今回は、日本の若者が
元気がない理由は何か?
を考えてみたいと思います。
日本の外から日本を見て
感じることはたくさんありますが、
その中の一つが、日本の若者は
あまり元気がないということです。
私はニュージーランドに長年住んでおり、
ニュージーランドの若者を見ると、
日本の若者とは随分違うと感じます。
そこで、今回は
私が考えることをお話ししてみます。
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自分の将来に希望を持てないから?
先日、日本の友人と話したとき、
「日本の若者は元気がない」
という話題が出ました。
友人によれば、
少子高齢化や増税、
日本経済の低迷、
将来の年金問題など、
日本が直面する多くの問題があり、
若者たちが自分の将来を考えるとき、
これらの問題が大きな重荷となり、
夢や希望を持ちにくくなり、
元気をなくしてしまう
ということでした。
確かに、これらの問題を
日々ニュースで目にすると、
未来が明るくないと感じるのは、
やむを得ないことかもしれません。
そのため、暗い気持ちになり、
元気を失うのも理解できます。
友人の意見には同意しますが、
それ以外にも、日本の若者が
元気がない理由があるのではないか
と私は思います。
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日本の教育が子どもを受け身にする?
それは何かと言えば、
「教育」です。
日本では、教師や親、上司など、
上の立場にいる人が
「~しなさい」と指示すると、
子どもや下の立場にいる人は、
疑問を持ちながらも、
その指示に従うような教育が
行われていると感じます。
そのため、受け身の人間を
作りやすくしてしまうのです。
たとえば、
私が日本の中学校に
通っていたころの経験ですが、
私の中学校には
さまざまな校則がありました。
例を挙げると、靴下は白色で、
くるぶしまでの短い丈であること、
模様やワンポイントが
入っているものは許可されない
というルールがありました。
それに加え、
爪を長く伸ばすのも禁止されており、
毎日、教師が生徒全員の
爪の長さや靴下を
チェックするというのが日常でした。
さらに、多くの細かい
「~すること」「~しないこと」
といったルールによって、
生徒たちは制限されていました。
クラスの中で、
「なぜ靴下にワンポイントが
入ってはいけないのか?」
と質問する生徒もいましたが、
そのたびに教師からは
「これがルールですから」
という回答のみが返ってきました。
「規則だから」「そういうものだから」
という説明にとどまり、質問した生徒も
それ以上追求することは
ありませんでした。
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これでは思考停止になりやすい!
私自身も、学校だけでなく
家庭や職場など、さまざまな場面で
これと似たようなことを
目にすることがありました。
私が子どものころ、日本の実家で
何かに納得がいかないときに、
親に「どうしてそうなのか?」
と問いかけても、ほとんどいつも
「そういうものだから」
という答えが返ってきました。
親と異なる意見を言ったときも、
「それは違うよ!
それはこういうものなんだ!
