今回は、
子育てをしている親の立場から、
子どもに対する過干渉を
避けることの大切さについて
考えてみます。
親の過干渉とは、
子どもが自分で考え
選択するべき事柄に対して、
「こうしなさい」「ああしなさい」
「それはやめておきなさい」
といった形で干渉する
親の行為を指します。
この記事では、
なぜ親の過干渉が
子どもにとって望ましくないのか
に焦点を当ててお話しします。
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親は子どもを愛するがゆえに、心配する
子育ての中で、親は
さまざまな心配や不安を
抱えることが多いです。
親は子供を愛するからこそ、
自分の子どもに関心を持つわけですし、
子どものことで心配になったり
不安を感じたりするわけです。
そういった不安や心配が
子どもの年齢に応じた
適切な保護やサポートに
つながればよいのですが、
ときには心配や不安が大きすぎて、
親自身がそれを抱えきれず、
子どもへの過干渉に
走ってしまうことも
少なくありません。
小さな子どもに対しては、
親が指示を与えることが必要ですが、
子どもが自分で考え
選択できる年齢になっても、
親が過度に干渉するのは
望ましくないでしょう。
なぜなら、
親の行為が子どもの自立を妨げ、
健全な境界線を引くことを
難しくさせてしまうからです。
親は自分の行為を
子どもにとって良いことだ
と信じていますが、過干渉の結果、
子どもはマイナスの影響を受け、
将来的に苦しむことも多いのです。
したがって、親はこの点に
十分注意したほうが賢明です。
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過干渉の親が子どもに与える悪影響について
過干渉な親に育てられた子どもには、
どのような望ましくない影響が
生じるのでしょうか?
過干渉の親は
子どもの意思決定を代行することが多く、
その結果、子どもは自身で
決断する能力の育成が難しくなります。
大人になっても
自立的な決断を下せなくなり、
将来的に苦しむことも
珍しくありません。
また、
過干渉の親に育てられた子どもは、
親の期待に応えるための
プレッシャーを感じやすく、
それがストレスや
不安の原因になることもあります。
心理的な自立が困難になり、
親に依存する傾向が
強くなるでしょう。
親の介入が多いと、
子どもは自分自身で考え、行動し、
失敗から学ぶ機会を奪われ、
成長、成熟が阻害されて
自信を失うリスクも高まります。
さらに、
親との関係が中心となりやすく、
同年代の子どもたちや
他の人々との
健全な関係を築くのが
困難になる場合もあります。
これらの弊害は個人差があるため、
全ての子どもに同じように
当てはまるわけではありませんが、
過干渉による悪影響は
子どもの心理的発達に
深刻な影響を与えるリスクがあることは
間違いありません。
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必ずしも直接的な干渉だけではない!
親の過干渉は、「こうしなさい」
「ああしなさい」
「それはやめておきなさい」といった
直接的な形もありますが、
必ずしもそうとは限らず、
間接的な干渉も存在します。
たとえば、
「あなたの人生なのだから、
あなたが自由に決めてよいよ」
と言いつつ、
子どもが親の望まない選択をすると、
親が不機嫌になったり、
悲しむ様子を見せたり、
ため息をついたりすることがあります。
このような非言語的なメッセージは
子どもを金縛り状態に
陥らせてしまいます。
言葉で「自由にしてもよい」と言いながら、
態度では「それは受け入れられない」と
矛盾するメッセージを送ることで、
子どもは「ダブルバインド(二重拘束)」
の状態に置かれます。
人がダブルバインドの状態に長くいると、
精神的に不調をきたしやすく
心を病んでしまうことも
少なくありません
この状態は子どもの心に負担をかけ、
子どもに不幸を招く
リスクがあるということです。
そこで、
親は直接的な干渉を避けるだけでなく、
非言語的なメッセージで
子どもの選択を否定していないか、
自身の態度にも
十分注意を払う必要があるでしょう。
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過干渉を克服するために
親の過干渉が
子どもに与える悪影響について、
これまでの話で
ご理解いただけたと思います。
では、どのようにして
親は過干渉から
脱却できるのでしょうか?
まず最初に、親が謙虚になり、
自分の弱さを受け入れ、
自分の気持ちをそのまま
受け入れてあげるとよいでしょう。
「今の私は、子どものことが
こんなにも心配で不安なんだな。
その心配や不安は、自分では
抱えきれないほど大きいんだな」
と自分の心の状態を
素直に受容するのです。
その上で、心配や不安が
過干渉につながらないよう、
具体的な対策を考えます。
たとえば、
瞑想やヨガなどの
リラクセーション技法を取り入れて
感情やストレスを適切に管理し、
自分の心の健康に努めても
よいでしょう。
また場合によっては
専門家(カウンセラー)
の助けを借りることも
一つの手段と考えられます。
自分自身の趣味や興味を
追求することで、
子どもに対して過剰な焦点が当たるのを
防ぐことも有効でしょう。
さらに、子ども自身が考え行動し、
ときには失敗から学び、
成長していくことを理解し、
そのような機会を子どもに
積極的に与える姿勢が大切です。
自己受容が進むにつれて、
親は子どもとの間に
健全な境界線を引きやすくなり、
子どもの領域への過剰な介入を
減らすことも可能でしょう。
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まとめ:子どもを幸せに導くために
今回は、子育てにおいて、
子どもへの過干渉を避けることの
重要性についてお話ししました。
過干渉とは、
子ども自身が考えて決断すべき場面で、
親が代わりに「こうしなさい」
「ああしなさい」
「それはやめておきなさい」
と指示する行為です。
直接的な指示だけでなく、
「自由にしてよい」と言いつつ、
態度で「それは受け入れられない」
と矛盾したメッセージを伝え、
子どもをダブルバインドに追い込む
間接的な干渉もあります。
親の過干渉は、子どもの自立の欠如、
自己肯定感の低下、ストレスの増大、
対人関係の問題、心理的依存など、
さまざまな悪影響を
及ぼす可能性があります。
そのため、親は自分の行動に
十分注意したほうが無難です。
ただし
もし自分が過干渉な親である
と気づいても、
自分を責める必要はありません。
これから注意を払って
改善すればよいだけです。
私たちは皆、人間である以上
不完全な存在です。
親であっても学びの最中であり、
子育てを通じて経験を積み、
成長していくものです。
私たちには伸びしろが
あるわけです。
自分の不完全さや未熟さを
受け入れることで、
今の自分に合った課題を見つけ、
自分のペースで成長・成熟の過程を
歩んでゆけば十分です。
親も子育てで試行錯誤しながら、
失敗から学び、子どもと共に
成長のプロセスを楽しみましょう!