自分にとって
当たり前に思えることでも、
相手にとっては必ずしも
当たり前ではない。
このことをしっかり心得て、
相手に向き合えば、
コミュニケーションも円滑になり、
良好な人間関係が築ける。
今回の話題はそんな話だ。
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自分にとって大切で、
とても重要だと思えば、
相手にとっても同じように
重要だろうと勝手に推測する。
でも実際は、そうでもない。
自分にとって明らかで、
当たり前に思えることは、
他のみんなも同じだろうと考える。
しかし、
みんながみんな「その通りだ」
と肯くわけでもない。
自分は
「こうやるのが当たり前だ」
と考えて、そのようにやっても、
そのやり方は万人には通用しない。
自分にとっては簡単なことでも、
相手にとっては
難解なこともある。
逆に、自分にとって
複雑に見えても、
相手にとってはシンプルだ
と感じることもある。
私たち人間は
自分を基準に考えがちだ。
自分がそうだと思えば、
他の人も同じように
そのように思うはずだ
と考えてしまう。
しかし、現実には
これは大きな間違いだ。
自分にとって当然だ
と思われることでも、
相手にとってはそうではない。
自分の当たり前と
他人の当たり前は
異なることがしばしばだ。
このことを知ることは、
お互いを理解する上で
とても重要だ。
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なぜ、自分の当たり前は
目の前の人の当たり前とは
違うのだろうか?
その理由は、人間は多様で、
一人一人が異なる
バックグランドを持つからだ。
生まれ育った環境や
育ててくれた親も違うし、
今までどんな人たちに囲まれて、
生きてきたかも違う。
過去に経験したこと、
受けた教育や就いた職業、
趣味や好みも人それぞれ。
現在自分が置かれている状況や、
社会的な地位や立場なども
異なっている。
生まれ持った性格や気質、
能力や才能、体の状態も
人それぞれ全く違う。
そのため、
同じ出来事や情報でも、
人はそれぞれ異なる観点から捉え、
異なる解釈や意見を持つ。
例えば、
同じチームで働くメンバーでも、
あるメンバーは、仕事において
細かいタスク管理や文書作成が
優れている。
その一方で、別のメンバーは
クリエイティブなアイデアを
出すことに長けている。
この2人は得意分野が違うため、
お互いの「当たり前」は
全く違うものになる。
一人にとって当たり前でも、
もう片方には新鮮な発見
であることも珍しくない。
また、チームには役割や立場が
異なる人たちが存在する。
マネジャーやリーダーは
チームのビジョンや目標を決定し、
戦略を立てる役割がある。
その一方で、
実際に業務を担当するメンバーは、
その戦略を実行するために、
具体的な方法や手順を考える。
マネジャーやリーダーにとっては
当たり前のことでも、
実際に業務を遂行する人にとっては、
当たり前ではないことも多々ある。
よって、自分にとって
当たり前のことでも、
相手にとっては
そうでない場合があることを
念頭に置き、
相手と会話をする際には、
そのことを考慮して
行うのが望ましい。
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具体的には
どんなことに気をつければ
よいだろうか?
まず最初に
大切だと思われることは、
最低でも
3回は繰り返して言うこと。
プレゼンや営業トークでは、
一番最初に「まずこれが大事です」
とトピックの重要事項を予告する。
次に、話のメインの部分で
なぜそれが重要なのかを
詳しく説明すること。
最後に
話を終了させる直前に、
再び重要事項を
確認のために繰り返すことだ。
情報発信をする人も
「これは大事なことなので
読者や視聴者にぜひ伝えたい」
ということがあれば、
そのことを3回は
繰り返すのが望ましい。
同じ言葉でなくても、
類語や例えを利用して、
違った表現をするとよいだろう。
自分にとっては
明らかで当たり前なので、
3度も言うのはくどいのでは?
と心配するかもしれない。
しかし、
聞く側、読む側、情報を
受信する側は、
多くの情報の中で、
そのことが大事なのか
見極めがつかないもの。
よって、
繰り返して貰った方が
分かりやすいし、
受け取りやすい。
日常のちょっとした会話でも、
3回繰り返すルールを
利用するとよいだろう。
例えば、待ち合わせの時間や、
相手に持って来て欲しい物、
やっておいて貰いたいことなど
相手に忘れて欲しくないことは、
3回繰り返して言うことだ。
そうすることで
相手が忘れることを防げる。
通常3回。でも、
3回ではダメな人には
4回、5回と繰り返すのもOK。
逆に1~2回で十分な人もいる。
相手によって適切な回数に
調整するのも大切だ。
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自分の得意分野や、
専門分野のことを話す際も、
十分注意を払うとよい。
特にその分野にいない人に
話す場合は、要注意!
自分や同僚は
当たり前に使っている言葉でも、
その分野外の人には
何のことだか分からない。
一般的で
誰が聞いても理解できる
簡単な単語を利用して、
分かりやすく説明することは、
とても重要だ。
自分の住んでいる環境内では、
誰もが知っていることでも、
遠くに住んでいる人には
意味不明なこともある。
そんな場合も、
どんな人が聞いても、
理解しやすい言葉を選ぶこと。
時には、
その背景になる説明も
加えた方がよいだろう。
相手がどんな人なのか?
相手の知識レベルを考えて、
説明の仕方を変えることだ。
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今回の話をまとめれば、
「自分にとっては当たり前でも、
相手にとってはそうではない」。
人は多様で、それぞれの
バックグランドが異なるからだ。
よって
相手は自分と同じように
物事を理解できるとは
限らないのだ。
相手に伝えたい大事なことは、
最低でも3回は
繰り返すことが望ましい。
また、何かを説明する際は、
相手の知識レベルや経験、
状況や立場なども考慮に入れて、
分かりやすい言葉を使用して
話すことが重要だ。
常に相手がどんな人なのかを考慮して、
相手の視点に立って考え、
言いたいことを
説明するとよいだろう。
これによって、
相手の理解度も増し、
コミュニケーションも円滑になり、
良好な人間関係を
築くことも可能になる。