自分一人では
解決できない悩みが生じたとき、
信頼できる友人に
その悩みを打ち明けることも
あるでしょう。
しかし、期待していたほど
理解してもらえず、結果として
心が傷つく経験をした方も
いるかもしれません。
そうなれば、「ああ、相談なんて
しなければよかった」と
後悔します。
この記事は、
そういった経験をされた方に向けて
書かれています。
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悩みを打ち明ける価値
思い悩んで辛いとき、
どうしたらよいのか分からないとき、
一人で抱え込まずに
誰かに話すことは、とても大切です。
そうすることで、
心が軽くなることも
多いからです。
問題が解決しなくても、
誰かが耳を傾けてくれるだけで、
気持ちが楽になるでしょう。
他人に相談することは、
新たな視点やアイディアを
得る機会にもなり得ます。
自分では考えもしなかった解決策が
相手の一言で
明らかになることも
少なくないからです。
さらに、共感や励ましの言葉を
もらえれば、
自信を取り戻す支えにも
なるでしょう。
一人で悩みを抱え込むと、
問題が大きく感じられがちですが、
誰かと共有することで
その重さが分散され、
心が軽くなることも
珍しくありません。
そのため、自分の悩みを
誰かに相談することは
望ましいことと言えます。
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相談相手を間違えてしまえば、大変なことに!
ただし、相談相手を選ぶ際には
慎重になる必要があります。
悩みを抱えたとき、
親友に相談するのが最良だ
と思う人も多いようですが、
必ずしもそうではありません。
なぜなら、親友であっても、
適切な相談相手とは
限らないからです。
相手を間違って選ぶと、
逆効果になる恐れがあります。
だからこそ、
相談相手を選ぶ際には、
注意したほうが無難です。
親友に相談を持ちかけたとき、
その親友が適切な対応を
してくれる場合もありますが、
ときには思わぬ反応が
返ってくることもあります。
たとえば、
「そんなの大したことじゃないよ」
と返されたり、
「世の中にはもっと厳しい状況を
乗り越えている人もいるんだよ」
と言われたり、
「前向きな気持ちで頑張ろう!」
と下手に励まされたり、
「君の考えは少し甘いんじゃないかな?」
と指摘されることもあるでしょう。
そのような言葉を聞くと、
相談者は自分の感情や思いが
理解されていないように感じ、
ますます傷つくことも
少なくありません。
開いた傷に
塩やレモンを塗られたような感じで、
心はズキズキと痛むでしょう。
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なぜ相手はあなたの気持ちを理解できないのか?
信頼できると思って
心を開いた人から、
期待と異なる対応をされて
ショックを受けることも
あるかもしれません。
その結果、相手への信頼が揺らぎ、
ときには敵意を感じることさえ
あるでしょう。
信じていた人が
思っていたような人ではなかった
とがっかりするのです。
しかし、その相手が
期待に応えられなかったのは、
それなりの理由があるはずです。
相手はあなたの苦しい気持ちや悩みを
真の意味で理解できなかった可能性が
高いです。
これは、
相手に悪意があるわけではなく、
信頼できないわけでもありません。
相手はあなたを
慰めようとするものの、
どのように対応すればよいか
分からないのです。
特に深刻な相談の場合には、
あなたの話に戸惑いを
感じることもあるでしょう。
あなたを傷つける意図がなくても、
どのように対応すればよいのか分からず、
適切な対応ができなくなるのです。
結果的に、
相手が自分の意見を述べたり、
不適切なアドバイスを
することも考えられるでしょう。
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人は自分の経験したことしか真の意味で理解できないもの
人は自分が
直接経験したことのみを、
真に理解することができます。
自分が
経験していないことについては、
その本質を完全に理解するのは
難しいものです。
「それは大変そうだ」
と感じることはできますが、
その理解は表面的なものに
とどまりがちです。
たとえば、
幸せな家庭環境で育った人は、
毒親の問題に直面する人の苦しみを
本当の意味で理解できません。
幸せな夫婦関係にある人々が、
離婚の問題に立ち向かう人の葛藤を
深く感じ取ることは
ほぼ不可能でしょう。
子どもを持たない人には、
育児の大変さが
完全には理解されないものです。
また、パニック発作を
経験したことがない人は、
それがもたらす恐怖を
実感することができません。
そのような状況を聞かされても、
「大変そうだ」と思うにとどまり、
その実態を正確に理解することは
不可能なのです。
自分が似た経験をしていない限り、