そんなこともわからないと
笑われてしまうよ!」
と言われたことを覚えています。
職場でも、「このやり方ではなく、
別の方法のほうが早くできるのでは?」
と提案した同僚がいましたが、
そのときも上司は「いや、今まで
ずっとこの方法でやってきたから、
これが普通なんだよ。そういうものだよ」
と答えていました。
その当時は、「これがルールだから」
「そういうものだから」「今までずっと
この方法でやってきたのだから」
と言われれば、それで納得していました。
しかし、今振り返ると、
「そういうルールだから」
「そういうものだから」というのは、
良くないことだと感じます。
答える側にとっては、
そのように答えることが
一番簡単で楽かもしれませんが、
なぜそうなのかを質問者に
説明したほうがよいでしょう。
多分、答える側も
その理由を知らないことが
多いのではないでしょうか。
そして、
理由がわからないからといって、
追求を避けて
「そういうものだから」と済ませるのは、
考えることを放棄する姿勢です。
このような教育は、
上の言う通りに従えと強要し、
思考停止を促すことだと思います。
「これがルールだから」
「これが規則だから」
「そういうものだから」
「今までずっとこの方法で」と答える側も、
能動的な姿勢を
欠いていると言えるでしょう。
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受け身教育がもたらす弊害
日本を離れ
異国での生活を経験すると、
日本特有のアプローチが
普遍的ではないことに気づきます。
私が日本の学生が元気がない
と感じたのは、
アジアからの留学生のサポートを
手伝ったときのことです。
日本からの学生は、
他のアジア諸国の学生に比べて、
指示を待つ傾向が強い
と感じました。
あるイベントのとき、
現地集合だったのですが、
その日、たまたま、
前もって先生が伝えていた
「直通ルートのバス」が
キャンセルになりました。
日本の学生さんは、
指示されていたバスに
乗れなかったので、
現地に行けなかった人も
数名いました。
これに対して、他国の学生は、
直通でなくても、
バスを乗り継いで
目的地に到着することができました。
これは、
指示されたこと以外の状況に対して、
自分で対処する力が
育っているかどうかの違いだ
と思います。
能動的に動ける学生は、
自分で目的地に行くためのバスを
積極的に調べる姿勢を持っています。
しかし、受け身でいると、
指示通りにことが進む場合はいいですが、
そうでない場合には、
どう対処すべきか
わからなくなってしまいます。
このような状況を目の当たりにして、
日本の学生は受け身の教育を
受けてきたのだなと感じました。
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自分で考え行動することの大切さ
もちろん、日本人全員が
受け身であるわけではありませんが、
私のように昭和中期に生まれた世代には、
「そういうものだから」と言われ、
さまざまな場面でそれ以上追求せずに
思考を停止させてしまう人もいると思います。
実際、私も
そのような教育を受けてきたので、
受け身になってしまうことが
しばしばあります。
また、親として子どもたちに
「それはそういうものだから」
と言ったこともありました。
でも、今となっては
そのことを反省しています。
特に最近、この姿勢では
いけないと強く思うようになりました。
その理由は、「自分で考える力」
が育たないからです。
そして、それが受け身の姿勢を強め、
何かがしっくりこなくても
現状を受け入れてしまうことに
つながります。
それでは問題に向き合い、
自分で改善することもできませんし、
生活の質も向上しないでしょう。
日常生活でさまざまな問題に
直面したときにも、受け身では
前に進むのが困難です。
上からの指示を待つのではなく、
自分で考え、行動することが
重要です。
受け身で生きると、
周囲や状況に流され、
自分では何も変えられない
と感じることも多いでしょう。
特に、社会が思わしくないときには、
絶望感を覚えることもあります。
確かに、私たちのコントロールを
超えた問題も存在しますが、
それでも自分が変えられることは
たくさんあります。
自分にできることに関しては、
他人の指示を待つのではなく、
積極的に考え、
行動に移したほうが賢明です。
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おわりに:自発的に動くことを意識しよう!
私も含め、日本の若者たちは、
指示待ちするのではなく、
もっと自発的に行動することを
意識したほうがよいでしょう。
自主的に動けるようになるためには、
「それはそういうものだから」
「政府がそう言っているから、
そうなんです」「それが当たり前だから」
「今までずっとこの方法でやってきたから」
という言葉を避け、
疑問に思うことや
納得がいかないことに対しては、
思考を止めずに徹底的に考え、
さまざまなことに向き合う姿勢が
重要だと思います。
今回は「日本の若者が元気がない理由」
というテーマでお話ししましたが、
正直、この話は
少し飛躍してしまったかもしれません。
若者が元気を失う理由は一つではなく、
さまざまな要因が絡み合っているものです。
しかし、先日日本の友人との会話の中で
「日本の若者は元気がない」
という話を聞いたとき、
私が最初に思い浮かべたのは
この点でした。
私の感じたことが
全ての人に共感されるとは思いませんが、
個人的な見解として
聞いていただければ幸いです。
この話題に関して、YouTubeでも
動画を投稿しています。
ぜひご覧になっていただけると嬉しいです。
リンクは以下になります:
https://youtu.be/KU_n3KqCtN8?si=afckLkT8XlZRhqX-