
無理に作業を続けるのではなく、
少し休憩を取って意識的に
マイクロフローの状態を
作り出しましょう。
また、クリエイティブな思考や
アイデアが必要なときにも
マイクロフローは有効です。
思考を巡らすことだけではなく、
意図的にぼーっとしたり、
散歩したりする時間を設けることで、
新しいアイデアが
浮かびやすくなります。
マイクロフローを
日常に取り入れるためには、
意識的な工夫が必要です。
朝のコーヒーをゆっくり味わったり、
好きな音楽を聴きながら
朝食を取ったりするなど、朝の時間に
マイクロフローを取り入れることで、
一日のスタートを
よりリラックスしたものに
できるでしょう。
仕事の合間に短時間の休憩を挟み、
好きな本を数ページ読んだり、
短時間の瞑想を
してみるのもよいでしょう。
どのようなマイクロフローが
自分に適しているかは
人それぞれです。
自然と触れ合うのが好きな方は、
公園を散歩したり、
庭で花を眺めることで
リラックス効果を得られます。
クリエイティブな活動が好きな方は、
絵を描いたり、音楽を演奏するなど、
自分の好きなクリエイティブな活動を
楽しみましょう。
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まとめ:活動と休息のバランスを意識しよう!
今回は、効率よく
物事を進めるためには、
ぎっしり詰め込んだスケジュールに
従うのではなく、適度に
マイクロフローを取り入れることが
効果的であることをお伝えしました。
無駄を嫌い、効率性を重視する人は、
ぼーっとしたり
リラックスする時間を軽視しがちですが、
これらの時間がないと、逆に
効率的に作業を進めるのは
困難になります。
一見無駄に思える時間が、
実は心身の安定に寄与し、
結果的に集中力を高め、
効率性を向上させるのです。
マイクロフローは、日常生活の中で
簡単に取り入れられる
リフレッシュ方法です。
短時間で集中力を高め、
作業をスムーズに進めるためにも、
定期的にマイクロフローを
意識して取り入れるとよいでしょう。
心と身体の健康維持や
ストレスの軽減にもつながりますので、
自分に合った方法を見つけて、
ぜひマイクロフローを
日常生活に取り入れてみてください。