そのことを完全に理解することは
無理なため、
相手に期待しないほうが賢明です。
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適切な相談相手だけに相談すること
そのため、
いくら親しい友人であっても、
必ずしもその人に
相談すべきではありません。
適切な相談相手とは、
あなたが経験したことと
似た経験を持つ人や、
経験がなくても
あなたの感情に共感し、
寄り添ってくれる人です。
このような人を見つけることが、
大切なのです。
相談相手が適切かどうかを
見極めるには、初めに話を少しだけ
してみる必要があるでしょう。
無言のままでは、相手に
自分が悩んでいることを
知ってもらえませんから。
でも、少し話してみて、
相手が引く様子を見せたり、
的外れな言葉が返ってきた場合には、
その段階で話を即座に中断しましょう。
「この人は、自分の苦しみを
理解できないだろうから、
相談相手としてふさわしくない」と判断し、
できるだけ早く
その話題を終わらせることが肝心です。
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全ての点で相手と仲良くなる必要はない
このような状況で
「あの人は自分のことを
分かってくれないから、
もう関わるのはやめよう」
と思うかもしれません。
しかし、それは
ちょっともったいないと言えます。
なぜなら、その点では
相手とつながれなくても、
他の共通点で共有できる可能性が
あるからです。
趣味が同じだったり、
スポーツを一緒に楽しむ仲間ならば、
その点で関わり続ければいいのです。
必ずしも全ての面で
相手と仲良くなる必要はありません。
したがって、
縁を切る必要もないでしょう。
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どんなに親しくても100%の理解は無理
親密な関係であればあるほど、
自分のことを理解してくれるはずだ
と期待するのは自然なことでしょう。
しかし、血のつながりのある親子や
兄弟姉妹の関係、また、
長い間親しくしてきた親友でさえ、
自分のことを100%
理解しているわけではありません。
理解したいと思っても、
できないこともあるからです。
だからこそ、自分のすべてを
相手に理解してもらおうと期待するのは、
避けたほうが無難です。
人は誰しも、
自分が経験したこと以外は、
真の意味でそれを理解するのが
困難だからです。
そのことを念頭に置き、
理解されなくても仕方がない
と受け入れましょう。
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身近に適切な相談相手がいない場合には
誰かに相談したいと思っても、
適切な相手が
身近にいない場合もあるでしょう。
そのような場合には、
いくつか選択肢があります。
たとえば、
同じような経験を持つ人たちが集まる
「自助グループ」に参加することが
考えられます。
共通の問題を抱えた人同士で
お互いを支え合い、
励まし合う中で、問題の解決策や
乗り越え方を見出せるかもしれません。
お互いの経験を共有し、
共感し合うことで、
心が癒されることでしょう。
また、
カウンセラーに相談することも
一つの手段です。
ただし、
カウンセラーであるからといって、
必ずしもすべての人に
最良な相談役になるわけではありません。
専門家でも
自分と相性が合わない人も
いるでしょうし、
人間の心や行動は複雑で個別性があるため、
専門的なアドバイスでも、
必ずしも効果があるとは限りません。
だからこそ、
自分に合ったカウンセラーを
見つけることが大切です。
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まとめ:慎重に適切な相談相手を選ぼう!
今回は、自分の悩みを相談する際
相談相手を慎重に選ぶことの大切さを
お話ししました。
間違った相手に相談してしまうと、
状況がさらに悪化する可能性があるため、
この選択はとても重要です。
たとえ親友であっても、
その人が適切な相談相手でないことも
珍しくありません。
その理由は、親友には
あなたと同じような経験がないため、
その悩みの本質を
理解できないからです。
適切な相談相手とは、
あなたと似たような経験を持つ人か、
もしくは、あなたをしっかりと傾聴し、
寄り添う姿勢がある人です。
相談する前に、まずは少し話をしてみて
相手が適切かどうかを見極め、
その後でより深い話に
進むとよいでしょう。
相手が不適切だと感じた場合は、
直ちに会話を終了するほうが賢明です。
人は自分の経験していないことについては、
その真意を完全に理解するのは不可能です。
相手があなたを
十分に理解できないのは、
そうした理由によるものであり、
決して悪意からではありません。
そのような場合でも、
共有できる点で
関係を続けるとよいでしょう。