今回の話は、
他人にイラっときても、
誰かにその人の悪口を
言わない方がよい理由について。
結論を先に言えば、
悪口を言うことで、
長期的には自分が苦しんで
しまうからだ。
他人のためと言うよりも、
結局はその方が
自分のためになるからだ。
なぜそうなのか?
説明したい。
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他人にイラっときた時に、
誰かにその人の悪口を言えば、
一時的にはスッキリするだろう。
でもその後、ジワジワと
嫌な感覚が戻ってきて、
不快な気持ちになることも
しばしばだ。
悪口の後のモヤモヤは、
脳科学的にも説明がつく。
まず最初に、人間脳には
「倫理」を判断する領域があり、
悪口を言えば、その領域が
活性化してしまう。
この脳の部分では、
自分がやったことが
正しいか? 間違っているか?
を判断している。
もし正しいことではない
と結論が出されれば、
嫌な気持ちが生じるように
できているのだ。
更に脳内には、
感情的、突発的、反射的のような
短期的に作動される
システムがあるのと同時に、
長期的視点で
冷静に物事を判断するシステムも
存在する。
イラっとくるのは
短期的なシステムが作動するから。
この時に、
反射的に相手を攻撃すれば、
あとになってから
「やっぱりやらなきゃよかった」
と後悔することになる。
後悔が生じるのは
長期的なシステムが働くからだ。
悪口を言ったことが、
人づてで本人に伝わり、
そのうちリベンジされるのでは?
と不安感が出るのも、
長期的システムによるもの。
悪口を言うことで、脳内では
このようなことが
起きてしまうのだ。
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確かに、悪口を言えば、
一時的にはスカッとする。
一瞬、気持ちも晴れるだろう。
しかし落ち着いた後に、
自分がしたことが
倫理的に良くなかった
と悔やむことも多い。
「やっぱり、これは
まずかったかな?」と
将来の相手との人間関係を
心配することもある。
小心者であれば、
そのことが頭の中を
グルグル回ってしまい、
悩み始めてしまうのだ。
こういう状態は、
自覚できなくても、
精神的にはかなりのストレスだ。
心の負担になるくらいなら、
最初から悪口を言わない方が
良かっただろう。
言わなければ、
ツマラナイことで
悩むこともないし、
不必要に自分の時間やエネルギーを
すり減らすこともないからだ。
長い目で見れば、
悪口を言わないことは、
相手のためではなく、
自分のためになることだ。
その方が
余計な不安を抱えることなく、
自分もラクに過ごせるからだ。
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そうは言っても、
イラっとした気持ちを
そのまま抑えて、
自分の心の内に溜め込むのは、
精神衛生上、良くないこと。
ではどうすれば
よいだろうか?
一番のお勧めは、
「書き出すこと」だ。
嫌だと思ったことや、
自分のネガティブ感情を
そのまま紙に書き出したり、
キーボードを叩いて
パソコン入力することだ。
ただしSNSなどで
拡散するのはNG。
他人には見られない
自分だけのスペースで
不快な気持ちを
吐き出してみるとよい。
このアウトプットは
想像以上に効果がある。
書き出した後には、
気分的にも落ち着いて、
スッキリできるからだ。
書くことに慣れてなければ、
多少面倒に思うだろう。
でも実際にやってみれば、
けっこう簡単に実践可能で、
書いた後には頭の中のモヤモヤも
どこかへ消えているものだ。
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書くのではなく、どうしても
誰かに喋ることで
嫌な気持ちを吐き出したければ、
カウンセラーに聞いて貰うのも
良い手段だ。
優秀なカウンセラーは
傾聴スキルに長けているので、
下手なアドバイスを
受けることもないはず。
自分の思うことや感じたことを
カウンセラーに話してみれば、
気持ちもラクになるだろう。
カウンセラーではなく、
友人や知人に聞いて貰いたい場合は、
その嫌な相手とは
全く無関係の人を選ぶべきだ。
ただしこれも多少リスクがある。
自分では無関係だと思っていても、
どこで人が繋がっているかは
分からないからだ。
よって、友人・知人は
できるだけ避けて、
専門家に相談する方が望ましい。
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今回の話をまとめれば、
他人にイラっときた時、
一瞬、仕返ししたくなったり、
誰かにその人の悪口を
言いたくなったりするものだ。
そうすることで
短期的には気分が晴れるから。
しかし長期的視点で
もっと冷静に物事を見つめれば、
悪口は極力避けた方が無難だ。
悪口を言うことで、
後でもっとモヤモヤしたり、
不安が生じたりして、
被害を被るのは自分自身だからだ。
脳科学的にも、悪口を言えば
自分が損してしまうことが
証明されている。
でもそうは言っても、
イライラやモヤモヤを我慢して
自分の内に溜め込むのも
良くないこと。
自分の中にある悪いものは、
外に出してしまった方が
気持ちも落ち着ける。
そんな時に役立つのは、
紙に書いたり、
キーボードを叩き、
パソコン入力すること。
この際の注意点は
SNSでの拡散はダメ。
自分だけのスペースで
やることだ。
どうしても誰かに話したければ、
カウンセラーが一番のお勧めだ。