相手との関係を自分で調節! ペーシング&ディスペーシング術

この記事では、
自分にとって理想的な
人間関係の距離感を得るための
効果的な手法をご紹介します。

それは「ペーシング」と
「ディスペーシング」という方法です。

特定の人との関係を
深めたい場合は「ペーシング」を、
逆に距離を置きたい場合は
「ディスペーシング」を
適用するとよいでしょう。

では、さっそく詳しく解説しましょう!

====

人間関係の距離を縮めるペーシングとは?

ペーシングとは、
相手の言葉や動作、
感情、姿勢などを真似ることで、
相手との同調を図るテクニックです。

うまく行えば、
相手もあなたに対してリラックスし、
本音を話しやすくなり、
信頼関係を築くのにも
役立つでしょう。

具体的には、
相手と会話をする際に、
相手の話すスピードやトーンに合わせて、
自分も受け答えをするとよいでしょう。

もし相手がゆっくり話していれば、
自分もゆっくりと話します。

相手が小声で話しているときは、
自分も声量を控えめにします。

身振りや姿勢を
合わせることも有効です。

相手が身を乗り出して
話しているときには、
自分も同様に
身を乗り出して聞きます。

さらに、感情表現を
合わせることも可能です。

相手が笑顔で楽しそうに
話しているときには、
自分も笑顔で
楽しげに話を聞きます。

そして、
相手が心配そうな
顔をしているときには、
自分も同じように
心配そうな表情をします。

相手と目の高さを合わせるのも
効果的です。

相手が立って話しているときには、
自分も立って話を聞き、
相手が座って話しているなら、
自分も座って話を聞きます。
これにより、目の高さが同じになります。

ペーシングはさまざまな場面で
活用できます。

たとえば、新しい職場に入った場合、
周囲の文化や
コミュニケーションスタイルを観察し、
同僚が使う言葉や表現を学び、
自分もそれを使ってみると、
新しい職場に馴染みやすくなるでしょう。

また、ビジネスの場で
交渉などをする際には、
相手の話し方や姿勢に注目し、
それに合わせて
自分も同じテンポやトーンで
話を進めるとよいでしょう。

そうすることで
相手との同調を促して、
良好な関係を築きやすくなります。

相手に合わせて会話をすることで、
相手は「この人は私の話を熱心に聞いてくれる」
「この人は私に共感してくれる」
と感じることができ、相手も安心します。

すると
相手も話しやすくなり、
本音を
打ち明けることもあるでしょう。

ペーシングは
相手との精神的な距離を縮め、
親密な関係を築くために
役立つテクニックです。

====

距離を置くことを望むなら、ディスペーシングが効果的!

ディスペーシングは、
ペーシングとは真逆の行為で、
特定の人との距離を
置きたいときに有用な手法です。

「この人とは少し距離を置いたほうがよい」
と感じる相手に対して
試してみるとよいでしょう。

たとえば、
相手が嬉しそうに話しているときに、
こちらは冷静な面持ちで
話を聞きます。

相手が身を乗り出して
話しているときには、
こちらは身体を引き気味にして
聞きます。

目線の高さも、
意図的に相手と異なるようにします。

相手が立っているときは
座ったままで、
相手が座っているときは
立って対応するとよいです。

さらに、
相槌を打つ際も注意が必要です。

相手の発言に対して
「そうですね」「なるほど」「わかります」
といった同意を示す代わりに、
「そうですかね?」
「私はそうは思いませんが、
そういう考えもあるでしょうね」
「ふーん、そうなんですか?」
などと反応するのです。

このような対応をされると、
相手も「この人とは会話が楽しくない」
「この人と話しても反応が薄い」と感じ、
自然とあなたに
話しかけることが減るでしょう。

相手はなんとなく
自分は好意を持たれていない
と察することもでき、
特に必要がなければ
あなたに近づくことも
なくなるでしょう。

また、意図的に時間的、
空間的な距離を設けることも
効果的です。

例として、
距離を置きたい相手からのメールには
直ちに返信せず、
時間をおいてから答えるのです。

同じ空間での会話では、
親しい人とは異なり、
意識的に相手から少し離れた場所に
自分の身を置くことがポイントです。

さらに、
相手の意見とは異なる
自分の見解を述べることも
効果的ですが、
意見の違いが
口論に発展することは避けましょう。

適当なタイミングで
相手とは異なる意見を
述べる機会があれば、躊躇せず、
自分の意見を言うことです。

この際、感情的にならずに、
落ち着いて淡々と意見を伝えることが
大切です。

====

ペーシングとディスペーシングの適切な使い方

ペーシングやディスペーシングは、
相手に応じて
微妙に調整することが可能です。

もし相手と迅速に距離を置きたい場合、
相手が「あれっ、なんだ、この反応は?」
と感じるほど
露骨で明らかなディスペーシングを
行うこともできます。

ですが、
たとえ好感が持てない相手であっても、
失礼な態度をとったり、
衝突を引き起こすことは
避けるべきです。

もし関係を急激に
悪化させたくない場合は、
さりげないディスペーシングを
心掛けるとよいでしょう。

言葉や動作、感情、姿勢を
相手と合わせないようにするのですが、
相手にはそれとなく行うのが
ポイントです。

その結果、相手ははっきりとは
気づかないかもしれませんが、徐々に
「この人と話しても手ごたえがない」
と感じて、
自然と距離を置くようになるでしょう。

一方、ペーシングを行う場合にも
注意が必要です。

相手の行動をあまりにも真似しすぎると、
行動が不自然になり、
相手に不快感を与えてしまうことが
あります。

無理に真似るよりは、
自然に行うことが望ましいのです。

相手の言葉を
理解していることを示すために、
重要なポイントを適宜繰り返して
相槌を打つことは効果的ですが、
その際には、反復しすぎないよう
注意しましょう。

相手の言葉をたびたび繰り返すと、
会話が不自然になり、
相手に不快感を与えかねません。

自然体で、
さりげなく相手に合わせるのが、
ペーシングを成功させる秘訣です。

====

まとめ:ペーシングとディスペーシングで理想的な距離感を保とう!

今回ご紹介したのは、
ペーシングとディスペーシング
という心理学の技法を駆使して、
特定の相手との
人間関係の距離感を調節する方法です。

ペーシングでは、
相手の言動や感情、姿勢に
自分を合わせることで、
相手との調和を図り、
親密さを深めたいときに有効です。

一方で、ディスペーシングは
ペーシングとは真逆の行為を行い、
相手との距離を意図的に
取ることを目的としています。

これらの技術を
適切に使い分けることで、
相手との理想的な距離感を
自分にとって好ましいものに
することができます。

相手との関係性に応じて、
ペーシングとディスペーシングを
上手に活用し、
望む人間関係を築いていきましょう!